モリト<9837>年間配当が3倍に急増し注目を集めながら高値圏を推移中…権利確定で株価どうなる?

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.06.26

高橋 佑輔 高橋 佑輔

5月末日に権利確定したモリト<9837>。人気の配当銘柄は、確定日が近づくと権利獲得に向けた買いなどが集まり、権利確定日前後に株価が変動しやすい傾向があります。

 

2022年以前は700円台を横這いで推移していましたが、今年年初から大きく上昇し、直近は1,100円台に到達しています。それに伴い同社は年間配当が3年で3倍に急増するなど注目を集めています。

 

そのよう中、同社は先月末に権利確定日を迎えましたが、権利確定日を抜けこれから株価はどのように推移する可能性があるのでしょうか?

 

モリト<9837>の配当権利確定前後の株価動向は?

同社の株価は、権利日前後10日間(5月下旬~6月初旬)で、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。

モリト<9837>の配当権利確定前後の株価動向:シナジスタ
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

 

2000年から2022年の株価の推移を見ると、上昇傾向が7回、下落傾向が15回、変わらずが1回見られます。 この数字を見る限り、明確に下落傾向があると考えられるでしょう。

 

変動幅を見ると、10%以上の変動は、上下ともにありません。対して、5%以内の変動は、変わらずも含めると、19回あります。

 

これらを考慮すると、同社の株価は全体として下落傾向があるものの、小幅下落にとどまる可能性が高いでしょう。

 

では、同社の株価は、権利確定前後の期間でどれくらいの範囲で株価が推移する可能性があるのでしょうか?

 

モリト<9837>の権利確定後の株価は?

 

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

 

【予想変動幅(率)】-2.85%~2.06%

 

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は2.06%、下落幅は2.85%と考えられます。現在の株価 (5/19終値1,093円)で計算すると「1,062円~1,116円」の範囲で変動すると考えられるでしょう。

 

上昇の変動幅目安に到達した場合は、5/19につけた年初来高値をわずかに更新します。直近は調整局面が続いていますが、これで上値が軽くなり再上昇のきっかけが生まれるでしょう。

 

ただし、この時期は明確に下落傾向があります。それをふまえると、上値が軽くなるものの、楽観視するのは危険でしょう。

 

あくまでも上昇の可能性が広まった程度で考え、中立的な立場で推移を見守ると良いでしょう。

 

反対に、下落の変動幅目安に到達した場合は、5月時点の25日・75日移動平均線は下抜けするものの、直近の移動平均線よりも上位にとどまります。

 

ただし、このまま横ばいの推移が続くと、段階的に下落する恐れも出てきます。

 

まだ200日移動平均線までも開きがありますが、短期的な視点だけでなく、中長期の視点も持ちながら推移を見ていくのが良いでしょう。

 

このように同社は、この時期に明確な下落傾向があるものの、変動幅が比較的小さくなる傾向があります。

 

それに伴い、このままの水準を維持する可能性もありますが、トレンドの転換があることはリスクとして考えておきましょう。

 

なかなか展開が読みにくい動きが続いています、ここは無理に売買することなく、方向感が出るまで様子見するのも選択肢の一つでしょう。

 

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2023/6/13時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.06.26

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この記事を書いた人

高橋 佑輔

トレード歴12年以上の現役トレーダー。トレーダーとして2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

 

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