新指数「JPXプライム150」はどんな指数?

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 2023.07.31

峯岸恭一 峯岸恭一

今回は「JPXプライム150」がどのような指数なのか

 

・指数の作成目的は何?

 

・どのような銘柄の影響を受けるのか

 

・どのような相場の時に強いのか

 

上記の三つを説明していきたいと思います。

 

 

指数の作成目的は何?

価値創造の経営の浸透及び日本市場の魅力向上

 

プライム市場に上場している時価総額の高い銘柄を対象に「資本収益性」と「市場評価」の2つの観点から銘柄を選定するとしています。

選定した銘柄を「価値創造が推定される我が国を代表する企業」と位置付け、これらの銘柄で「JPXプライム150」を構成するとのことです。

 

JPXプライム150は上述の条件で銘柄を選定することで、価値創造が推定される企業を見える化して、機関投資家や個人投資家の中長期的な投資対象になることにより、価値創造の経営の浸透及び日本市場の魅力向上に寄与を目指すことを目的としています。

 

収益性も良く、市場評価が高い銘柄が選ばれるため、有名な企業が多く含まれています。

 

どのような業種の影響を受けるのか

TOPIXと比較して電子機器の影響が大きく、輸送用機器の影響が小さい

 

JPXプライム150を構成する各業種のウェイトを調べてみると、電子機器が一番ウェイトが大きいことがわかりました。

 

代表的な指数であるTOPIXと比較してみると、JPXプライム150の方が約9%ほど電子機器のウェイトが大きいです。

 

これはJPXプライム150の方がTOPIXと比較して構成銘柄数が少ないことが影響しています

電子機器業種の採用銘柄数はTOPIXの方が多いのですが、指数を構成する銘柄数がJPXプライム150の方が少ないため1銘柄が指数に与える影響が大きいのです。

 

逆に輸送用機器のウェイトはJPXプライム150の方が少ないです。

これは、【7203】トヨタ自動車が自動車市場の低迷により、採用条件を満たさなかったためです。

 

さらに、低PBR業種の筆頭である銀行株は現在のところ1銘柄も採用されていません。

つまり、JPXプライム150の銀行株の影響を全く受けないということになります。

 

 

どのような相場の時に強いのか

大企業が市場成長を牽引するような相場の時に上昇しやすい

 

上述の通りJPXプライム150は「価値創造が推定される我が国を代表する企業」で構成されています。

そのため、大企業が継続して成長していくような相場での上昇幅は大きくなると見られます。

 

米国株でいうところのGAFAMのように一部の大企業に資金が集まり、その企業が市場を引っ張っていく形で成長することが、同指数が伸びる理想的な形です。

 

逆に、グロース株やバリュー株が伸びていく市場では他の指数をアンダーパフォームする可能性があります。

 

さらに、現在は銀行株が含まれていないため、インフレの定着や利上げ等の相場で銀行株が大きく伸びる相場では伸び悩むことが想定されます。

また、【7203】トヨタ自動車も含まれていないことから、自動車市場の回復等の影響は鈍くなるでしょう。

これらの特徴は構成銘柄の入れ替え等によって変化する可能性があるため、ご注意ください。

 

現在、同指数連動型のETFや投信は販売されておりませんが、将来的には販売される可能性もあると考えられます。

 

株式市場の指標のひとつとして、運用にご活用していてはいかがでしょうか?

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 2023.07.31

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この記事を書いた人

峯岸恭一

日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)

総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。

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