【2兆円の経済効果】 まだまだ伸びるインバウンド関連銘柄

株式情報 マーケットニュース 相場展望 国内情勢 日本株 2023.08.24

遠藤 悠市 遠藤 悠市

中国政府は今年の2月、新型コロナウイルスの流行に伴い制限していた海外団体旅行を解禁しました。ただ、その時点では政治的な要因もあり日本は含まれていませんでした。

 

しかし、今回約3年半ぶりに日本への団体旅行の解禁をしたことで、訪日中国人観光客が強烈に倍増する可能性があるんです。

 

中国人の団体旅行解禁で株式市場にも大きなチャンス

 

さらに、直近の為替相場は円安傾向にもあり、そのことも訪日を大きく後押しします。

 

これにより、コロナ前にも見られた中国人観光客の日本製品の爆買い!が、コロナ前よりもパワーアップして各地で起こることが想定されます!

 

これは、当然のことながら日本経済を押し上げることに繋がり、年間で数兆円のマクロ消費支出が増加するとの試算も出ています。

 

そこで、このインバウンド需要の加速が、どういった日本企業に影響を及ぼすのか、ここから少し私なりの見解をお話ししていきたいと思います。

 

3年半ぶりの団体旅行解禁について

 

今月の8月10日に中国政府が新型コロナの感染拡大後に停止していた中国人の日本への団体旅行を解禁したことを発表しました。

 

中国人が日本に団体旅行ができるようになるのはおよそ3年半ぶりとなってます。

 

日本を訪れる中国人は今年6月時点で新型コロナの流行前の4分の1ほどにしか回復しておらず、団体旅行解禁でインバウンド需要加速の期待が高まっています。

 

日本政府観光局によると、新型コロナ感染拡大前の2019年に日本を訪れた中国人は959万人で、訪日客全体の約3割を占めていたため、今回の団体旅行解禁は日本経済にとってかなりポジティブなことであると言えます。

 

具体的な経済効果は

 

観光庁の「2023年4-6月期の全国調査結果の概要」によると、訪日中国人旅行支出内訳は多い順に、買い物代、宿泊費、飲食代、交通費、娯楽等サービス費となっています。

 

このことから、爆買いの復活が期待される百貨店、家電量販店、ドラッグストアなどでの消費加速が想定されます。

 

次いで支出の多い項目が宿泊費であることから、ホテルの利用増加が想定されるため関連企業の業績向上が期待されます。

 

また、飲食代への支出も多いことからレストランを併設しているホテル等は相乗効果も期待されると思います。

 

インバウンドには更なる伸びしろが

 

新型コロナによるパンデミックから時間が経過し、中国人に限らず世界中で旅行者が増加しており、その中でも訪日外国人観光客は顕著に増加傾向にあります。

 

結果として、百貨店やホテルを筆頭としたインバウンド関連銘柄は数年ぶりの高値水準に買い進まれ、中には上場来高値圏に位置している銘柄もあります。

 

そんな中、今回の中国人の日本への団体旅行が解禁となり、より一層の消費増加が見込まれることから、百貨店やホテル、飲食業や国内旅行代理店、ドラッグストアなどインバウンド関連とされる銘柄には更なる伸びしろがあるとみています。

 

例としては、全国展開する老舗百貨店の高島屋(8233)、リゾートホテルを手掛ける東急不動産ホールディングス(3289)、都市型ドラッグストアを展開するマツキヨココカラ&カンパニー(3088)などは、インバウンド関連銘柄として位置付けられるとみています。

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この記事を書いた人

遠藤 悠市

日本投資機構株式会社 アナリスト日本投資機構株式会社 アナリスト
大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて、株式投資を投資金30万円で始め4年間で990万円まで資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト

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