【働き方改革】物流の2024年問題ってなに?

マーケットニュース 国内情勢 日本株 2023.12.12

峯岸恭一 峯岸恭一

2024年4月から物流業界の最大年間残業時間が短くなるため、運輸能力が不足する可能性があることはご存じでしょうか?

 

これは「物流の2024年問題」と言われており、運輸業界は現在この問題の対応に向けて力を入れています。

 

何故モノが運べなくなるのか?

 

まず、現在の日本の運輸状況の説明から致します。

 

貨物輸送の規模を表す、貨物の重量と輸送距離をかけた「トンキロ」という単位で国内輸送の割合を表すと、自動車が約5割、内航開運が約4割となっています。

 

日本の国内運輸は自動車に依存する割合がかなり多いことがわかります。

 

この日本の運輸を支えている自動車の運輸能力が2024年の4月から不足してモノが運べなくなる可能性がある、というのが「物流の2024年問題」です。

 

運輸業界は元々ドライバー不足や若手不足による高齢化などの問題があり、長時間労働が常習化していました。

 

さらに近年では、インターネットでモノの売買を行うことが増えた影響もあり、輸送量は年々増えているため、ドライバーの負担は増えています。

 

このような状況を変えるため2024年の4月から働き方改革法案により、ドライバーの時間外労働時間の制限が今までより短くなります。

 

そのため、いままでよりもドライバー一人当たりがモノを運べる時間が短くなり運輸能力が低下してしまうんです。

 

何も対策をしなければ、2024年度には約14%(4億トン相当)、2030年度には約34%(9億トン)の輸送能力が不足する可能性があるという試算も出ています。

 

企業はどのように対応する?

 

2024年4月に向けて各企業は様々な対応策を練っています。

 

人員を増やす、運送拠点を増やすなど様々な対策がありますが、一番注目されているのはITシステムの活用です。

 

システムの活用により、業務をデジタル化することによって作業効率を向上させます。

 

荷物の管理はもちろん、配送計画などをデジタル化することによってスムーズな配送が可能になり、待機時間の削減などの効果もあります。

 

また、トラックの積載量などをAIで計算して輸送効率をあげるシステムなども開発されています。

 

ドローンや自動運転車の導入なども検討されており、運輸の形が大きく変わる可能性もあるでしょう。

 

市場に影響はあるのか?

 

対応策によって、初期コストや継続コストは異なるため、企業によって明暗がはっきり別れるのではないかと見ています。

 

人員の増加などで対応した場合、継続コストがかかるため利益を圧迫してしまいます。

 

一方でITシステムの導入などにより、コストを抑えられれば大きく業績の拡大に期待が持てるでしょう。

 

運輸セクターだけでなく小売業や飲食業、自動車セクターなどの物流に依存しているセクターにも業績を与える可能性が高いと見ています。

 

またシステム開発・AII関連企業を提供している会社にも、運輸業界向けのサービスの提供を始める企業が増えて行くかもしれません。

 

2024年4月以降は関連銘柄の業績が大きく変動するリスクがあるため、今のうちに保有株の整理を行ってリスクを管理することをご検討してみてはいかがでしょうか。

マーケットニュース 国内情勢 日本株 2023.12.12

峯岸恭一 峯岸恭一

峯岸恭一

この記事を書いた人

峯岸恭一

日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)

総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。

峯岸アナリストの投資助言を受けたい方は≪こちらをクリック≫

アクセスランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間