伊藤忠商事<8001>更に高値更新を射程圏とした水準を推移中…決算発表で株価どうなる?
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.05.10
5/9に本決算発表を迎えた伊藤忠商事<8001>。2022年は11月に高値を付けるも、そこから失速して1/6に年初来安値をつけました。
しかし、そこから上下を繰り返し、4月からの上昇の勢いのまま、5月上旬の短期間に年初来高値を更新し、もう一度高値更新も射程圏とした水準を推移しています。
そのような中、決算発表を迎えた同社ですが、ここからどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?
目次
伊藤忠商事<8001>の本決算前後の株価動向は?
同社の決算を挟んだ1ヶ月間(4月下旬~5月下旬)で、同社の株価は、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2000年から2022年の株価の推移を見ると、上昇傾向が13回、下落傾向10回見られます。この数字を見る限り、やや上昇傾向があると読み取れるでしょう。
変動幅を見ると、10%以上の変動は上下合わせて6回あります。ほぼ10%の下落である2017年と2019年も加えると8回あります。それに対して、5%以内の変動は上下合わせて10回あります。
これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体として、やや上昇傾向があるものの、小幅の変動にとどまる可能性が高いでしょう。
ただし、この傾向以外に注意点があります。それは、上昇時と下落時の傾向の違いです。
10%付近もしくは10%以上の変動は、下落時に5回見られます。また、下落時は2000年と2011年は5%以内の小幅変動にとどまっていますが、残りは5%付近もしくは5%以上の変動が見られます。
また、上昇時は、大きく上昇するときもあるものの、7回が5%以内の変動で、2回は5%をやや超えた程度の変動にとどまっています。
このように、下落時は上昇時に比べ大きく変動する可能性が高く、上昇時は大きく上昇する動きもありますが、半分以上の確率で小幅に変動すると考えられます。
このように上昇時と下落時では傾向が違うので、この点は注意が必要でしょう。
では、同社の株価は、決算発表前後でどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか?
伊藤忠商事<8001>の目標株価は?
データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。
【目標株価】
上値目安:4,861円
下値目安:4,120円
※4/25終値4,450円を基準に計算
これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約9.2%、下落幅は約7.4%と考えられます。よって、上値は「4,861円」、下値は「4,120円」が目標株価と考えられるでしょう。
上値の目安に到達した場合は、直近につけた年初来高値を再度更新します。そうなると、4月から続く上昇の勢いが、更に増すでしょう。
これまでの動きを見る限り、再び高値を更新したあとに反落することも想定されます。しかし、直近の動向をふまえると、再度高値更新を狙う動きになるでしょう。
ただし、上昇時はダマシという言葉がある通り、過度な期待は禁物です。あくまでも、このような動きも想定されることを考慮しながら、動向を見ていくのが良いでしょう。
反対に、下値の目安に到達した場合は、現在の200日移動平均線を下抜けはしませんが、これまでの傾向を見る限り、この目安を超える可能性が考えられます。
これまでの下落時は、この200日移動平均線が下値の抵抗線になり、反発する動きが見られます。
今回もそのような動きが想定されますが、例年よりも株価の変動が大きくなっているので、違う展開になることも考えておくと良いでしょう。
このように同社は、この時期にやや上昇傾向があることから、再度高値更新を狙う動きに期待したいところでしょう。
ただし、これまでの傾向を見る限り、小幅上昇にとどまるやや可能性が高く、反対に下落時は、大きく下落する可能性が比較的高いと考えられます。
直近の動向を見る限り、更に上昇を想定して動きたいところですが、まだ上昇と下落のどちらに進むか分からないタイミングです。
そういったことをふまえると、直近の動向に惑わされることなく、中立な視点で引き続き動向を見ていき、より明確な方向感が出るまで様子見するのも選択肢の一つでしょう。
ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は2023/5/9時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.05.10
この記事を書いた人
株式会社SAC Technologies ストラテジストでありトレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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