㊗日経平均株価史上最高値更新!一体これは何バブル?
株式情報 マーケットニュース 相場展望 2024.03.04
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日経平均株価史上最高値更新
2024年2月22日ついにその時を迎えました。
正直米国主要三指数が軒並み史上最高値もしくはそれに準じた上昇をしていていわゆる今年の、
『Rising Sun』
でもある日本株市場が、史上最高値を取らないことはないだろうというむしろ精神論もあり、こうなることは大方予想できました。
意外と思われるかもしれませんが海外の投資家、特に派生商品を主にやっている投資家はこういう節目は重要にみていて(決してテクニカルではありません)、今回の上昇が先物主導であることを考えれば最後は腕力でもこの既成事実を作りに行くだろうというのは僕のXの朝コメ見ていただいている方は、ご理解いただけてるかと思います。
実際主体別投資家動向みても今年に入って海外投資家の日本株買い越しは明らか。
初めからこの水準訂正は狙っていましたよね。
海外勢が強気なのは僕も当初から予想していたことは年初のnoteで書いた通りですが、
TLにも様々な喜びのコメントが流れてきました。
もちろん僕もこの事実を特別な感情で受け止めました。
今回はこの歴史的な局面で敢えて僕の過去の記憶とバブルの振り返りをしてみたいと思います。
僕にとって平成バブルとは一体何だったのか?
僕、実はバブルと密接に関係しているのです。
まだ証券界にいなかった1989年..
僕はちょうど大学生2年生でした。
遊び過ぎてお金が無くなり親に言うと、
「待ってなさい、お金作ってくるから!」
と、言われ、数日するとお金が入金されるというバラ色の時間
後にこれ何やっていたのか?と親に聞いたところ、今でいう短期スイング。証券会社から言われた銘柄買うと1~2日でお金増えたみたい。
そりゃそうだ!当時は大量推奨時代。証券会社が旗を振った銘柄をイナゴすれば儲かったし高い手数料も証券会社に落ちるわけだからある意味WINーWIN。今なら相場操縦でアウト案件💦
それでもお金が無くなれば、不動産仲介会社に客を紹介すれば一件辺り5万円程度報酬が貰え、東京ドームで巨人戦の内野席のチケットを買って人に売れば2〜3万円が手に入るそんな時代。
僕も大学での勉強はほどほどに、夜な夜な学生同士のパーティーで六本木、原宿や銀座あたりで遊びまくっていました。
本牧のBAYSIDE CLUBあたりも遊びの拠点にしていて東京から横浜まで何分で行けるなどというバカげたこともしていました。ごめんなさい🙇
当時、六本木カローラと言われたBMWの3シリーズには乗っていませんでしたが、車を買ってくれと言えばすぐ買ってもらえ、
「人生なんて楽勝!」
なんて、思っていたのがこの時期です。
実際1985年以降のプラザ合意以降急速に円高が進んだことに対応する形でとった低金利政策がバブルの発端。
そんななか1987年にNTT株民営化で一気に株式が身近に考えられるようになり、『財テク』という言葉が生まれ運用してない人間は損だくらいに言われていた時代。(なんか今と似てるな)低金利故の過剰流動性が一気に不動産市場に流れバブルを引き起こしました。
当時野村證券による『ウォーターフロント開発計画』の腕力推奨販売。
つまり土地の価値が顕在化されることによる企業価値の上昇がテーマとなり東京湾周辺に巨大な土地を持っていた石川島播磨重工業(現IHI)、東京ガス、東芝や東京電力が人気化。
当時大手4社と言われた野村、大和、日興と山一による強烈な推奨販売の影響もあり株式市場は堅調。
実体経済では不動産中心のバブルが形成されていきました。
象徴的な出来事がいくつもあることはご存じかと思います。
ソニーによるロックフェラーセンタービル買収や安田生命によるゴッホのひまわり購入など・・
当時は東証時価総額がNYSEの時価総額を超えるという、言ってみればこの世の春のような状態だったわけです。
僕はそんな夢のような時間を学生という非常に中途半端だけれども享受しやすいポジションで過ごすことができました。ラッキー!!
しかしこの時このバブル崩壊の影響を直接受けることになるとは思ってもいませんでした…
バブル崩壊の直接的なきっかけはやはり日銀三重野総裁によるバブル退治、つまり利上げです。
この政策によって株価は急落し、株価右肩上がりの上昇で成り立っていた証券会社と事業法人との所謂『利回り保証』が、株価下落による損失を補填するという悪しき慣習に変わり、それが世の中に知れてしまったのです。
所謂証券不祥事で大手証券トップが軒並み逮捕、証券会社春の時代が幕を閉じたのです。
僕が日興證券に入社したのがそんな1992年でした。
ちょうど就職活動をして内定をもらった後に、こんな不祥事が明らかになり、ものすごく不安な気持ちになったことを覚えています。入社を止めようと思ったこともありました。
入社して三重県の四日市支店に配属になってから、飛び込みで訪問するお客様からは、多分一生かかっても言われないだろうと思えるくらいの罵声を浴びせられ、「殺す」とか「死ね」とか言われた回数も数えきれません。
ショックでした…
一通り病んだ後、ふと思ったのが、
僕は大学時代にバラ色の人生を送りすぎたから今こうなっているのだろうな。
結局人の人生って平等で、最終的に平均化されるんだな..これは今でも自分を戒めるときによく思い出すことです。
僕はITバブルを全部経験した
米国はどうでしょうか?
下記チャートは日本の平成バブル期最高値からの日経平均、ダウおよびNASDAQのパフォーマンス比較です。
日経平均、ダウとNASDAQのパフォーマンス比較(1989年〜)
確かに日本はバブル処理に時間がかかったとはいえこのパフォーマンスの差には愕然とします。
ちなみにこの間、米国にバブルがなかったわけではありません。
1998年から2000年辺りにITバブルが起きました。
このバブルは幸運なことにロンドンから始まりから終わりまで全て経験することが出来ました。
この実体験は今回の上昇相場で大いに役立ちました!!
単純にフローで買い上げる相場…
元をたどると1993年のクリントン大統領とゴア副大統領が提唱した『情報スーパーハイウェイ構想』から1995年マイクロソフト社のWindows95発表の流れが発端となりインターネットが世の中に浸透していく流れで、このITバブルが起きました。
後でまた触れますが、この上昇の過程では米国の金利は比較的高止まりしていてバブル最終局面でさらに金利を上げていった印象。これがバブル崩壊の要因と言われています。さらにとどめは2001年のアメリカ同時多発テロ。
忘れてはいけないのが、このITバブルでは今のNVIDIAと同じようにIntel株が暴騰したのです。
やっぱり現代の革新は半導体主導で起きるのです。
これが分かっていれば、今回も・・・・
株式情報 マーケットニュース 相場展望 2024.03.04
この記事を書いた人
元クレディ・スイス証券株式本部長マネジングディレクター。
日系証券個人営業から証券人生をスタート。その後ロンドンと東京を拠点に20年以上に渡って外資系証券会社の主にトレーディングデスク及び各マネジメント職を歴任。2019年退職。得意分野はフローの裏側分析及び市場構造分析。現在はXやnoteなどで個人投資家向け株式投資の知識提供中心に悠々自適生活を送る。趣味は食とクルマ。
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