来るか!? 鉄鋼大相場!(5401)日本製鉄 魅力的な配当率と思わぬ値上がりを狙えるチャンスが到来か!

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.01.25

えす休さん えす休さん

日経平均株価は昨年12月20日の日銀金融政策決定会合から年末に掛けて軟調な展開となり、年明けの2023年相場も緩和終了を意識した取引が続き、ここまで日銀金融政策決定会合への警戒感から手の出しづらい投資環境が続いていましたが、今回はその間も意に介せず上昇傾向となっている銘柄に注目したいと思います。

 

日本製鉄<5401>の株価の現状

リーマンショック前の07年7月に9,640円の高値(当時は合併前の新日本製鉄・住友金属工業)を付けて以後、コロナ禍においては一時800円を割りこむ安値を付け、ハイテク・グロース株の勢いもあり、鉄鋼セクターは投資家から見向きもされないほど株価は落ち込みました。

 

しかし、株価が表す数字ほど業績は悪くなく、20・21年3月期決算は連続赤字となったものの、22年3月期決算では過去最高益となるV字回復となりました。

 

23年3月期も連続最高益予想となっており、鉄鋼セクターも20・21年に絶好調だった海運セクターを感じさせる好業績が期待されています。

 

次回、2月9日の決算発表にも注目が集まりますが、ここでコンセンサスを越える決算内容や、上方修正を出してくる(匂わせてくる)ような材料が出てくると、現在の株価上昇傾向から更に弾みがつく可能性が出てきます。

 

これから3月末の配当を狙いに来る投資家が増える時期に入りますが、1月20日現在の株価2,628円を昨年実績での配当160円から配当率を計算すると6%(推定利回り)と、日本の上場企業の中でもかなりの高水準にあります。

 

配当が160円と発表された時は株価がまだ2,000円を下回っており、昨年6月の安値1,838円での配当率は8%(推定利回り)を越える状態にありながらも、鋼材価格のピーク、原材料コストの上昇懸念から業績が追い付かないとの外部コメントもあり株価は横ばいとなっておりました。

 

しかし、ここにきて昨年高値を軽々突破、その後も日経平均と逆行する形で買いが続いています。

経営状況の改善と価格転嫁

少し原材料価格の高騰に落ち着きが出てきておりますが、各企業の価格値上げ実施が相次ぐ中、日本製鉄は自動車産業や主要取引先に対して2021年から既に値上げ交渉を実施しており、他の企業より早く価格転嫁の成功に繋げています。

 

単に企業努力だけで価格を維持することはせず、世界トップクラスの技術力とクオリティの高い鋼材をもって、「良いものは適正価格」という経営スタンスが見えてとれます。

来るか⁉鉄鋼大相場

鉄鋼セクターは予想もしない大相場になる年があり、87~89年・06~07年には前年株価から倍以上に株価が大化けした過去があります。

 

私は06~07年当時をよく憶えていますが、ライブドアショック(06年1月)までは新興(マザーズ・ジャスダック・ヘラクレス)市場が大賑わいとなり、大企業の株価は横ばいという状態でしたが、新興市場ブームが過ぎると、合併前の新日本製鉄・住友金属は連日で株価が上昇。テクニカルは一切無視、ほぼ1年半止まることなく上昇に次ぐ上昇で大相場となりました。

 

最後はリーマンショックで大相場の終了となったが、今回の日本製鉄(含む鉄鋼セクター)は鉄鋼大相場の再来となるか、期待が高まっています。

 

日本製鉄(5401)株価動向

 

既に上昇傾向にある中での買いエントリーは勇気を必要としますが、まさかの鉄鋼大相場に備え、今回は3つの戦略を立ててみたいと思います。

 

①鉄鋼大相場とまではいかないが、配当率から逆算し、キャピタルゲインを取りに行く(1月20日終値2,628円、昨年実績の配当160円と設定)

 

・株価2,900円(配当率5.51%)
(上昇率:約+10%)
・株価3,200円(配当率5%) 
(上昇率:約+18%)
・株価3,500円(配当率4.57%)
(上昇率:約+25%)

 

配当率4.0%越えでも日本株では十分魅力の高い配当水準とも言え、ここから株価3,000円台を狙ってみても面白いと考えます。

 

②鉄鋼大相場に期待し半年~2年目線で保有継続

 

過去2回の鉄鋼大相場は前年比で株価が倍以上に大化け(バブル化)しましたが、20~21年の海運セクターも前年比8倍となる大相場になっており、鉄鋼セクターの大相場に期待して、中長期的なポートフォリオの一部に組み込む。

 

日本株で鉄鋼セクターは日本製鉄(5401)、JFE(5411)が好配当銘柄。バブル化した時は鉄鋼セクター一斉高が期待出来るので、本命銘柄一本に絞るも良し、小型鉄鋼株で大化けを狙うも良し、鉄鋼ETF(1623 ※流動性は低い)で鉄鋼セクター全体を応援するような投資法でもいいと思います。

 

③連想買い期待

 

日本株以外にもリスクテイク出来る方なら、世界的な鉄鋼バブルへの連想買いに期待して、鉄の材料となる鉄鉱石でオーストラリアのBHPグループ(ティッカー:BHP)、海外の鉄鋼大手各社でユナイテッド・ステイト・スチール(ティッカー:X)、アルセロールミタル(ティッカー:MT)、ポスコ(005490:KS)や中国市場の鉄鋼関連に手を広げてもいいと思います。

戦略のまとめ

今回の鉄鋼セクターの株価上昇の背景のひとつに、中国のアフターコロナへの経済復活期待(鋼材の需要増)が含まれています。

 

中国経済が好景気に繋がるようだと、あらゆるモノの物価上昇が懸念され、原油をはじめコモディティ価格が再び上がることが予想されます。

 

もちろん鋼材価格も上昇しますので、鉄鋼企業の業績にはプラスになりますが、一方で鉄鉱石や高炉を動かす原価コストが上がる事にもなります。

 

過度な物価上昇は再び政策金利を上げてインフレを抑えることに繋がり一転して株安になることも考えられます。

 

やや過熱感も出ており、買いエントリーは複数回に押し目を拾う形で臨みたいですね。

※本記事は2023/1/23時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.01.25

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この記事を書いた人

えす休さん

投資のコンシェルジュ投資のコンシェルジュ
2004年から株式投資をはじめ、数々の相場ショックを経験し独自の銘柄分析手法を確立。現在は日本株をメインに、指数・コモディティ・FXでポートフォリオを組むスイングトレーダー。専業トレーダー以前は資産形成アドバイザー(IFA)として、景況感の相場ローテーションに基づいた運用アドバイスを担当。これから投資を始めるビギナーからステップアップを目指す投資家まで、投資家の資産状況やステージに合わせた最適な運用手法を提案して資産形成のサポートをします。

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