EV業界に革新!新技術「ギガキャスト」って何?

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 日本株 2023.07.16

峯岸恭一 峯岸恭一

トヨタ自動車が次世代自動車製造のために新技術「ギガキャスト」を投入することを発表。

自動車アルミ部品大手企業のリョービが「ギガキャスト」の生産に参入するとの報道。

 

そんな自動車業界で話題になっている「ギガキャスト」ついて、どんな技術なのかや、将来的にどう市場に影響を与えるかを解説していきたいと思います。

 

ギガキャストってどんな技術?

今まで複数のパーツで作られていたものを1つの大きなパーツとして鋳造する技術

 

ギガキャストは、金型に溶けた金属を流し込み部品を製造する鋳造方法の一種です。

 

今までも「ダイカスト」と言う「金型に溶融金属を高速・高圧で注入して部品を成型する」技術はありました。

 

ギガキャストをかなり単純に説明しますと、その「ダイカスト」をかなり大きくしたものです。

 

大きくしたことにより大型の部品を成型することが出来るようになりました。

 

既存の技術では複数の部品から作っていたものをひとつの大きな部品として成型できるようになるのが「ギガキャスト」技術です。

 

ギガキャストの利点

製造工程と製造コストを大きく減らすことが出来る

 

「ギガキャスト」技術では、今までは複数の部品で構築されていたものをひとつの部品として製造することができます。

ということは、ひとつの製品を作るのに必要な部品数が大幅に減らすことが出来るんです。

部品数が減るということは、必然的に製造工数が減り、製造コストを大幅に抑えることに繋がります。

 

トヨタが披露した車両後部の試作品では、従来製法では86個の部品を使って33工程を経て完成させていたものを、1個の部品で1工程で完成させることができるとのことです。

 

ギガキャスト導入から見えるEV生産への本気度

EVを普及させるための大胆な一手

 

単純に大きくしただけと聞くと、そんなに大した技術には聞こえませんが、鋳物を大きくするとその分設計等が大変面倒になります。

 

金属は液体から固体に凝固する時に体積が変化します。

この体積変化により成型時に巣と呼ばれる空洞が出来てしまうことがあるのです。

もちろんこの体積変化量は成型物が大きければ大きいほど変化量が大きくなります。

さらに、金型が大きくなることにより加熱や冷却が不均一になりやすくなり、割れや歪みが起こる可能性が高くなることが想像されます。

 

そうした面倒な設計を行ってでも、生産コストを削減し、より安価なEVを生産・販売するため、トヨタやリョービも今回の技術導入に至ったと考えられます。

 

 

自動車市場に大きな影響を与えるの?

長期的には大きく貢献する可能性有り

 

上記でも記載しましたが、大型の鋳造となりますので、違う品種を作るとなった時の金型の変更にかなり時間がかかるはずです。

多くの品種を作ろうとすると、品種の数だけ金型の変更が必要になり、その分だけギガキャストの生産性は落ちてしまいます。

 

ギガキャストの生産性を一番生かせるのは「単一のものを作り続けているとき」なんです。

勿論実際にはある程度品種があるため、金型の変更は出来ませんが、品種が少なければ少ないほど生産性は良くなっていくと考えられます。

 

つまり、EVの生産台数が順調に増加していけばしていくほど大きく貢献していく技術ということになります。

 

即日で業績に直結する技術ではありませんが、今後のEV市場拡大への希望がより一層大きくなりました。

 

この「ギガキャスト」導入による今後のEV市場の拡大に注目していきましょう。

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この記事を書いた人

峯岸恭一

日本投資機構株式会社 データアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本ディープラーニング協会認定ジェネラリスト(G検定)
日本投資機構株式会社 データアナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)
ジェネラリスト(G検定)

総合鉄鋼メーカーに勤務していた経験を活かした、鉄鋼・自動車市場の分析及び情報収集を得意とし、データの集計・分析に基づいた統計等をもとに銘柄の選定を行う希少なデータアナリスト。AIに関する資格も有しておりデータサイエンティストとしても活動の幅を拡げている。

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