【紛争発生】地政学リスクの高まりで株価は暴落する?
世界情勢 マーケットニュース 2023.10.19
世界中で紛争が発生し、株式市場でも地政学リスクの高まりが意識されることが増えています。
そこで今回は紛争や戦争などの地政学リスクが、株式市場にどのような影響を与えるのかを解説していきます。
目次
紛争や戦争が発生すると金融市場では何が起こる?
業績の悪化、株式市場からの資金流出、原油高などが発生
紛争で景気の見通しが不透明になり、企業業績が悪化
基本的には紛争などが起こると株式市場は下落します。
なぜなら、どのくらい紛争が長引くか、影響がどのくらい広がるのかが読めず、経済の見通しが不透明になるからです。
企業にとっては、事業計画が立てにくくなり、投資の減少につながります。
また、消費者も先行き不透明感から買い控えを起こしやすいことも、企業業績悪化の要因となります。
リスクの高い株式からは資金逃避も
経済の見通しが不透明になれば、企業業績や株価の先行きを読むことも普段より難しくなります。
そのため、多くの投資家は紛争などが勃発すると、自身の取れるリスクに合わせてポートフォリオを調整します。
結果として、株式が売られ、比較的リスクの低い国債や、有事に強いとされる金に資金が移動する傾向があります。
紛争の発生地域によっては原油や食糧価格が高騰
産油国が紛争などに巻き込まれた場合、原油の供給が不安定になり、原油価格の高騰につながってしまいます。
あらゆるモノの輸送や原料として使用される原油の価格が高騰すれば、多くの企業業績が圧迫されます。
また、原油価格や食糧価格の高騰が長引き、消費者の心理の重荷となれば、物価高と不景気が同時に訪れるスタグフレーションの発生にもつながってしまいます。
紛争や戦争で、株価が上昇する銘柄とは?
一部の業種では上昇に期待ができるが、短期間にとどまる可能性が高い
このように、紛争や戦争は、経済や企業業績に悪影響を与え、株式市場の下落要因となります。
しかし、防衛関連、エネルギー関連など、一部の銘柄は特需によって、上昇する傾向があります。
防衛関連銘柄は他国での戦争であっても、自国の国土防衛意識が高まるため資金が流入する場合が多いです。
エネルギー関連については、原油価格の高騰によって収益が増加するため、業績の拡大に期待した買いが入りやすいです。
株式市場が不安定になる紛争発生時には、投機的な資金流入がこうした銘柄に集中し、大幅高となる銘柄が見られることもあります。
ただし、こうした上昇は、あくまで特需への期待感や思惑でのもので、長期的に続くとは考えにくいため、短期での取引を意識する必要があります。
戦争による株安は止まらない?下げ止まるのはいつ?
戻る可能性は高いが、銘柄によっては注意が必要
過去に紛争などの地政学リスクで、日本の株式市場が下落したことは何度もあります。
その後、市場が持ち直さずに低迷を続けているわけでないことは、現在の株式市場を見れば明白です。
長期で考えれば、地政学リスクに巻き込まれ、株価が下落した場面は買い時と言えるでしょう。
しかし、短期的には投げ売りが出て、下げ幅が想定以上に大きくなる可能性が想定されます。
また、業績に影響があった場合、財務体質がぜい弱な企業は大きく打撃を受けてしまう可能性があります。
地政学リスクの高まった場面はチャンスと考えながらも、買い付けを行う際には、資金管理に注意し、財務状況をよく見て銘柄を選別するようにしましょう。
世界情勢 マーケットニュース 2023.10.19
この記事を書いた人
日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)
総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。
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