遂に!🐸の時代がやってくる?NYSE24時間取引に関するFT記事
株式情報 世界情勢 マーケットニュース 2024.04.25
目次
NYSE24時間取引
最近アルゴ系記事だとか文献にあまり面白いものがなく、どちらかというとマーケットの動きやニュースに対する見解が僕の記事にも多くなっていました。
そんな中XのTLに流れてきたこの記事✨
Financial Timesより
うわー大好物な記事!
NYSEが24時間365日米株市場開けるなんて東証も3-5年後くらい後に続くじゃん!
そうすれば!アルゴやシストレ文化が日本の個人投資家にももっと広まって・・
『俺の時代が来る!!』
何てヘッドラインを見た時に思い、いても経ってもいられなくなり記事を書くことにしました。
FT記事の抄訳
実際によく内容を読むと、正直ヘッドラインと内容のギャップがありました。
ただ、現実問題としてこれくらい知っておいた方が良いと思われる基礎知識が詰まっていたのでFT記事を簡単にまとめてみます。
1.NYSEが24時間取引について世論調査を行った
2.これはNYSEの経営陣によるものではなくデータ分析チームによるもの
3.時期は奇しくもPoint72のスティーブコーエンによるスタートアップ企業『24Exchange(24X)』の2度目の上場申請中のタイミング
4.暗号通貨取引が24時間行われていることや個人投資家の投資活動の活発化が最近ホットな話題
5.米国株以外の通貨や先物など平日24時間取引可能でNYSEは遅れている
6.ロビンフッドやインタラクティブブローカー等は自己ポジとのマッチングやBlueOcean等『ダークプール』でのマッチングで平日24時間取引対応
7.ダークプールは主にアジアの個人投資家のアジア時間での米国株取引に利用されている
8.夜間取引所は『ダークプール』と比較して監視が厳しくなるだろう
9.取引所取引はSECが直接監視、安定性や安全性がテストされるだけでなくルール変更なども承認される必要がある
10.約定価格は統合テープとして公式な価格となり、通常取引時間の基準価格になり得る
11.NYSEのアンケートには、24時間は平日だけでなく週末へ拡大すること、投資家の値動きに対する保護、スタッフの配置等が含まれた
12.夜間で頑張るくらいなら通常取引をもっと活発にすべきではないか?も問われたようだ
13.24Xの上場申請第1回目は運営や技術面での問題で取り下げられたが、2回目である今回は金曜日時点で問題提起の書簡はない
14.ジョージタウン大学のエンジェル教授は24Xを指示、深夜の流動性は不明だが商業的な話はSECが決めるものではないし、市場に委ねるべき、きっと参加者は得をするだろうとコメント
15.複数の情報筋によると統合テープを監督する委員が24時間取引移行時のコスト負担を検討、実際決済期間も平日決められた時間でしか働いていない
16.機関投資家の夜間取引への関心は低い、理由は流動性が低いのと決済リスク
17.現在の夜間取引は個人投資家は指値注文しか出せず、不出来だと翌朝自動失効
18.機関投資家担当証券会社は24時間取引の需要はあるが、全体からではないとコメント
内容より重要な事
この記事を読んだ感想は・・・
「なーんだ、俺の時代はまだ来ないじゃん」
確かに暗号通貨などと比べて株式市場は取引時間が短く投資家の利便性的は良くないです。
利便性が悪い理由の一つがこの記事にも書いてありますが流動性の低さ。
一方でアジア時間に米国株がトレード出来ることはアジアの投資家(僕も含めて)にとってはメリットはありますが、それでも流動性が鍵になります。
それ故値動きの監視などを規制当局が行うというのは非常に理にかなっており、日本にはない『統合テープ』が存在する米国ならではの価格発見機能への責任を強く感じます。
また、あのスティーブコーエンが24Xなるマーケットプレイスを上場申請していることは知りませんでした。これはどういうフォーマットのマーケットプレイスになるのか今のところ僕には情報はないですが、興味あります。
HomePoint72 is a global asset manager led by Steven A. Cohen that
point72.com
カジノは胴元が一番儲かるということを考えると一代でPoint72を築いた彼なら考えそうなことではあります。
Point72ってご存じですよね??
知らない方は黙っておきますから今知っておいた方が良いですよ。
日本の状況を見てみると…
日本の現状を見てみると東証の夜間取引の話は僕は聞いたことがなく、引けの時間が30分延長されることで大騒ぎです。
まだまだやな~
東証資料より
僕も証券会社当時取引時間の延長に関して流動性が希薄化されるだろうという理由で大反対していました。
一方で引け値オークションの正式導入など市場ルールがより欧米大手機関投資家好み、言い換えると他の欧米取引所と似たメカニズムを採用することで取引しやすくなり、僕が当初考えていたのと違い意外に流動性は増すかもしれません。
こんな状況!
夜間取引に関しては・・・・
株式情報 世界情勢 マーケットニュース 2024.04.25
この記事を書いた人
元クレディ・スイス証券株式本部長マネジングディレクター。
日系証券個人営業から証券人生をスタート。その後ロンドンと東京を拠点に20年以上に渡って外資系証券会社の主にトレーディングデスク及び各マネジメント職を歴任。2019年退職。得意分野はフローの裏側分析及び市場構造分析。現在はXやnoteなどで個人投資家向け株式投資の知識提供中心に悠々自適生活を送る。趣味は食とクルマ。
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