持続的成長が期待出来るサイバーセキュリティ関連銘柄とは!?

株式情報 投資戦略 日本株 2024.06.03

江口 裕臣 江口 裕臣

サイバーセキュリティ市場の現状

 

近年急速に成長するサイバーセキュリティ市場は、2020年から2021年にかけて新型コロナウィルスが蔓延したことで、経済のデジタル化が急速に進んだことで大きく注目されるようになりました。

サイバーセキュリティ市場には約2兆ドルの成長規模があると言われており、デジタル化に伴いサイバー犯罪も増加しています。

 

自宅勤務の普及やクラウドサービスの利用が拡大する中、サイバー攻撃の頻度が増加し、日々複雑化しています。

特に大規模なグローバル企業においては、セキュリティが一大課題となっており、これに対処するための資源と技術への投資が拡大しています。

 

また2023年に入り、人工知能やクラウドサービスの進化もサイバーセキュリティの重要性を際立たせる要因になっています。

株式市場もこれに連動して、サイバーセキュリティ関連の銘柄が大きく成長傾向にあります。

 

市場動向を見ても自宅勤務の増加やサイバー攻撃の複雑化による需要増が予測されており、2024年以降も持続的な成長が期待視されています。

特に政府機関を顧客とする大手企業は景気の浮き沈みの影響を受けにくく、安定した収益が見込まれるため、投資家からの注目度も高まっています。

 

一般的にサイバーセキュリティ対策に1,000万円程度の投資を行う企業の約7割が前年比100%以上の事業成長率を達成。

注目度の高まりが関連企業の実質的な業績にも作用し始めています。

 

株価と将来の成長性

 

今後のサイバーセキュリティ市場は、AIやクラウド技術の進展に伴い大きな成長が期待されており、2023年にはこれらの技術が普及し、市場はさらに活性化しています。

 

2024年には更なる成長が見込まれ、日本市場でも多くの企業が積極的にセキュリティ投資に積極的になっていくと見ています。

 

自宅勤務の増加は企業のIT環境を複雑化させる一方で、新たなセキュリティリスクも生じており、サイバーセキュリティ関連の企業やソリューションに対する需要が高まり、投資対象としても魅力的。

 

総じて、サイバーセキュリティ市場は今後も成長を続ける見込みであり、セキュリティ対策に対する投資は企業の持続的成長を支える重要な要素となるでしょう。

 

企業によるセキュリティへの投資が増えることで、サイバーセキュリティ関連銘柄の市場価値も引き続き向上することが予想されます。

 

代表例

 

サイバーセキュリティ関連株の中でも急成長を遂げている企業として、【4493】サイバーセキュリティクラウドが挙げられます。

同社は多様化するサイバー攻撃とAI市場の成長に合わせて、2024年には営業利益が前期比で大幅に増加する見通しとなっています。

 

同社のコンテンツでも主力である「攻撃遮断くん」や管理サービスが順調に拡大基調にあり、利益成長を大きくけん引しています。

更に運用監視ツールとして、「クラウドファスナー」などの新規サービスを立ち上げており、成長する市場ニーズを捉えていることから、同セクターの中でも、大きなポテンシャルを秘めた企業と言えるでしょう。

 

株価自体はこれらの期待を先に織り込むように上昇していたこともあり、目先は軟調なチャートを形成していますが、年足チャートで見ると株価は既に底値圏。

長期目線で見れば押し目は是非とも拾いたいチャートを形成しているととして、注目しています。

 

まとめ

 

①サイバーセキュリティ市場は成長基調にある。

②生成AIの台頭で複雑化するサイバー攻撃に対応すべく需要が拡大。

③企業が積極的に導入。

 

このようにサイバーセキュリティの市場拡大スピードはAI市場の成長に連動して拡大傾向にあり、企業としても自己防衛の意識が上がっていることから、積極的に導入するというのが時代の流れとなっています。

複雑化するサイバー攻撃は企業の信用を陥れる危険因子として意識されていることから、今後も成長を続けていくセクターと見ています。

 

最後に業界が抱える課題について、お話させて頂きます。

サイバー攻撃が日々複雑化していることは前述している通りですが、それと同じく、人材不足も大きな課題となっています。

高度なスキルを持つセキュリティ専門家の需要が急増している一方で、供給が追い付いていないという現状があります。

 

ただ、考えを変えると同時にサイバーセキュリティに特化した人材を派遣するサービスなどは恩恵を受けるとも考えることが出来ます。

このようにサイバーセキュリティ株の本命だけでなく、周辺セクターにも多大な影響を与えつつある注目のテーマではあるので、是非ともチェックしてみては如何でしょうか。

 

ここまでご覧いただき有難う御座います。

それでは次回もお楽しみに!

 

株式情報 投資戦略 日本株 2024.06.03

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江口 裕臣

この記事を書いた人

江口 裕臣

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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