ラピダス始動で日本の半導体産業はどう変わる?関連銘柄の株価への影響も展望

世界情勢 マーケットニュース 国内情勢 2024.04.15

江口 裕臣 江口 裕臣

ラピダスとはどんな会社?

 

ラピダスとは革新的な半導体技術の開発に取り組む企業であり、特に2nm世代半導体の量産を目指しています。

日本を拠点に活動するこの企業は、AI、データセンター、スマートデバイスといった分野で必要とされる高性能半導体の供給を目指し、その技術力で世界中から注目を集めています。

 

2024年には大規模な投資と技術開発を進め、これまでにないスピードでの半導体製造を実現することが期待されています。

主要な出資者には、日本の政府や大手半導体企業、さらには国際的な投資ファンドが名を連ねており、ラピダスの開発計画に対して総額5兆円の資金が提供されています。

 

また、世界的な半導体製造企業であるTSMCとのパートナーシップも注目されており、ラピダスが目指す技術の高度化と量産化において、TSMCの豊富な経験と技術が大きな力になっています。

これらの強力な支援体制は、ラピダスが今後の半導体市場で大きな影響力を持つことを示唆しており、日本株にもポジティブな影響を与えると見ています。

 

またラピダスは、次世代の半導体業界を牽引するべく、2nm世代の半導体技術の開発に挑戦しています。

ただこの目標を達成するには、5兆円という巨額の投資が必要となり、半導体技術の着実な進化と、量産への道筋をつけることが求められます。

 

この野心的なプロジェクトは、2024年にはその成果が顕著に現れることが期待されており、AIなどの高度な技術を要する分野で大きな進歩をもたらすことが予測されています。

 

ラピダスの恩恵北海道や半導体産業全体に

 

TSMCなど既存の大手半導体企業との競争において、明確な差別化戦略を打ち出しています。

上述した2nm世代半導体の開発において、独自の製造プロセスや革新技術の導入により、性能の向上とコスト削減を実現しようとしています。

 

さらに、日本株としての位置付けや、日本の経済への貢献も重要な戦略の一つで、ラピダスは関連企業との連携を深め、日本経済の活性化と株価の向上にも寄与することを目指しています。

 

こうした取り組みは、工場建設地である北海道千歳市周辺での経済圏形成や、政府からの追加支援による周辺プロジェクトの進展にも表れており、半導体市場における競争環境の台風の目となっています。

 

2nm世代半導体技術の開発に力を入れることで、高性能かつ効率的な半導体の提供が可能となり、AI、IoT、自動車業界など、多岐にわたる分野の技術革新を促進することから、関連企業への恩恵もはかり知れません。

2nm世代半導体の開発が成功すれば、市場全体の技術水準が大幅に向上するため、AIロボットの実用化も加速します。

TSMCなどの既存の大手半導体製造企業も技術革新を追求する中、ラピダスの成功は、より競争的で革新的な市場を作り出すことに寄与すると見ており、半導体市場全体の成長を促進していくでしょう。

 

ラピダス関連銘柄にも市場の注目集まる

 

ラピダスプロジェクトに伴い、関連銘柄にも大きな影響が予想されており、半導体の研究開発を受託している【6228】ジェイ・イー・ティのような企業は、その技術力と関連性から市場において評価が高まり、株価が大きく上昇しています。(※こちらの銘柄は推奨ではありません。)

また、ラピダスの工場建設に伴って北海道千歳市周辺の経済が活性化し、電力や建設関連の企業をはじめとする関係銘柄にもプラスの影響をもたらしていくと見ています。

 

また5兆円という巨額の投資と千歳市を中心とした経済圏の形成により、地方経済の活性化だけでなく、日本全体の技術競争力の向上にも寄与するとされており、半導体供給力の強化は、将来の経済成長を支える基盤の一つとなり得るため、2024年以降の日本経済にとって重要なポジションを占めることになります。

 

半導体業界の主力であるTSMCとの競争において、ラピダスは日本国内での強固な基盤を築き、AIやIoTの分野でのさらなる成長を見込んでいます。

世界的なインフレの影や中東の地政学リスクといった、外部からの圧力によって短期的に売りに押される場面は今後もあると思いますが、ここまで日本株市場をけん引してきた半導体株がそう簡単に崩れない理由の根幹にはラピダスの技術革新による期待があると見ています。

 

次世代半導体への期待から大相場が到来!

 

2nm世代半導体の開発が進むことでAIを用いた技術革新が更に加速すると見ており、日本は半導体の供給力が高まることで経済的にも潤っていきます。

経済の成長に伴い、株価も影響を受けやすいことから、業容拡大に加えて、新たなサービスの提供など、株価の上昇を刺激する材料にもなりうると見ています。

 

年初から大きく上昇した日経平均株価をけん引してきたハイテク株は一時的に停滞するような局面ではありますが、バブル期の高値を超えた歴史的なタイミングで株価の上昇がこの程度終わるとは考えられません。

 

売上規模、成長期待が高いAIという分野で中核を担う次世代半導体が日本で作られるということは、関連株を中心とした一大相場の始まりが予期されます。

世界情勢 マーケットニュース 国内情勢 2024.04.15

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江口 裕臣

この記事を書いた人

江口 裕臣

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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