紅麹問題の深刻さが明るみに!小林製薬の業績への今後の影響は?

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 日本株 2024.04.12

遠藤 悠市 遠藤 悠市

小林製薬の紅麹問題の深刻さが、明確になってきています。

 

紅麹コレステヘルプというサプリメントを摂取した人々が、腎臓の病気や異常を発症しており、報告では少なくとも5人が死亡し、約2万2000件以上の相談が寄せられているとされています。

 

問題が発覚したことで、サプリメント業界全体に対して大きな影響を与えており、消費者庁では機能性表示食品制度のあり方について検討までなされています。

 

前回に引き続き、「紅麹」問題について、新たな情報から見えてきた影響の大きさを詳しく解説していきます。

 

・健康被害の原因特定か

 

今回の問題は、小林製薬の製品である「紅麹コレステヘルプ」というサプリメントを摂取した人々が、腎臓の病気や異常を発症しており、多くの患者が入院し、一部では死亡例も発生しています。

 

厚生労働省は3月29日、健康被害のあった「紅麹」製品を解析した結果、想定していない物質が見つかり、「プベルル酸」と説明したと明らかにしています。

 

「プベルル酸」は青カビから産生される天然化合物であり、毒性が強いとされていますが、研究があまり進んでおらず、人体に与える影響は不明な点が多いとされています。

 

現状では、「プベルル酸」が原因物質かどうかはわからず、健康被害との因果関係はわかっていません、厚生労働省は国立医薬品食品衛生研究所で過去3年分のサンプルを分析し、特定を進めることにしています。

 

原因物質とされている「プベルル酸」は、本来、生産ラインに存在しないため、工場で生成されたか、混入した可能性が高いと考えられています。

 

被害を招いた可能性が高いのは大阪工場で製造されたサプリ用の紅麹原料であり、現在小林製薬は、この工場に残る製造ラインを使ってプベルル酸の生成や混入の可能性を調査しています。

 

・影響はさらに広がる

 

小林製薬の他、様々な企業も紅麹関連製品の回収を行っています。

 

帝国データバンクが発表した調査結果によると、同社製の紅麹原料を使用した製品は、

国内で最大3万3000社に流通している状況となっています。

 

小林製薬による紅麹原料の供給先は、のべ225事業者であり、そこからさらに直接の仕入れや販売関係がある「1次販売企業」は873社、原料などの仕入れで取り引きがあり、流通や加工を行う「中間流通・製造など」の企業は3878社となっています。

 

加えて、1次仕入加工企業から商品の仕入れや販売などの関係がある「2次仕入・販売企業」などを含めると、最終的に国内3万社以上に小林製薬製の紅麹原料を使用した製品が流通している可能性があります。

 

小林製薬は健康被害を訴えている人への費用と紅麹原料の供給先への補償を行うとしていますが、当初想定していた18億円を上回る見通しを示しており、同社への金銭的負担が増加する懸念もあります。

 

また、3月28日に消費者庁は機能性表示食品の安全性を点検するため、届け出を行っているおよそ1700の事業者に対して健康被害がないかなどを確認する緊急の質問状を送付したことを明らかにしました。

 

「機能性表示食品」の制度は2015年に始まり、「悪玉コレステロールを下げる」など健康に関する有効性について、消費者庁に届け出さえすれば、「国の審査」の必要なく表示できるものとなっています。

 

健康志向の高まりを受けて市場は急拡大し、商品の数は約6800点にのぼっていますが、今回の健康被害問題を受けて、「機能性表示食品」自体が消費者から避けられる場合も考えられます。

 

政府は「機能性表示食品」のあり方など、対応策を5月末までにまとめる方針であり、対応によっては何らかの規制などが掛かることが想定されるため、さらに多くの企業に影響を及ぼすと考えられます。

 

紅麹から発生した問題が今や、サプリメント業界や機能性表示食品までにも影響を及ぼしています。

 

また、原因物質や因果関係も特定されていないため、長期的な問題になることが予想されます。

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 日本株 2024.04.12

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この記事を書いた人

遠藤 悠市

日本投資機構株式会社 アナリスト日本投資機構株式会社 アナリスト
大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて、株式投資を投資金30万円で始め4年間で990万円まで資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト

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