ファストリ<9983>高値更新も直近は下落し方向感なく推移中…株価どうなる?

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2024.04.19

高橋 佑輔 高橋 佑輔

4/11に第2四半期決算発表を迎えたファーストリテイリング<9983>。昨年後半は伸び悩みボックス圏を推移していましたが、今年に入ると上昇を開始し2月にはそのボックス圏を上抜けしました。

 

そして、その上昇が続き4/1には年初来高値更新するなど、順調に株価を伸ばしてきました。しかし、直近は25日移動平均線を下抜けし、方向感なく推移しています。

 

そのような中、 決算発表を迎えた同社ですが、ここからどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

 

 

ファーストリテイリング<9983>の第2四半期決算前後の株価動向は?

同社の株価は、決算を挟んだ1ヶ月間(3月下旬~4月中旬)で、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。

ファーストリテイリング<9983>の第2四半期決算前後の株価動向|シナジスタ
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

 

2000年から2023年の株価の推移を見ると、上昇傾向が13回、下落傾向が11回見られます。この数字を見る限り、やや上昇傾向があると読み取れるでしょう。

 

変動幅を見ると、10%以上の変動は上下合わせて14回見られます。そのうち9回は上昇時に発生し、15~20%の変動が5回見られます。また2001年のみですが40%以上の変動も見られます。

 

対して、5%以内の変動は上下合わせて8回あります。全24回のうち大幅変動と小幅変動で22回を占めています。

 

小幅変動の確率は大幅変動より小さいもので、同社の株価は小さく動きときは小さく動き、大きく動くときは大きく動くという極端な値動きをする傾向があるでしょう。

 

これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体としてやや上昇傾向があり、大幅変動する可能性が高いものの、上下に関係なく大幅変動する可能性が高いというリスクもあると読み取れます。

 

ただし、見方を変えれば、方向感がつかみにくいときは小幅変動の可能性が高く、方向感をつかみやすいときは、その方向に10%の変動を目安に進むとも考えられます。

 

そのような動きを考慮すると、大幅変動のときは方向感がつかみやすいので、この大幅変動の傾向はメリットになるかもしれません。

 

では、同社の株価は、決算発表前後でどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?

 

ファーストリテイリング<9983>の目標株価は?

 

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

 

【目標株価】
上値目安:53,420円
下値目安:42,950円

※4/1終値46,920円を基準に計算

 

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約13.8%、下落幅は約8.4%と考えられます。よって、上値は「53,420円」、下値は「42,950円」が目標株価と考えられるでしょう。

 

上値の目安に到達した場合は、直近の短期的な下落を乗り切り、一気に年初来高値更新まで上昇し、年初から発生した上昇トレンドが継続します。

 

急上昇ということもあり、高値更新後は調整が入る可能性が高いでしょう。しかし、そこからは再上昇に動き出すと考えられます。

 

なお、その再上昇の動きの際ですが、少々難しいのが「そのまま上昇一辺倒」になるかでしょう。すでに高値圏を推移していることを考慮すると、調整後の上昇は上値が重たくなる可能性もあります。

 

そのようなことも想定されますので、調整後は上昇を期待しつつも、上値の状況がどうかを加味しながら動向を見ていくと良いでしょう。

 

反対に、下値の目安に到達した場合は、25日移動平均線を下抜けし、75日移動平均線付近まで下落します。

 

年初から発生した上昇トレンド以降、今のところは75日移動平均線を下抜けすることも、その付近に下落することもありません。むしろ25日移動平均線が抵抗線として機能しています。

 

そのようなこともありますので、25日移動平均線を下抜けした段階で反発を期待したいところです。しかし、直近はすでに下抜けしています。

 

それを考慮すると、ここから反発を期待しつつも、75日移動平均線を下抜けするような下落が続き、ここでトレンドが変わる可能性も想定しておくと良いでしょう。

 

同社の株価は下落時も大きく動く場合は10%以上の下落が想定されますので、注意深く動向を見ていきましょう。

 

このように同社は、この時期に株価が変動しやすい傾向があるので、上昇した場合と下落した場合では、全く反対のシナリオになることが想定されます。

 

ただし、上記のグラフを見ても分かる通り、変動が大きい分方向感が出やすいので、動き出し始めれば株価を捉えやすいかもしれません。

 

むしろ、小幅変動になった場合のほうが方向感をつかめず、どのようなスタンスでいるか迷い難しくなるでしょう。

 

特に直近はすでに25日移動平均線を下抜けした状況が続いていますので、今年に入ってからはなかった状態が続いています。

 

そのようなことも考慮して、あえて上下のどちらに進むかを考えず、ここは方向感が出るまで様子見するのも選択肢の一つでしょう。

 

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

 

※本記事は2024/4/10時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2024.04.19

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この記事を書いた人

高橋 佑輔

トレード歴12年以上の現役トレーダー。トレーダーとして2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

 

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