不祥事が発覚した企業の株は絶対買ってはいけないの?

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 日本株 2023.08.17

江口 裕臣 江口 裕臣

不祥事企業の株は果たして買うべきなのか?その真相に迫ります。

不祥事が持つ株価への影響、そして投資家が知っておくべき投資戦略をご紹介します。

 

【不祥事がもたらす影響】

 

不祥事と聞くとネガティブな印象が強く、株価にも大きな影響を及ぼします。

不祥事と聞いて今真っ先に頭に浮かぶ企業といえば、「ビッグモーター」の一件が皆さんの記憶の中でも鮮明に残っているはずです。

 

中古車販売大手の「ビッグモーター」は非上場企業ですので、株価では判断できませんが、業績面は大きくマイナスになる見通しと言われています。

ビッグモーターは国内の中古車販売市場における令和4年度のシェアは約15%と業界首位を誇っており、売上高は約5,800億円。

 

保険金の不正請求が発覚したことで、関連企業や取引先にも多大な影響を与えます。

こういった不祥事を起こした企業と取引を続けることは各企業のコンプライアンスにも抵触するため、取引を中断せざるを得ない企業も数多くあります。

 

企業規模やシェアが大きい企業は当然ですが、取り扱う資金の総額も大きいため、企業としての「信用」が重要になります。

今回の一件で信用が失墜し、イメージの悪化にも繋がり、ビッグモーターの利用者自体も減少することが予想されます。

 

保険金の不正請求に連なって、企業体質の問題も表面化しているため、ビッグモーターにとって、「致命的な」不祥事であることがわかると思います。

ビッグモーターの一件でも分かるように、不祥事や問題があった企業の業績というのは悪影響を受けやすく、そのインパクトによって企業が倒産するリスクもあります。

 

ですが、こういった不祥事や問題は上場企業にも起こりえます。

株価の本質は業績ですので、不祥事や問題発覚で業績が下がるとなれば、上場企業の株価は当然ですが、下がるのがセオリーです。

 

ただ、こういった銘柄に集中的に投資を行うことで、大きな利益を上げる投資家がいることも事実です。

不祥事による株価の下落は、「致命的」かどうかが鍵となるので、具体的な投資手法を通じて、利益を上げる方法についても解説します。

 

【致命的かそうでないか】

 

現代の株式市場の売買の大半はアルゴリズムで制御されており、不祥事や問題が発覚した企業の株は投げ売るというのが、システマチックに行われています。

不祥事企業に投資する際には、その影響とリスクを熟慮する必要があります。

 

ビッグモーターのように致命的な不祥事である場合もありますが、そうでないケースも存在します。

吉野家ホールディングスの元取締役が早稲田大学のマーケティング講義で「生娘○○漬け」と発言した問題を覚えていますか?

 

株価としては、一時的に下落しましたが、即座に反発基調となり、数日後には下げ幅を埋め、その後は更に上昇しました。

このケースでは、不祥事発覚後に一時的に急落しましたが、その後は株価が上昇しています。

 

このようにアルゴリズムによる一時的な売り材料として意識されたとしても、企業の本質に響くような「致命的な」事案で無ければ株価としては最安値とも判断することができます。

 

では、この上昇メカニズムを少し分解してみます。

吉野家といえば、「牛丼」というイメージが定着しており、日本国内のファストフードセクターから見れば、筆頭企業といってもそん色ないでしょう。

 

ファストフードの本質といえば、味とサービスのクオリティが本質です。

つまり、元取締役の問題発言があったからといって、吉野家の牛丼そのものの味がまずくなるのか?という話になります。

 

一時的に不祥事や問題発覚でアルゴリズム的な売りが出たとしても、牛丼の売上が業績に直結するため、致命的ではない、一時的な問題と判断することができます。

そう考えれば、不祥事や問題のある企業を住み分ける基準をしっかりと理解することが出来れば、危なそうだから選択肢から外していた不祥事銘柄も金の鉱山に見えてきませんか?

 

【不祥事銘柄の可能性】

 

とはいえ、不祥事が発覚した企業の株に投資することは、リスクが他の銘柄よりかは高いため、一筋縄ではいかないものです。

業績の影響や問題の深刻さを正しく判断し、致命的なものでない場合に限り、押し目買いのチャンスを逃さずに捉えることが重要です。

 

実際に過去の事例を見ても、不祥事発覚後に株価が10倍になった銘柄もあります。

株式投資は、企業の標準的な株価を推し量り、実力以上なのか、実力以下なのかを予想し、割安・割高なのかを判断するものです。

 

不祥事や問題が発覚することで、株価を取り巻く期待と不安が一気に剥がれ落ちるからこそ、その企業の本質が見えてきます。

これ以上に下がらない株や実力から大きく下落した銘柄を仕込むというのは、株式投資における最強の投資法の一つです。

 

もちろん、絶対に下がらない株というのは、存在しませんが、それに近い株を拾うことは可能です。

特に大企業の不祥事などは倒産リスクも他の銘柄に比べれば低く、急落分が元に戻る可能性も高い銘柄と考えることができます。

 

当然ですが、リスクがゼロではないため、動向には注視が必要ですが、そのリターンも計り知れないため、妙味のある一つの投資法です。

投資家として、事の真相を見極める力を養い、未来の可能性を見極めるための手段として活用してみてはいかがでしょうか。

 

詳しい詳細や直近の不祥事や問題が発覚した銘柄をYouTubeでも解説していますので、もし興味が沸いた方はチャンネル登録・いいね!をして頂ければ、励みになります。

 

 

株式情報 マーケットニュース 国内情勢 日本株 2023.08.17

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江口 裕臣

この記事を書いた人

江口 裕臣

日本投資機構株式会社 アナリスト
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 アナリスト
テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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