【バラマキ減税】崖っぷちの岸田政権!経済対策で恩恵を受ける銘柄は?

マーケットニュース 国内情勢 2023.10.29

石塚 由奈 石塚 由奈

増税のイメージが定着し、支持率が低迷する岸田政権。

 

起死回生の一手として、現在は臨時国会で経済対策に関する議論がされています。

 

そこで、今回はこの経済対策が株式市場にどんな影響を与えるか、関連して買われそうな銘柄はあるかといった展望をお伝えしたいと思います。

 

増税イメージは払拭ならず。解散は困難に…

 

岸田首相は、20日に「税収増を国民に還元するための期限付きの所得税減税」を検討するよう与党幹部に指示したと伝わっています。

 

しかし、22日に行われた衆議院・参議院の2つの補欠選挙は、自民党がうち1つの議席を失う厳しい結果となりました。

 

岸田政権の方針は、有権者に好感されていないようです。

 

岸田首相は、すでに増税のイメージが根付いていて、「減税といってもどうせ一時的な選挙対策でしょ」「有権者を馬鹿にしているのか」と反感を買っている面がありそうです。

 

本来なら、経済対策を11月下旬に成立させて、年内に衆議院解散・総選挙というシナリオもあったと思うのですが、支持率低迷と厳しい選挙結果を受けて解散は難しくなっています。

 

いったん解散はなしで、来年9月の岸田首相の自民党総裁任期満了に向けて立て直しができるかが、今後の注目点になってくるかと思います。

 

バラマキ政策でインフレに拍車がかかる可能性も

 

また、今のように日本経済が回復基調にあるなかで、幅広く減税を行うバラマキ政策はやりすぎに見えます。

 

岸田政権は今回の減税を、「デフレ完全脱却のための一時的な緩和措置」と説明していますが、必要以上のバラマキは、先々のインフレ加速につながってしまう可能性もあります。

 

経済合理性をまったくもって無視した人気取りの政策だと評価せざるを得ないというわけです。

 

私としても、年末に向けて、経済対策と解散総選挙で株高というシナリオを視野に入れていたのですが、残念ながら期待は薄れていると思います。

 

それでもバラマキの恩恵を受ける銘柄はある!?

 

それでも、国内でお金がばらまかれればその行き先となる企業は潤うものです。

 

今回の経済対策の場合、所得税減税や、低所得者への給付が主軸に掲げられています。

 

これらは、国内消費の底堅さにつながり、低価格帯を中心に展開する小売・サービス企業などの内需株を中心に、業績の追い風となる期待ができそうです。

 

贅沢品、高級品よりも、安価な商品を扱っている内需株が有望となるでしょう。

 

具体的には、スーパーやドラッグストア、飲食店や低価格帯を中心としたアパレル関連などに注目したいです。

 

例として、直近に発表された決算内容が良好だった関連銘柄を2つほどご紹介しておきます。

 

日常的な消費増加の恩恵を受けるホームセンター企業

 

まず1つめは、【7516】コーナン商事です。

 

【7516】コーナン商事 日足チャート (2023年2月2日~10月26日)

 

同社は大阪を地盤にホームセンターを展開しており、同業他社の買収などで収益拡大を続けています。

 

リフォーム関連やペット用品などを中心に、売上高も好調に推移していて、10月11日には24年2月期通期の業績予想を上方修正しました。

 

PBR1倍割れの割安感もあって、底堅い値動きを継続する期待ができそうです。

 

外食産業の底堅さにも期待。光熱費の負担軽減策も支えに

 

2つめの銘柄は、【9861】吉野家ホールディングスです。

 

【9961】吉野家ホールディングス 日足チャート (2023年3月2日~10月26日)

 

この会社は、10月12日に24年2月期の業績予想を上方修正しています。

 

売上高の底堅く推移に加えて、政府による光熱費の負担軽減策によるコストの減少が、収益を押し上げました。

 

政府による高熱費の負担軽減策は、来年4月末まで延長される見通しですので、今後も好調な業績が続く期待ができそうです。

 

ただし、同銘柄の株価は上場来高値圏で推移していますので、調整に注意して、あくまで短期目線で見ていく必要がありそうです。

 

現在は3月期決算企業の第2四半期決算発表も本格化しつつありますので、他にも業績好調な内需株に注目していきましょう。

 

ライドシェア関連に物色の可能性も…?

 

さらに今回の経済対策を見ていくと「供給力の強化」というキーワードが出てきています。

 

特に人手不足解消に向けた規制改革として出てきたライドシェアに関する話題は、少し新しい動きで、株式市場の反応も見られています。

 

ライドシェアとは、一般ドライバーが有償で乗客を運ぶことを指し、安全性の観点から日本では禁止されています。

 

しかし、インバウンドが回復するなかで、タクシードライバーが足りないという問題もあって、規制緩和の議論が本格化しているんです。

 

現時点では自民党内にも慎重論があり、実現可能性は不透明ですが、まだ株価が実現を織り込んでいないからこそ、話が具体的になれば、関連銘柄に上昇の余地が生まれると思います。

 

ライドシェアの話が出てきて動意づいた銘柄としては、以下のような銘柄が挙げられます。

 

【7093】アディッシュ

 

【7093】アディッシュ 日足チャート (2023年7月3日~10月26日)

 

子会社がマッチング型ライドシェアサービスを手掛けているため、物色対象となっています。

 

【9082】大和自動車交通

 

【9082】大和自動車交通 日足チャート (2023年6月8日~10月26日)

 

相乗りタクシーの実証実験に参加した経緯があり、投資家からの物色が見られています。

 

現時点では、実際にライドシェアに関する規制緩和が実現するかは不透明ですので、どちらの銘柄も、好材料出尽くしとみた売りが波及する場面が見られています。

 

直近の高値で掴んだ人の売りが一巡し、値動きが落ち着かないとなかなか買いを入れにくい状況と言えます。

 

ただし、売り一巡後に仕込んでおけば、再度話題が出てきたときに買いが向く期待はできそうです。

 

経済対策をチャンスにしていこう!!

 

ここまで今回は、岸田政権の経済対策についてお話してきました。

 

今回の経済対策で、岸田政権が改めて評価されたり、日本経済が大きく押し上げられたりといった動きには、なかなか期待しにくいです。

 

しかし、所得減税や給付金が内需株の業績にプラスに働いたり、ライドシェア関連に物色が向いたりと一部のセクターや銘柄には追い風となる期待ができます。

 

世の中のあらゆる動きを利益に変える余地があるのも投資の面白さです。

 

今回の経済対策もチャンスと捉えて、是非利益を狙っていただければと思います。

マーケットニュース 国内情勢 2023.10.29

石塚 由奈 石塚 由奈

石塚 由奈

この記事を書いた人

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 投資戦略部 主任
証券アナリスト(CMA)
テクニカルアナリスト(CMTA®)

国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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