サステナビリティ情報の開示って何?
株式情報 投資戦略 日本株 2024.02.05
2月に入り決算が本格化していこうという昨今。
財務情報を読み込んで、銘柄の良し悪しを判断することも多いと思います。
しかし、将来的に財務情報だけでなく非財務情報であるサステナビリティ情報が開示されることをご存じでしょうか。
今回はそんなサステナビリティ情報及びそれに関連するESG投資について解説していこうと思います。
目次
サステナビリティ情報とは
環境・社会・経済の3つの観点から、持続可能な社会の実現に貢献するために行っている活動などの情報です。
「サステナビリティ」とは自然環境や人間活動が長期にわたって持続していける可能性のことで、環境が再生し続けられるように事業を行っていこうという考え方のことです。
サステナビリティには、環境保護、経済発展、社会開発の3つの方針が主軸としてあります。
環境保護では、資源を枯渇させないために、物質循環が行われる速度で消費することや、生態系の健全性を保つなどの、地球環境のバランスを保つことが求められています。
経済発展では、継続的にパフォーマンスを維持して利益を出し続けることや、環境や社会に配慮した行動が求められています。
社会開発では、全ての人が人権と基本的な生活必要物資を手に入れることができ、コミュニティを健康で安全に維持するために資源を利用できることなどが求められます。
持続可能な社会の実現には経済活動によって生じる環境や社会などへの影響を踏まえて行動する必要があるという考え方ということです。
サステナビリティ情報は長期運用の指標に
社会問題や環境問題への関心が高まってきたことにより、近年ESG投資の注目度が上がってきていることをご存じでしょうか?
ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)という3つの要素を考慮するという考え方です。
上記のサステナビリティと何が違うのかというと、サステナビリティは考え方であるのに対して、ESGは具体的な基準やどのようなことを行って経営しているか。
つまり、ESGはサステナビリティという目標を達成するための手段であると言い換えられます。
そしてESG投資とは、環境や社会などに配慮を行って事業を行っており、適切な企業統治が行われている会社に投資をしようという考え方です
環境や社会などを無視した経営は将来的に破綻するリスクが高く、逆に配慮を怠らない企業であれば環境が変わった場合でも柔軟に対応できる可能性が高いと予想されます。
つまり、ESGを重視した投資を行うことで長期的な資産形成におけるリスクを低減する投資手法がESG投資になります。
IFRS基準のフォーマットの統一により比較検討が安易に
経済産業省が行ったアンケート調査によれば97.9%の運用期間がESG情報を投資判断に使用しているとの結果がでており、ESGは投資判断にかかせない指標になっています。
しかし、統一されたフォーマットがないため企業間での比較などが難しいというのが現状でした。
そこで国際会計基準を作成しているIFRS財団は、非財務情報開示を行う際の統一された国際基準を策定する機関サステナビリティ基準審議会、通称ISSBという組織を発足させました。
IFRSを適用している企業では、24年1月1日以降の会計年度には統一基準を適用することとなっています。
IFRSを適用していない日本企業も、現在日本版のサステナビリティ情報開示基準が現在開発中であり、24年度中に確定予定となっています。
将来的には日本企業でもサステナビリティ情報が統一されたフォーマットで開示される可能性が非常に高いと言えるでしょう。
それぞれの企業が同じ形式で開示することで、サステナビリティ情報は容易に比較可能になるため、いままで以上に長期投資の指標としての注目度が高まる可能性があります。
長期での資産形成をする場合には、是非サステナビリティ情報の確認までしてみてはいかがでしょうか。
株式情報 投資戦略 日本株 2024.02.05
この記事を書いた人
日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)
総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。
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