日経平均3万円突破の勢いのまま年初来高値更新…日本株どこまで上昇する?

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.06.14

高橋 佑輔 高橋 佑輔

日経平均株価が、節目となる3万円を突破しました。その前に3万円に到達したのは、2021年9月8日ですので、約1年8ヶ月振りの出来事です。

 

そして、5/19には年初来高値30,924円を更新しました。終値ベースでは、2021年9月14日に付けた30,670円を突破していないものの本日の前場時点の推移を見る限り、その水準も突破しそうな勢いです。

 

こうなると気になるのは「日本株はどこまで上昇するのか?」でしょう。

 

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向

こちらをご覧ください。こちらは2023/5/2~2023/5/18の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。

 

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

 

・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向

 

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って、日経平均株価と株式市場全体が、”やや連動していない週”でした。

 

ただし、これは厳密に見るとそう考えられるという話です。今週は、日経平均株価も上昇傾向、株トレンド指数も上昇傾向を明確に示しています。

 

このような市場全体が上昇に入ってくると、どちらの指標でも結論は変わらない状況に入ります。

 

では、ここから差異が出てくるのは、どういった場面かと言うと「どこまで上昇するか?」の判断に差異が出てくるでしょう。もしくは「失速のタイミング」の見極め場面で、差異が出るでしょう。

 

その差異を示すことを目的に、まず「日経平均株価だけ」で、今後の展開を考えてみましょう。

 

上のグラフの通り、5/11を起点にきれいな右肩下がりを描いています。これをふまえると、完全な予想になってしまいますが、感覚的にはさらに上昇するか、調整局面を経て上昇するか、もしくは反落するかなど様々なことが考えられます。

 

一つの目安としては、2021年9月14日に付けた終値「30,670円」を、ここから上抜けしてくるかでしょう。

 

ただし、本日の場中の日経平均株価の推移を見る限り、年初来高値も更新していますので、そのまま終値ベースでも上抜けしてくるでしょう。

 

そうなると、一時的に長期のボックス圏を上抜けします。そのまま維持できず、再び跳ね返されるかもしれませんが、これだけボックス圏が続くと、上抜けが大きくなる可能性があります。

 

このようなことをふまえると、本日の終値次第で、次の展開は更に上昇の可能性が高いと考えられるかもしれません。

 

しかし、これはあくまでも確度の高い予測ではなく「おそらく、そうなるのでは…」という、予想に近いものでしょう。

 

これに対して、株トレンド指数を基準に現状を見るといかがでしょうか。

 

上昇傾向を示すのは「天井指数」です。天井指数の動向を見る限り、堅調に上昇していることが分かります。

 

日経平均株価だけでなく、天井指数からも上昇傾向を読み取れるということは、市場全体が上昇傾向に入ったと判断できます。

 

では、ここから「どこまで上昇するか」ですが、これも天井指数を見ることで読み取れます。天井指数は「170」付近に到達すると、上昇の勢いが失速します。

 

その視点で見ると、直近の最大値は5/16の「111」です。その他の上昇時は、2桁にとどまっています。それをふまえると、日本株は「まだ上昇余地がある」と判断できるでしょう。

 

また、日経平均株価終値「30,670円」を付けた2021年9月14日前後の天井指数を見ると、そのときは「144」の水準まで到達しました。

 

ちなみに、3月上旬に強制ストップを受けた上昇時も3/9に「128」の水準まで到達していました。

 

この天井指数の余力をふまえて日経平均株価で換算すると、さらに上昇する場合は、32,000円台、33,000円台まで到達することも十分に考えられます。

 

この時期の日経平均株価の傾向を見ると、現時点が天井で、ここから失速する可能性が高いです。

 

しかし、直近の動向が例年と違う可能性が出てきています。特に今回は、長期のボックス圏を上抜けした可能性があります。ボックス圏を抜けた後の動きは、上にも下にも大きく動きます。

以上を勘案すると、さらなる上昇の可能性があると考えられます。

 

ただし、いつもお伝えしている通り、上昇時には「ダマシ」があります。順張り戦略で考えると、上昇する確率は40%です。

 

60%はダマシであり、まだ日経平均株価が一時的にボックス圏を抜けただけであることをふまえると、上昇のシナリオだけでなく、ダマシであったことも考えておきましょう。

 

では、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、上下はしているものの3月中旬から右肩下がりに推移していることが分かります。

 

また、株トレンド指数を見ても、天井指数が全体的に目立っていることが分かります。ここからも日本株市場全体が上昇傾向に入ったと読み取れます。

 

ただし、繰り返しになりますが、まだ長期のボックス圏を完全に抜けたわけではありません。

 

加えて、日経平均株価の上昇率を見ると、ようやく5/18に1.6%の上昇を見せたものの、その前は1%未満にとどまっています。

 

日本株市場全体が上昇傾向に入ったとはいえ、まだ大きな上昇が起きているタイミングではありません。

 

そういった意味では、上記の通り、ここからさらなる上昇があれば、大きな上昇になり、このまま小幅の上昇率にとどまると「日経平均株価の動きほど、個別銘柄は調子が良くない」などの現象が起きるかもしれません。

 

日経平均株価の採用銘柄を保有していれば、日経平均株価と比較的連動した動きになりますが、採用されていない銘柄は連動性が薄いときもあります。

 

連動するには、アベノミクスのときのように天井指数が、どんどん上昇する動きが求められます。

 

これから上昇する余地があるというと楽観視してしまいますが、まだ手放しで喜べる状態ではありません。その点には、注意しつつ、ここからの上昇に期待して動向を見守りましょう。

 

なお、補足情報として、「投資主体別売買動向」も挙げておきます。株式市場の需給バランスは、外国人投資家が大きく「買い」に入り、上昇傾向をもたらしています。

 

反対に、日本の機関投資家や個人投資家は「小さな売り」の状態です。もし、この後者も「買い」に転じると、更にこの上昇が加速すると考えられます。

 

「投資主体別売買動向」はインターネット上で取得できる情報です。

 

こちらの情報から需給バランスを見つつ、株トレンド指数などで直近の詳細の動向をつかむと、より精度の高い予測ができるでしょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。


※2.本記事は2023/5/11(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。(日経平均株価のみ5/19前場時点の状況も含まれています)

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.06.14

高橋 佑輔 高橋 佑輔

高橋 佑輔

この記事を書いた人

高橋 佑輔

トレード歴12年以上の現役トレーダー。トレーダーとして2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

 

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