暴落相場で株価がV字回復する銘柄と低迷してしまう銘柄との差とは何か?

株式情報 投資戦略 2023.09.03

山崎 毅 山崎 毅

株で大勝ちする人ほど、株価が安い時に買っている事実

 

前回のコラムでは、株で勝ちやすいクセが付いている投資家ほど、株価が下がっている/安い時に株を買っていた事実【株で勝ってる人と負けてしまう人の差って何?】をご紹介した。

 

記事の公開以降、大変多くの方々にアクセスいただき、ありがとうございます。

 

ただ同時に、『株価が下がっている中で、どんな銘柄を買えばいいのか?』『株価が戻る銘柄と、そのまま低迷してしまう銘柄の違いを教えて欲しい』といった、暴落相場後の銘柄の見分け方を知りたいといった主旨のご質問を多くいただいたので、今回はそれについて深堀りして解説していこうと思います。

 

今回の記事のテーマはズバリ!
『暴落相場後に買っていい銘柄とそうでない銘柄の見分け方』です。

 

どんな銘柄もバーゲンセールになる訳ではない

株式投資は株価が安い時に買って高い時に売れれば、利益が出せることなど誰でもご存じだろう。

 

しかし、安い時に買ったと思った株がそれ以上に下がり続けてしまったり、そのまま倒産して上場廃止になってしまった経験がある人もいるのではないだろうか?

 

『下がっている時に買えばいいや!』と言って、やばい銘柄を掴んでしまうと、資産運用どころか虎の子の資金が紙屑同然となって消え去ってしまう可能性だってある。

 

株式投資で大きく利益を獲得するには、株価が安い時に仕込むのが定石だが、仕込んだ銘柄が株価の下落を克服できる体力を持っていなければ、そのまま低迷します。

 

つまり、本来価値の高い株を安く買うという意味でのバーゲンセールにはならないのである。

 

買っていい銘柄と買ってはいけない銘柄の「違い」とは?

では、暴落相場で買っていい銘柄と、買ってはいけない銘柄との差は「何」か?
その答えは、『決算書』に隠れている。

 

決算書

 

決算書とは、言わずと知れた企業の業績や保有資産などの経営状況をデータで表した資料である。

 

証券口座で株が買える会社は、法律に則って四半期毎に決算書を公開する決まりになっているので、この資料を読み込めば自然と答えが見えてきます。
決算書の中身で見るべき点は、本当に単純明快!

 

その企業に、暴落相場を乗り越えるだけの「体力」が備わっているかどうか?を見るだけなんです。

 

大げさに言っても、本当にこれだけなんです。

 

つまり、こういった暴落相場の時こそ、その企業が持っている本質的な体力を見極めるには絶好の機会になるんです。

 

決算書の『どこ』を見ればいいの?

では、決算書の『どこ』を見れば、その企業の『本質的な体力』が分かるのか。

 

その答えは『貸借対照表』にあります!

貸借対照表決算書

 

貸借対照表とは、決算時点での企業の資産状況を一覧で表した資料で、右側の項目には資金調達の状況が、左側の項目には右側の項目で調達した資金の振り分け先が表されている。

 

なので、これらの項目を見て、現金を大量に保有していたり、無借金経営をしていたりするような、財務状況が健全な企業かどうかを判断すればいいだけなのだ!

 

足元の経済状況で例を出すと、インフレの影響で長期金利が上がっているため、借金をして事業をしている企業にとっては、調達金利や返済金利の上昇によってコストが上がってしまい利益が出しにくい状況とも言えるが、一方で無借金の企業であればそれらの影響は受けないし、反対にお金を貸すビジネスをしている銀行等は金利が上がることで利益がもっと大きくなるのだ。

 

そういった個別の事情を読み解けるのが『貸借対照表』なのである。

 

暴落相場で仕込むべき銘柄は、「暴落前」にピックアップして備えておく!

ちなみに、「暴落こそが株を安く仕込めるチャンスだ!」と、ただ暴落の局面を待ってしまうような行動は、株の世界では勝ち組にはなれない「負けやすいクセ」が付いていることを意識する必要がある。

 

株式投資というマネーゲームの勝負は、暴落前にすでに始まっているのだ。

 

だからこそ、暴落した時を想定して事前に貸借対照表をチェックして、株価が落ちる前に企業の本質的な体力を調べて備えておくのである。

 

株で利益

 

プロの株式投資の世界は、もし相場が上がったら、もし下がったらの、この「もし」を想定して、そうなった時のアプローチ及び戦略を事前に決めて取引をしています。

 

つまり、プロの投資家は、もし相場全体が下げた時に「どの株を買うか」予め決めてから、その株がターゲット価格に到達するまで、じっと身を潜めて待ち続けているのだ。

 

まるで、サバンナで獲物を狙うライオンのように。

 

しかしながら事実として、これがプロの勝ちパターンなのだ。

 

このように、暴落相場でどう動けばいいのかが事前にイメージできれば、もしそれが目の前で実現したとしても、怖がらずに冷静に幸運を掴み取ることができる。

 

次は、今このコラムを読んでいるあなたにこそ、そのチャンスを掴んで欲しいと思います。

株式情報 投資戦略 2023.09.03

山崎 毅 山崎 毅

山崎 毅

この記事を書いた人

山崎 毅

日本投資機構株式会社 投資戦略部 部長
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
日本投資機構株式会社 投資戦略部 部長
テクニカルアナリスト(CMTA®)

大学卒業後さわかみ投信株式会社に入社し、顧客管理・企業調査・アナリストなど幅広い日本株の資産運用業務に従事。独立後、FXトレードの利益で世界一周旅行を達成した「バックパッカートレーダーズ」を企画し、自らトレーダーとして世界を回った。帰国後は、海外証券会社やヘッジファンドへのコンサルティング業務を行いつつ、2013年に国内の投資助言・代理業に参入。書籍出版(世界一わかりやすいFXの教科書等)、セミナー登壇、メディア出演等、実績多数。また個人投資事業として、古陶磁鑑定美術館を2023年度にM&Aし、二代目館長に就任。古美術品への現物投資と日本文化の継承を目的に美術館経営に参入。それ以外にも果樹農家として農業事業に参入するなど、幅広い分野で活躍中。

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