【このIPOは買い?】大型案件、東京メトロ上場について解説

株式情報 投資戦略 日本株 2024.10.11

峯岸恭一 峯岸恭一

今月いよいよ「東京地下鉄株式会社」、いわゆる「東京メトロ」が上場します。

時価総額6,400億円とかなり大型企業のIPOということで、市場の注目度も非常に高い案件です。

今回はそんな東京メトロについて解説していこうと思います。

 

運輸業に偏った収益構造

 

 

東京メトロは2004年に民営化された大手私鉄会社です。

日比谷線や銀座線などの9路線を経営しており、東京の交通網を支えています。

 

同社の特徴としては「利益のほとんどが運輸業に偏っている」ことです。

 

25年3月期第1四半期決算の営業利益を確認すると、85%以上が運輸業によるものとなっています。

鉄道会社なのだから当然では?と思われる方もいらっしゃると思います。

しかし、実は鉄道会社は、JR東日本は不動産、富士急行はレジャーなど、鉄道以外にも利益の軸を持っている企業が多いです。

 

そのため、コロナウイルスの流行などで外出の自粛などがあった場合は、他の企業と比較して大きく影響を受けてしまいます。

しかし、そのような状況にならない限りは景況感に左右されずに安定した業績が期待できます。

 

配当と優待は?

 

 

配当は40円を計画しています。

仮条件1,100円~1,200円に対しての利回りは約3.3%~3.6%となっています。

 

優待に関しては以下の5つです。

 

・株主優待乗車証(所有株式数に応じて発行枚数が変わります。)

・ECサイト「メトロの缶詰」300円引きクーポン

・地下鉄博物館無料招待券

・そば処メトロ庵のかき揚げトッピング無料券

・ゴルフ練習場 メトログリーン東陽町 の入場無料券

 

上記の優待は2単元(200株)以上を所有している方に発行する、となっています。

100株では発行されませんので、優待を狙っているという方はご注意ください。

 

盛りだくさんの内容となっていますが、個人的には優待乗車証以外はあまり使う機会が無いかなぁ…と思っています。

 

上場後の買い付け時期は?

 

 

それでは実際に東京メトロの株式を買い付ける場合、どのタイミングが良いのかを考えてみます。

 

勿論、相場状況などにもよるため一概には言えませんが、参考までに過去の大型IPOの上場後の推移を見てみましょう。

 

ソフトバンク、メルカリ、日本郵政、佐川急便の上場後約1年間のチャートがこちらになります

 

 

知名度が高い銘柄は基本的に買い需要が高いため、初値が公開価格を上回ることが多いです。

しかし、ソフトバンクは上場前に通信障害などの問題が起きたことによって、初値が公開価格を下回っています。

 

東京メトロも何か材料が無い限りは公開価格を上回る期待が高いと見ています。

知名度が高く、応募人数が多くなることが想定されるため、当選確率は低いと思われますが、興味を持った方は応募してみてはいかがでしょうか。

 

記事公開当日がブックビルディング最終日であるため、後回しにしていると終わってしまいますのでご注意ください。

証券会社により締め切りの時間は異なり、10時30分などの早い時間で締め切る証券会社もあるため、気が付いたら募集期間が終わっていた、なんてこともありえますのでご注意ください。

 

その後は3〜4ヵ月程乱高下しつつ、売買が落ち着いたら横ばいになっている銘柄が多い印象です。

 

大型IPOは既に成熟した企業が多く、将来の大きな成長を見込めるというものでは無いため上場直後から継続的に大きな上昇を続けるものは少ないです。

 

東京メトロも既に成熟した企業であるため、過去の大型IPOの例に漏れず、5〜6ヵ月経てば売買が落ち着きだす可能性が高いと思われます。

この売買が落ち着いたタイミングで買い付けるのが安全策ではないかと思われます。

 

IPOの日程

 

 

最後に東京メトロのIPOの日程について書いてきています。

 

上述しましたが10月11日がブックビルティング期間最終日となります。

 

15日に販売価格と抽選結果が発表されます。

 

16日~21日が購入申し込み期間となります。

当選した方が証券会社に購入の意思を伝える期間となります。

この間に申し込みをしなかった場合、

当選した場合でもキャンセルとなりますのでご注意ください。

 

そして10月23日に上場の予定となります。

 

買い付けを予定されていない方でも、こんな大型IPOは毎年あるものではないため、上場後の推移等をチェックしてみてはいかがでしょうか。

株式情報 投資戦略 日本株 2024.10.11

峯岸恭一 峯岸恭一

峯岸恭一

この記事を書いた人

峯岸恭一

日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)

総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。

峯岸アナリストの投資助言を受けたい方は≪こちらをクリック≫

アクセスランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間