【中小型株が今の主役!?今後の動向について】
株式情報 投資戦略 相場展望 2024.07.30
日経平均株価が史上最高値を更新し、歴史的な相場上昇を目の当たりにしましたが、個人投資家の持ち株の多くが含まれる中小型株が圧倒的に出遅れており、スタンダード市場の銘柄群を中心に急速に戻り基調となっています。
循環物色が始まっているとすれば、2024年後半は個人投資家優位の相場展開になっていく可能性も。
株式市場もトランプ相場の様相を呈しており、一時的な調整はあれど日本株市場は上向いていく公算が高いと見ています。
そんな相場環境の中で、個人投資家にフォローウィンドが吹いているすれば、中小型株が主役の相場展開になるかも知れません。
目次
中小型株とは?
中小型株とは、株式市場において時価総額が中規模および小規模の企業の株式を指します。
一般的には、時価総額が高い企業の株式は「大型株」と呼ばれ、中小型株は時価総額が相対的に低い企業の株式です。
中小型株の分類は厳密な基準があるわけではなく、市場や業界ごとに異なる場合がありますが、おおむね時価総額や流動性を基準として分類されます。
中小型株の特徴としては、長期的に高いリターンが期待できる点が挙げられます。
中小型株は、まだ成長初期段階にある企業が多く、競合が少ないうちに市場での地位を確立することができるため、株価の伸びしろが大きいのが特徴。
しかし、リターンが大きい分、リスクも高くなる傾向があります。
また、中小型株は大型株に比べてアナリストのカバー範囲が狭いため、情報が少ないので、ダイヤの原石を発掘できる可能性があります。
JPX日経中小型株指数などの対象となる銘柄は、資本の効率的活用や財務状況等が評価基準となり、優れたパフォーマンスが期待できる企業が多く含まれています。
日本の中小型株は成長性の高い企業が多く、特定のニッチな市場で強みを持っている場合が多く、投資家にとって魅力的な投資先となっています。
総じて、中小型株投資は高リターンを狙う投資戦略の一環と言えます。
市場動向について
日本株の物色動向が転換期を迎えており、けん引役だった大型バリュー株のバリュエーションが切り上がる中、出遅れ感の強まっていた中小型株にスポットライトが当たり始めています。
半年ほど続いたバリュー株中心の相場が転換期に来た可能性があると見ており、バリュー株優位の局面が終焉を迎え、出遅れ感の強い中型株などの勢いが増す展開になっていくと見ています。
今年の日本株は年初から大型株主導で上昇基調を強めていたことから、TOPIX100指数の12カ月先予想株価収益率PERは16倍と過去10年の平均14.1倍を上回っています。
最上位30銘柄で構成するTOPIXコア30の予想PERは16.8倍と10年平均との乖離がさらに大きく、割高感が意識されています。
ただ、中型株の指数であるTOPIXミッド400指数の予想PERは14.2倍と10年平均の15.7倍を下回っており、大型株とのバリュエーション格差は今月前半にリーマンショック以来で最大の水準を付けています。
米国株市場でもラッセル2000指数など小型株買いの流れが強まっており、日本株市場でも中小型株復活への期待が高まっている状況。
大型バリュー株一辺倒の物色から中小型株を拾いたいというニーズが喚起されています。
流動性のある中小型株は投資対象になりやすく、脚光を浴びる可能性が高いと見ています。
今後の戦略
トランプ前大統領の経済政策の特徴は、減税、金融緩和、通商関係の見直し、同盟国に軍事費の増加要求、過度な地球温暖化懸念の否定などになります。
世界の株式市場から見ると内需株が優勢になるということで、輸出株にはマイナスと考えることが出来ます。
ですが、グロース株を含めた中小型株に内需系が多い日本株には有利に働く可能性があり、内需関連、エネルギー・防衛関連がトランプ関連の狙い目ということになります。
基本的に日本の相場はデフレ脱却相場であり、内需株が大きな柱となっています。
トランプ相場が日本の内需系銘柄を刺激すると、日本市場は内需系がデフレ脱却も含めて上昇ドライバーになると見ており、銀行・建設・不動産株はもちろんですが、防衛関連が注目を浴びる可能性が高いと睨んでいます。
また日本株はいよいよ3月期本決算企業を主体に、4~6月期決算発表が始まるタイミングであることから、物色熱が高まる局面。
ここまで出遅れた中小型株を中心としたグロース相場の訪れに思惑が交錯していくと見ています。
株式情報 投資戦略 相場展望 2024.07.30
この記事を書いた人
日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。
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