「株は売らなければ損しない!」←損してます…。プロが株のリスクを解説!
株式情報 投資戦略 日本株 2024.09.25
「買い付けた銘柄が大きく下がったけれど、売らなければ損失は確定していないから、まだ損ではない」と永遠に含み損の銘柄を持っている投資家の話をよく聞きます。
勿論、将来的に上昇の期待がある、配当や優待を目的として保有している、応援している企業だから、etc…などの理由があって持っているなら良いと思います。
しかし、上昇の目途もなくただ単に売りたくないという人もいると思います。
実はその行動は既に損に繋がっています。
今回は含み損の株式は売らなくても損に繋がることについて解説しています。
目次
含み損になった株、売らなくても大丈夫?
含み損となった株式を売却しないと、以下のような様々なリスクを抱えることになります。
こうしたリスクを加味しても、売らないという選択肢を取るのか十分に考える必要があります。
①機会損失リスク
株を売らなければ、勿論その株を買った分の資金は動かせなくなってしまいます。
上昇期待のある銘柄を見つけたとしても、そちらに向けられる投資金の量が少なくなってしまいます。
少なくなるどころか、投資金が全て拘束されていた場合は、チャンスを逃すことになります。
株式市場に入れている投資金に対して、得られる利益が少なくなるため、運用パフォーマンスが大きく低下してしまうでしょう。
②継続下落リスク
株式を持っているということは、それだけで価格変動リスクがあります。
つまり、含み損がどんどんと増加していく可能性があります。
勿論、上昇する可能性もあるわけですが、含み損になっているということは、チャートも下落トレンドになっている可能性が高いです。
上昇転換の期待が出来るなら話は別ですが、転換する目途もないとなると長期の下落となり、仮に上昇したとしても買値にすら戻らないなんてこともあり得ます。
③心理的ストレス
含み損の銘柄を持っているとそれだけで、ストレスになります。
証券口座にログインしてみたら大きな額の含み損が表示されるのは嫌ですよね。
さらに下落したらどうしようとか、市場が悪化したら…などを考えていると当然不安になります。
このような状態が続くと、株式投資を継続することも難しくなってしまう可能性があります。
④そもそも損している
株式の価値が減っている時点で、保有している資産という観点から価値は減少しています。
買値に戻ってから売れば…とかそういう話ではなく、含み損を抱えている時点で、株式を買った時から比較して、資産の価値が減少しています。
お金を株式に換えた時点で、資産としては株式の価値が資産の価値になります。
その株式の価値が減少しているという時点で、保有資産という観点から損をしています。
例えば、胡椒を1キロ持っている人が「胡椒は昔、金銀と同じ価値があった。まだ売ってないから、このコショウを持っている私は金銀を1キロもっているのと同じだ」と言っていても、現代での価値としては胡椒1キロです。
金銀と同じ価値を持っていると言っても、納得できる人は少ないのではないでしょうか。
リスクとは何かを理解した上で投資を行おう!
そもそも、買うときにどこまで下がろうと持続しようと考えて買う人は少数です。
そして出来る限りリスクを低い取引をしようと考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際に損に直面した時に損を取り戻そうとするとき、人は通常よりもリスクを取ることが多い、という研究結果もあります。
このような状況にならないように、常にポートフォリオの見直しや、買い付け前に損切りルールを決めることなどが必要です。
損が出ていると、デメリットに向き合わずに放置してしまうことがあると思いますが、資金を増やすためには常にメリット・デメリットに向き合って運用していくことが大事です。
運用がうまくいってない時ほど、冷静に判断して運用を行っていきましょう。
株式情報 投資戦略 日本株 2024.09.25
この記事を書いた人
日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)
総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。
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