「期待値」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。確率論をベースにした概念で、「投下した資金に対して戻ってくるお金の見込み」のことを指します。
宝くじや競馬などのギャンブルでは、掛け金に対してどれくらいの配当が期待できるかを考えるのに使われます。またビジネスの現場でも、設備投資に対する期待収益という形で広く活用されています。
この「期待値」の考え方を株式投資に取り入れることで、自分がこれから行おうとしている取引の「利益の見込み額」を数字で可視化できるようになります。
つまり、投資のリスクとリターンを感覚ではなく、根拠を持って判断できるようになるのです。
ということで今回の記事では、この「投資の期待値」をテーマに、勝ち組投資家の投資行動を考えていきましょう。
そもそも「期待値」ってどういう意味?

期待値とは、ある行動を繰り返したときに「平均してどれくらいの結果が得られるか」を数字で表したものです。まずは身近な例を使って、期待値の基本的な考え方を押さえておきましょう。
コイントスやサイコロゲームの期待値
例えば、コイントス(サイコロ)で表が出るか裏が出るか(奇数が出るか偶数が出るか)を予測して、当たれば賞金が貰え、外れれば掛け金を失うゲームを考えてみましょう。
このゲームの参加費(掛け金)は100円で、予測が当たれば200円を獲得し、予測が外れれば100円を失うと想定します。
このゲームの期待値は、表が出る確率=50%で200円が得られ、残りの50%=裏が出る確率で100円を失うゲームの見込み額で計算できますので、
(50%×200円)+(50%×-100円)=100+(-50)=100-50=+50円
となります。
つまり、このゲーム1回辺りの期待値は【+50円】と考えられますので、このゲームをやり続ける限り1回ごとに50円のリターンが見込めると判断できるのです。
故にこのゲームは、参加し続ける程儲けが見込める=参加者にとって有利なゲームだと評価できます。
ギャンブル(宝くじ)の期待値
1枚1000円の宝くじが合計10枚販売されるとします。この宝くじの当選金は、
・1等5000円
・2等1000円
・3等500円(3500円分は運営者報酬)
で、当選確率は均等であると想定します。
この時、この宝くじの期待値は、「10%の確率で5000円が得られ、10%の確率で1000円が得られ、10%の確率で500円が得られ」、残りの70%の確率で1000円を失うゲームの見込み額で計算できます。
(10%×5000円)+(10%×1000円)+(10%×500円)-(70%×1000円)=500円+100円+50円-700円=-50円
この宝くじの期待値は、【-50円】となります。
そのため、このくじを1枚買うごとに50円を失うと想定できますので、これは買っても利益は見込めない宝くじだと評価できます。このように、確率変数によって結果が異なる事象の「期待値」を計算することで、その良し悪しが評価できるようになるのです。
株式投資の期待値を計算してみよう

では、いよいよ「株式投資の期待値」について、考えていきましょう。
株式投資は、買った株が値動きすることで利益や損失が発生します。そのため、その期待値を考える場合は、「利益額」・「損失額」・「勝率」を想定する必要があります。
すなわち、どの程度の資金量で、どの程度のリターンが、どの程度の割合で発生する投資なのか?ということを考えていきます。
例えば、ある株式投資家(トレーダー)の1か月間の成績が、「平均利益10万円・平均損失5万円・勝率65%」だったとしましょう。
この投資家の1取引当たりの期待値は、勝率65%の確率で10万円が得られ、残りの35%の確率で5万円を失う取引の期待値として計算できますので、
(65%×10万円)+(35%×-5万円)=6.5万円-1.75万円=+4.75万円
と表せます。
つまり、この投資家は、1回の取引ごとに+47,500円の利益を見込める技術を持っていると考えられますので、もしこの月に投資家が10回取引を行っていれば、4.75万円×10回=47.5万円の利益が得られたことになります。
また、上記の投資家とは別で、「平均利益5万円・平均損失10万円・勝率50%」の取引結果の投資家がいたとしましょう。
この投資家の1取引当たりの期待値は、勝率50%の確率で5万円が得られ、残りの50%の確率で10万円を失う取引の期待値として計算できますので【2.5万円-5万円=-2.5万円】となります。
そのため、この投資家は取引毎に-2.5万円を失ってしまうと想定されます。
これらのことから、株式投資の期待値は、数字がプラスであればその取引で利益が見込めると言え、反対に数字がマイナスであればその取引で損失が発生しやすいと評価できます。
そのため、賢明な投資家は、この期待値(期待リターン)がマイナスになるような投資行動を排除し、プラスになるような投資行動を選択、実行することで、利益の積み上げを実現しているのです。
期待値を武器にする!3つの実践的な活用法

期待値の考え方を身につけたら、次は実際の投資行動に活かしていきましょう。具体的には以下の3つの使い方がおすすめです。
これまで行ってきた取引結果の期待値を計算してみる(結果分析)
まずは自分のこれまでの取引結果をもとに期待値を計算してみましょう。
そうすることで、自分の投資行動の期待リターンやリスクの現状が客観的に評価できるようになります。
たとえば「勝率は高いのに利益が伸びない」という場合、利益額が小さすぎて期待値がマイナスになっている可能性があります。
これから行おうとしている取引の期待値を計算してみる(期待値予測)
次に、これから行おうとしている取引の期待値を事前に計算してみましょう。
投資のリスク・リターンが数字で確認できれば、取引結果の不確実性が低下し、成績が安定しやすくなります。
たとえば「勝率50%でも利益額が損失額の2倍以上なら期待値はプラス」といった判断が、感情に左右されない売買につながります。
今まで使ってきた手法の有効性を期待値で確認してみる(手法検証)
自分がこれまで使ってきた投資手法の期待値を計算することで、その手法が本当に有効かどうかを数字で判断できます。
たとえば同じ手法を20回試した結果、期待値が一貫してプラスであれば、その手法には再現性があると評価できます。
そしてその数字を大きくしていくことが、より高いパフォーマンスの実現につながっていきます。
期待値を味方につけて投資パフォーマンスを高めよう!
期待値の高い投資を行うために、まずは自分の投資結果や投資計画の期待値を計算してみましょう。
そうすることで、自分の投資行動の期待リターンやリスクの現状が評価できるようになります。
そして、その数字を大きくしていくことが、より高いパフォーマンスの実現に繋がっていくのです。
勝ち組投資家になるためには、定期的に「自分の期待値」を把握しておくことが大切です。
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日本投資機構株式会社
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