KADOKAWAサイバー攻撃による株価の影響まとめ
株式情報 投資戦略 日本株 2024.07.23

現在話題になっている【9468】KADOKAWAがサイバー攻撃。
今回はこの事件が株価に与えた影響と、今後について書いていこうと思います。
目次
KADOKAWAが受けたサイバー攻撃とは
出版大手のKADOKAWAと動画サイトを運営するドワンゴが統合した企業で、電子書籍やアニメに強みを持っています。
今年1月にフランスに、3月には韓国に合弁会社を設立、国内でも5月にアニメーション制作会社を設立するなど、積極的に事業拡大を行っています。
サイバー攻撃が始まったのは6月8日。
オフィシャルサイトなどでシステム障害が発生、翌日には同障害の原因が「外部からの不正アクセス」があったと挙げています。
14日にはグループ内のデータセンターサーバーがランサムウェアを含む大規模なサーバー攻撃を受けたと発表しました。
ランサムウェアとは保存されたデータが暗号化され、その暗号を解除するために金銭を要求するプログラムです。
要するに、データを人質に身代金を要求しているようなものですね。
6月28日には「ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせとお詫び」にて、取引先情報や社内情報など流出を確認したものを発表しています。
サイバー攻撃が市場に与えた影響は?
サイバー攻撃後のKADOKAWAの株価を確認してみましょう。
6月6日には年初来高値を付けたものの、サイバー攻撃を受けた後は段階的に大きな下落を繰り返しています。
サービスの停止から、サイバー攻撃の情報が明らかになるにつれて売りが波及している形です。
逆にこのサイバー攻撃を受けて、大きく上昇した銘柄もあります。
【4288】アズジェントを筆頭にサイバーセキュリティ関連の銘柄が上昇しました。
情報社会になって久しく、セキュリティの重要さは常々意識されてはいますが、やはり実際に事件が起きるとより注目が集まりますね。
しかし、これは注目度の上昇により資金があつまっただけであり、同社の業績の拡大が伴わない限り、短期の上昇になる可能性が高いため、このような上昇に乗る際には注意が必要でしょう。
今後の株価動向はどうなる?
受注システムの停止により出荷数量が減少している他、その他のサービスも停止が出ている状況。
既に業績の悪化は株価に織り込まれていると考えられますが、今後もサイバー攻撃の件の目途がつくまでは、株価は軟調な動きが想定されます。
しかし、子会社であるフロムソフトウェアが、大人気ゲーム「エルデンリング」の追加コンテンツを6月にリリースし順調な売上を博している。
同ゲームは全世界で2,500万本販売しており、同ゲームの影響のあった23年3月期の部門別利益は出版131億円、ゲーム142億円と主柱の出版を上抜いた利益を出しています。
今回の追加コンテンツも発売3日で500万本を販売しており、ゲーム事業の業績は期待が出来る状況です。
現在は、サイバー攻撃やその周辺のサービスの停止に目がいっていますが、ゲーム部門などによる業績の下支えがあることから、事件が一段落した後は見直しの買いが入る期待もあるでしょう。
今後のKADOKAWAの動向に注目です。
株式情報 投資戦略 日本株 2024.07.23

この記事を書いた人
日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)
総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。
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