日経平均先週も32,000円半ばを方向感なく推移中…日本株はここが天井か?
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.07.31
日本株は、ここから上下のどちらに進むのか迷っている人はいますか?
先週の日本株もスッキリとしない展開のまま、日経平均株価は32,000円半ばを方向感なく推移し続けました。
今月上旬には33,000円に到達した日経平均株価ですが、その後は約2週間動きらしい動きが見られません。
これまで順調に上昇してきただけに「ここが天井なのか?」と心配な人もいるかもしれません。
反対に、これは次の上昇に向けた調整局面で「ここから再上昇する!」と期待している人もいるかもしれません。
では、ここから日本株は、上下のどちらに推移する可能性が高いのでしょうか?
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、先週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
先週の株式市場動向
株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
これらの指数をふまえると、先週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が、”比較的連動している週”でした。
ただし、先々週に続き全体のトレンドの発生数が少ないので、株式市場全体を動かすようなトレンドが発生していない中での話です。
具体的に見ると、先週はほぼ無風状態の中で日経平均株価が上下しましたが、今週は株トレンド指数の中で最も目立つ天井指数の水準と、ほぼ連動して日経平均株価が動きました。
7/25のみ天井指数が伸びてきているのに対して、日経平均株価は小幅下落しました。それ以降は、7/26に天井指数が弱まると共に日経平均株価も小幅下落し、その後は両者とも上昇しています。
そういった意味では、先週の株式市場に限っては、日経平均株価を基準に相場分析する人たちも、株トレンド指数を基準に相場分析する私たちも、分析結果に差異はなかったかもしれません。
しかしながら、そのような中で、差異が出てしまう部分も少なからずあります。それは先週の株式市場の動きの詳細の部分です。
結果的には、上のグラフの通り、日経平均株価を基準にしても、株トレンド指数を基準にしても変わりありません。
ですが、これがリアルタイムや前日のデータをふまえた状態で目の前の株式市場を見ると、日経平均株価を基準にしている人にとっては、相場分析が難しかったと考えられます。
なぜなら、週初めに大きく上昇したように錯覚し、中盤は停滞し、そこから再上昇したので、週の後半の上昇を大幅上昇と錯覚した可能性があるからです。
また、週の半ばの停滞は、ほとんど日経平均株価が動かなかったことから、株式市場にいったい何が起きているか想像がつかず、とても難しい気持ちだったでしょう。
反対に、株トレンド指数を基準に相場分析する私たちは、全体的に無風状態よりはトレンドが発生しているが、今週の上昇はそのような中での軽い上昇だと読み取ることができます。
よって、週の半ばの停滞は、基本的に無風状態に近い中で起きている小さなトレンドの変化なので、こういった停滞があっても何も不思議ではないという判断ができたでしょう。
また、ここから引き続き調整局面が続いているか、すでにボックス圏に入ったと株トレンド指数の発生状況から判断することができたでしょう。
このように、日経平均株価を基準に相場分析している人は、目の前の日経平均株価の上下にやや右往左往したと考えられます。
それに対して、株トレンド指数で相場分析する私たちは「無風状態に近い」という土台を持った中での上下だと判断できるので、日経平均株価の上下に右往左往することはなかったでしょう。
ちょっとした違いかもしれませんが、この「無風状態に近い」という情報の有無で、トレンドの判断が分岐していったと考えられます。
では、直近2ヶ月間の状況を見て、より状況を詳しくみてみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、調整局面が続いているように見えますが、そろそろボックス圏に入ったと判断したほうが良いかもしれません。
また、株トレンド指数を見ると、先週は無風状態に近い中で天井指数が目立ち、一瞬だけ上昇しているように見受けられます。
6月下旬から7月に入ったところの期間であれば、株トレンド指数の発生上昇と日経平均株価の推移であれば、再上昇を狙う調整局面と読み取ることができました。
日経平均株価と株トレンド指数の推移を考慮すると、調整局面からの上下の動きはなく、そのままボックス圏に入ったと読み取れるでしょう。
そうなると、ここからは日経平均株価32,000~33,000円などの水準を上値と下値に上下に方向感なく推移するかもしれません。
なお、日経平均株価がこの水準までくると、同じ1%の変動でも、円単位で見ると大きくなります。3万円を超えた段階から、円単位で変動を見ると、錯覚を起こしやすいのでご注意ください。
先ほどは便宜上、円単位で表現しましたが、この水準までくると2%程度の変動で500~600円変動します。直近が32,500円前後を推移していますので、そこから2%の変動があると、上記のよな円単位の範囲での変動になります。
このように、ここから再上昇を期待したい部分はありますが、現状を見る限り、4月後半からの上昇トレンドは終焉し、再び方向感のないボックス圏に入ってしまいました。
そういった意味では、今後は日経平均株価が再び高値を更新するのか、それともその手前で跳ね返されるのか、32,000円を割り、そのまま下抜けするのか、それとも反発するのかと、ボックス圏の上値と下値を抜けるかどうかがポイントになるでしょう。
ただし、現状の株トレンド指数の発生状況を見る限り、週明け早々にそのような展開が起きるのは考えにくい状況です。
ファンダメンタル要素で、何か大きなものがあれば急転の可能性もありますが、今は川の流れが弱い状態なので、徐々に勢いがつくまで、しばらく時間を要するでしょう。
なお、補足情報として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。
・外国人投資家:中立に転換
・個人投資家:中立に転換
・日本の機関投資家:中立に転換
日本株市場を構成する三大投資家全員が「中立」に転換しました。こうなると、膠着状態です。ここからも何か大きなファンダメンタル要素がない限り、週明けに株式市場が動き出すのは難しいでしょう。
また、この全員中立からも、しばらく株式市場がボックス圏で推移することが予測されます。
よって、ここからしばらくの間は、ボックス圏が続くことを想定しながら、株式市場の推移をみて行くのが良いでしょう。
そして、このような株価変動が少ない場面では、利益を狙うのが難しいうえ、方向感を捉えるのも難しいので、あまりムリに売買せず、じっくりと様子見していくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/7/27(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
株式情報 投資戦略 相場展望 日本株 2023.07.31
この記事を書いた人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。トレーダーとして2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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