≪かえるさんの基礎マーケット知識≫ispace(9348)ロックアップ解除で学ぶVCの売り方
株式情報 投資戦略 日本株 2023.10.15
目次
嗚呼、ispace
今話題になっている、180日ロックアップ解除されたispace株。
上場当時から債務超過懸念があり、ロックアップ解除後のファイナンスにも言及されていました。
上場直後に期待されていた月面着陸の材料も失敗..
それでも『夢』枠の株でもあり業績ほぼ度外視、マルチプルガン無視でも意外に値を保っていたのは流石でした。
そして迎えたロックアップ解除の日、予想通りロックアップ解除に伴う売り思惑でストップ安比例配分。
≪主要株主の移動に関する開示≫
≪2023年3月末時点の大株主≫
IPO時に話題になった親引
思い出してください。
話題先行だったispace上場。
当初国内公募株式19,910,700株のうち15,744,000株が親引けとしてファンドに販売される事が決まった事で、国内公募株式のうち、ブックビルディングによる割当は4,166,700株となり、大幅に需給が改善し、IPO後人気化した経緯があります。
親引実行が4月に入ってですから、四季報に出ている、もしくは株主総会時に公表されている大株主状況と違います。
今回主要株主移動の開示があったのはその親引で引き受けた一社です。
裏の事情はわかりませんが、IPO時に募集されるはずだった株式が一旦VC含め数社に引き受けられ、開示された少なくとも1社の売りが市場に売り圧力となって今やってきている構図。
結果だけ見ると彼らは公募価格254円で取得できている訳です。
※目論見書に上場前いつ何株いくらで新株予約権が発行されているか確認できます。かなり面倒な作業ですが…
そもそもロックアップとは?
ロックアップの説明は釈迦に説法だと思いますが…一応
ロックアップとは、会社が上場したときに、創業者やVCに対してかけられる「一定期間、または一定の株価になるまで株式を売ってはいけない」という制限です。
単純に期間だけでなく株価の推移が条件の場合があります。IPO価格の1.5倍とか2倍って条件みたことありますよね?
このような制限が設けられているのは、上場時に投資した個人投資家が、大きな損失をしないようにするためです。
大株主は株数をたくさん持っているため、株を売る際に株価を押し下げてしまい、それが理由で上場時に投資した一般投資家が損失を抱えてしまうリスクをある程度防ぐために、ロックアップが設定されているのです。
通常ロックアップに関しては会社の有価証券届出書に出ていますが、僕はネット検索してます。
話が早い 笑
≪参考にしているやさしいIPO株のはじめ方≫
どうやって売却するの?
投資家にとって気になるのはVC始め大株主はどう持ち株を売却するのだろうか?だと思います。
株式情報 投資戦略 日本株 2023.10.15
この記事を書いた人
元クレディ・スイス証券株式本部長マネジングディレクター。
日系証券個人営業から証券人生をスタート。その後ロンドンと東京を拠点に20年以上に渡って外資系証券会社の主にトレーディングデスク及び各マネジメント職を歴任。2019年退職。得意分野はフローの裏側分析及び市場構造分析。現在はXやnoteなどで個人投資家向け株式投資の知識提供中心に悠々自適生活を送る。趣味は食とクルマ。
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