【円安が止まらない..】円安の恩恵銘柄とリスク銘柄はこれだ!

株式情報 投資戦略 日本株 2024.06.08

江口 裕臣 江口 裕臣

①円安と株価の関係性

 

円安とは、日本の通貨である円の価値が他国の通貨に対して下がることを指します。

2024年に入り、円は一気に34年ぶりの安値水準に達し、日本経済に多大な影響を与えています。

 

特に、円安は株価にも直接的な影響を及ぼしますが、その関係性は単純ではありません。

一般的に、円安は日本の主力輸出企業にとって追い風です。

 

自動車や電機、精密機器、機械などの企業は、円安により海外での競争力が増し、売上や利益が増加することで企業の株価は上昇しやすくなります。

しかし、一方で輸入依存度の高い企業や内需に頼る業種には悪影響も。

 

陸運や小売業といった消費依存度の高い企業では、コストの増加や消費意欲の低下が懸念され、株価が下がる要因となります。

つまり、円安は一様に株価を動かすわけではなく、その影響は業種や企業ごとに異なります。

 

②円安で株価が下落する理由

 

2024年に入って急速に進んだ円安は、日本銀行が追加利上げを行うのではないかという懸念を呼び起こしています。

利上げは景気抑制効果があるため、これにより企業の収益性が低下し、株価下落を誘引しやすくなります。

 

また円安が進行すると、日本の輸入企業のコストが上昇します。

特にエネルギーや原材料を多く輸入する企業にとって、このコスト増加は大きな負担となります。

 

これにより、企業収益が圧迫され、その結果、株価にも悪影響が及ぼされます。

例えば、陸運業や小売業のように消費依存度が高い業界では、輸入コストの増加が直接的に利益減少につながり、株価が下落するリスクが高まるというメカニズムです。

 

加えて、円安進行で投資家はリスク回避行動を取る傾向があり、株価が不安定になると、リスクを嫌う投資家は保有銘柄を売却し、安全資産へと資金を移動させます。

 

このような動きが市場全体に広がると、海外投資家が日本株から資金を引き揚げるため、一層の株価下落を招きやすくなります。

 

③円安で乱高下した銘柄

代表的な銘柄として自動車セクターは、

【7203】トヨタ自動車

 

電機セクターは、

【6594】ニデック(旧日本電産)

 

精密機器セクターは、

【7733】オリンパス

 

機械セクターは、

【6273】SMC

 

このような銘柄が挙げられます。

どれも今年に入って大きく上昇していたことが特徴です。

反対に悪影響を受けた銘柄としては、陸運セクターの日本の物流最大手の日本通運、【9147】NIPPON EXPRESSホールディングス。

この銘柄のチャートを見れば円安での影響で急下落していることが見てわかります。

 

また小売りセクターの代表的なところでは、セブンイレブンを展開している【3382】のセブン&アイ・ホールディングス。

急激な円安進行を嫌気するように、大きく下落しています。

 

円安が与える影響は様々でその影響は業種や企業によって異なるということがよくわかると思います。

 

④今後の注目点

 

円安が進行する中で、今後の展望を見るために、日本政府や日本銀行がどのような政策対応を取るかには注目です。

特に、日本銀行が追加利上げを行うかどうかがキーポイントです。

 

利上げは短期的には株価に下落圧力をかける可能性がありますが、長期的にはインフレを抑制し、経済の安定化につながります。

また、財政政策を通じた企業支援や景気刺激策も検討されやすくなります。

 

これらの政策対応が円安の影響をどう緩和するかが、今後の日本経済にとって重要なポイントとです。

経済のグローバル化が進む中で、円安の影響はさらに複雑化しており、米国や中国などの主要貿易相手国の経済状況も日本の株価に大きく影響します。

 

円安は日本の輸出企業に有利に働く一方で、輸入コストの上昇を招くため、国内消費や輸入企業の利益を圧迫する可能性があり、企業が海外市場での競争力を高める一方で、国内市場でのコスト構造をどのように調整するかが今後の課題となるでしょう。

 

円安が極端に進行する中で、日本政府や日本銀行が為替介入を行う可能性もあります。

為替介入は通貨の急激な変動を抑制するための措置であり、これが実施されると円高に転じやすくなります。

 

しかし、為替介入は市場に一時的な影響を与えるだけであり、根本的な経済問題を解決するわけではありません。

したがって、為替介入が行われた場合でも、その後の政策対応や経済指標に注意を払う必要があるでしょう。

 

⑤まとめ

 

2024年に入り急速に進行した円安で、自動車、電機、精密機器、機械などの主力輸出企業にとっては収益拡大の要因となり、株価上昇が促進されています。

その一方で、輸入コストの上昇や内需消費の低迷といった負の影響があり、株価が下落しやすい側面もあります。

 

注目するポイントとしては、日本銀行の追加利上げや為替介入。

輸入企業や内需依存型産業にとっては、円安によるコスト増加が経営に厳しい影響を与える可能性が高いため、これらの動きが株価の動向を左右すると見ています。

 

同時にリスク分散の重要性が増しており、円安の恩恵を受ける輸出企業の銘柄を中心に、円安のデメリットを被る輸入企業や内需銘柄もバランスよく組み込むことが求められます。

また、グローバルな経済状況や米国の経済動向も視野に入れた長期的な視点を持つことが重要でしょう。

 

日本経済の変動を乗り切るために、短期的な市場の動きに翻弄されず、為替市場の動向に注視しながら、賢明な投資判断を下すことが求められるでしょう。

 

株式情報 投資戦略 日本株 2024.06.08

江口 裕臣 江口 裕臣

江口 裕臣

この記事を書いた人

江口 裕臣

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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