5/10に本決算発表を迎えたトヨタ自動車＜7203＞。昨年から長期的な下落トレンドを迎えています。

今年に入り、何度か再上昇を狙う展開がありましたが、その都度反落し、ボックス圏を推移しているというよりも、緩やかに下落する状況が続いています。

そして、それを表すかのように、200日移動平均線や75日移動平均線も右肩下がりを形成し、25日移動平均線は上下するも、なかなかトレンドが転換するような動きにはなっていません。

そのような中、 決算発表を迎えた同社ですが、ここからどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか？

トヨタ自動車＜7203＞の本決算前後の株価動向は？

同社の決算を挟んだ1ヶ月間（4月下旬～5月下旬）で、同社の株価は、例年どのような傾向が見られるのでしょうか？そのデータ分析の結果がこちらです。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

2000年から2022年の株価の推移を見ると、上昇傾向が10回、下落傾向13回見られます。この数字を見る限り、やや下落傾向があると読み取れるでしょう。

変動幅を見ると、10％以上の変動は2006年の1回のみです。それに対して、5％以内の変動は上下合わせて16回あります。5～10％以内の中程度の変動は上下合わせて6回あります。

これらを考慮すると同社の株価は、この時期に全体としてやや下落傾向があるものの、小幅な変動にとどまる可能性が高いでしょう。

ただし、やや注意もあります。上昇時と下落時では、傾向が違うことです。5％以上の変動は、1回を除き、全て下落時に発生しています。

よって、下落時は上昇時と比較して、小幅よりも大きく変動する可能性もあるでしょう。

では、同社の株価は、決算発表前後でどれくらいの範囲で株価が推移することが予測されるのでしょうか？

トヨタ自動車＜7203＞は？

データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。

【目標株価】
上値目安：1,848円
下値目安：1,702円
※4/25終値1,800円を基準に計算

これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約2.6％、下落幅は約5.4％と考えられます。よって、上値は「1,848円」、下値は「1,702円」が目標株価と考えられるでしょう。

上値の目安に到達した場合は、決算発表当日よりも低い水準まで下落します。そこで、過去の最大上昇幅で目標株価を算出すると、1,943円が目安として出てきます。

もし、このような上昇が見られても、決算発表当時の株価よりもわずかに高い水準にとどまります。これまでの傾向もふまえると、やはり上昇時は小幅にとどまると想定しておくと良いでしょう。

反対に、下値の目安に到達した場合は、25日・75日移動平均線から大きくマイナス乖離し、そのまま年初来安値を更新します。

そうなると、昨年から続く横ばいもしくは緩やかな下落傾向が、継続されるでしょう。そして、下げ止まるには、まだ時間が掛かると考えられます。

200日移動平均線をようやく上抜けしそうな位置にいますが、下落した場合は、再び下に位置することになります。

また、これまでの傾向を見る限り、上昇時の変動幅よりも下落時の変動幅は大きくなる傾向があるので、まずは年初来安値1,764円で下げ止まるか様子見し、次の段階にいくのか慎重に見ていくのが良いでしょう。

このように同社は、この時期は上昇しても変動が小さいことや、直近の動向をふまえても、上値が重たい展開が続くと考えられます。

また、それに加えて下落時は上昇時よりも大きく変動するので、年初来安値更新も見据えなければならない状況です。

これらを考慮すると、まだ上下のどちらに進むか方向感が出ていないうえ、上値も重たいので、積極的に売買を狙わず、様子見するのも選択肢の一つでしょう。

ぜひ、このような情報をもとに、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2023/5/11時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。