市場変革で特需発生中のマースグループホールディングス(6419)をアナリストが徹底解説!

株式情報 日本株 2023.10.20

江口 裕臣 江口 裕臣

今回は、【6419】マースグループホールディングスに焦点を当て、今後の株価がどうなっていくのかを徹底的に解剖していこうと思います。

 

市場変革で特需発生中

 

【6419】マースグループホールディングスは、日本のパチンコ業界に革命をもたらす可能性を秘めた企業です。

 

主に、パチンコ店向けの機器製造開発に強みを有しており、工場向けにも自動認識関連製品を展開している企業です。

 

ホテル事業なども展開していますが、メインはやはり、パチンコやパチスロで遊技する際に

お金を投入する「サンド」を開発、販売している会社です。

 

パチンコ業界は長らく衰退傾向にあり、カジノ実施法の成立により遊技機の出玉数が規制され、需要が低迷し縮小の一途を辿っていました。

 

しかし、メーカーの試行錯誤で遊技機の定義は崩さずに従来のような出玉感を維持しつつ、規定を超えない遊技機が誕生したんです。

 

それがスマート遊技機、いわゆる「スマスロ」と言われるものです。出玉規制が緩和されたことに加え、メダルレス化による不正防止やホール側の人件費といったコスト削減を実現しました。

 

これによって、パチンコ店のホール投資意欲が回復したことで、従来機から仕様変更をするために、電子データで遊技・管理が出来る専用ユニットへの投資をする必要が生まれ、ユニットメーカーには特需が訪れた状況です。

 

スマート遊技機(スマスロ)の台頭により、従来の遊技機ユニットの入れ替えが必要となったことで同社の需要が高まりました。

その結果、業績予想を上方修正し、今後の業界展望が明るく、今投資家の関心を集めています。

 

屈強な財務体質と決算

【6419】マースグループホールディングス 日足チャート (2023年4月17日~10月17日)

 

【6419】マースグループホールディングスの基本情報は以下です。

東証プライム上場

時価総額:約610億円

自己資本比率:86.5%

有利子負債:0

配当利回り:3.92%

 

特に自己資本比率の高さには目を見張るものがあり、無借金経営による財務の健全性が好感視出来る点です。

 

また、配当利回りも魅力的でキャッシュリッチな企業のため、株価水準が切り上がりやすいため、長期上昇トレンドを形成しやすい利点があります。

 

そんな中、9月13日に決算を発表し、2024年3月期の通期企業予想を上方修正しました。

売上高は320億円、営業利益は93億円となっており、今期の最終利益は45億円から66億円に見通しを引き上げました。

 

これは前期比の2.1倍の規模となります。

また年間配当予想は、85円から105円と前期比で35円の増配となることから、株価の上昇を呼び込みました。

 

競合他社も同様に業績が大きく伸長しており、スマスロ市場の覇権取りを狙うメーカーの競争激化に合わせて、人気タイトルが続々と投下されています。

 

パチンコ店としても人件費や維持費等のコストを削減するためにもメダルレスなシステムにシフトしていく流れとなっています。

 

また全国のスロット設置台数に対するスマスロ比率は8月時点で約20%と言われており、まだまだ入れ替え余地を残していることから、今後更に導入数が伸びれば更なる業績向上に繋がります。

 

年末年始や大型連休を前にビッグタイトルを投下するというのが、パチスロメーカー業界にとっては通例のため、今後も決算内容が上振れる可能性が高いことを暗示しています。

 

スマパチの可能性

 

スマスロと同じくしてスマパチはまだまだ導入数が少ないというデータがあります。

 

スマパチとはスマートパチンコの略で、従来のパチンコ玉がホール全体を循環する大がかりなシステムではなく、遊技機内を循環するため、スマスロと同様にコスト削減に大きな需要を秘めています。

 

従来のパチンコ店では、島単位でパチンコ玉を管理し、出玉を計数機に流して、再度循環させるため、キズや汚れが玉詰まりを誘発したり、玉の持ち出しや不正利用のチェックといったコストが掛かる仕様でした。

 

しかし、スマパチとなれば、その手間がなくなり、ホールとしてもコストが削減されるため、設備投資に積極的になることが可能となります。

 

業界全体が活性化する土壌が整ったことで、専用ユニットメーカーの需要は今後、更に伸びていく可能性が高いと考えています。

 

また新紙幣の発行に伴う更新需要も相まって、業容拡大への期待が集まる注目セクターです。

 

4.まとめ

 

カジノ実施法の成立で特需が発生しているセクターであるため、業容拡大への期待が膨らむ状況下にあり、年末年始にかけてビッグタイトルの投下が約束されていることから、更なる需要拡大が期待視されています。

 

ライバル企業としては4社ありますが、【6419】マースグループホールディングスは財務的にも健全で時価総額で見てもまだまだ上昇する余地があると考えることが出来ます。

 

株価の本質は業績であることから、上方修正をする可能性が高いセクターで投資をすることで大幅なキャピタルゲインの確率が高くなります。

 

スマスロもまだまだ導入余地を有していることやスマパチの普及、新紙幣の更新需要と業界全体に追い風が拭いている今、財務面もしっかりとした同社株には熱視線が集まっていくとして、今後の値動きに注目しても面白いかもしれません。

 

※最終的な投資判断は自己責任となります。

株式情報 日本株 2023.10.20

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江口 裕臣

この記事を書いた人

江口 裕臣

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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