テンバガーになったボロ株を徹底分析!10倍高を掴むための探し方や注目銘柄も紹介

テンバガーになったボロ株を徹底分析!10倍高を掴むための探し方や注目銘柄も紹介

株価も業績も低迷し、投資家から見向きもされていなかったボロ株(超低位株)が、相次いで材料を発表して短期間で大きく値を伸ばすケースがあります。
なかには、個人投資家による買いを巻き込み、数か月で株価10倍(テンバガー)を達成する場合も。

いったいどうすれば、このような銘柄を初動段階で買い付けられるのでしょうか?
この記事ではテンバガーになったボロ株(超低位株)の共通点を分析し、今後大化けする余地のある注目のボロ株を紹介します。

目次

ボロ株(超低位株)の定義とは?

ボロ株(超低位株)とは、一般的に株価が100円以下の銘柄を指します。
ただし、100円以下というのはあくまで目安であり、投資家によって300円以下や500円以下の銘柄をボロ株と呼ぶ場合もあります。

また、株価が低位であっても、業績が好調であったり、企業規模が大きかったりすると、「ボロ株」とは呼ばれないケースもあります。
というのも、株価が安いからといって、必ずしもその企業の規模が小さいとは限りません。

たとえば、2023年に1株を25株に分割したNTTのように、個人投資家にも気軽に株を買ってもらうための手段として、あえて株価を安くする場合もあります。
このような大企業は、たとえ株価が低位でも、あまり「ボロ株」とは呼ばれません

ボロ株(超低位株)がテンバガーになりやすい理由

一般的にボロ株と呼ばれる銘柄は、普段は投資家から見放されており、会社全体の価値(時価総額)も小さいため、少しの変化でも株価が大きく動きやすいです。
たとえば、赤字だった会社が黒字に転換したり、新しい事業を始めたりといったニュースが出たときには、普段期待されていない分サプライズとなり、一気に注目が集まります。

また、時価総額が小さい分、大型株と比べて少ない資金の流入でも株価が上昇しやすい傾向があります。
実際に、いくつものボロ株が短期間で値を伸ばし、テンバガー(株価10倍)を達成しています。

過去にテンバガーになったボロ株(超低位株)

では、どんな銘柄が何をきっかけに大きく上昇してきたのでしょうか。
ここからは、ボロ株(超低位株)の代表的な急騰事例を紹介します。

ダントーホールディングス(5337)米住宅ローン事業進出で注目

ダントーホールディングス2020年の急騰事例

ダントーホールディングスは内外装タイルの老舗。
タイル需要の低迷を受けて、1999年12月期から2024年12月期まで26期連続での営業赤字を計上しています。

株価もこれを受けて低迷し、2020年3月には58円まで下落。
いわゆるボロ株として扱われていましたが、新規事業への進出を発表し、同年10月には1,065円まで上昇する場面が見られました。

米住宅ローン事業への進出が材料に

ダントーホールディングスは、2020年7月に、米国の住宅ローンを提供する企業の連結子会社化を発表。
さらに同年10月にはその子会社を通じて、「米国モーゲージ(住宅ローン)×フィンテック」という、当時非常に注目されていた分野に出資を行うと発表しました。

これを受けて、新たな事業への進出によって、本業の低迷をカバーして成長に向かうと期待した投資家による買いが殺到
株価は連続ストップ高をつける場面も見られています。

信用規制や大株主の売却で株価は失速

しかし、株価が急騰しすぎたため、10月8日に証券取引所などが信用取引の規制を強化。
信用取引で加速していた相場は、この規制強化によって短期的な買いの勢いを失い、初動で急反落しました。

また、10月26日付の大量保有報告で大株主による売却も明らかに。
これも市場に売り圧力として意識されました。

加えて11月には、コロナ禍で本業のタイル事業が厳しさを増しているとして、通期の業績予想を下方修正しています。
新規事業の収益が、本業の不調さをカバーするにはまだ時間がかかるとの見方が広がり、投資家の期待は剥落してしまいました。
以降の株価は2023年まで長い調整局面を迎えています。

大黒屋ホールディングス(6993)中国での成長に期待感

大黒屋ホールディングス2021年の急騰事例

ブランド品の売買や質屋の「大黒屋」を主力とする大黒屋ホールディングス。
株価は、2020年12月の安値22円から2021年6月の高値132円まで、8.25倍の上昇を達成しています。

惜しくも株価10倍とはなりませんでしたが、同社は過去にも大きく上昇しています。
2013年6月の安値32円から2014年2月の高値361円までは11.2倍に上昇。
直近でも、2025年4月の安値18円から6月の92円まで、5.1倍の上昇を達成しています。

中国での事業展開に期待膨らむ

大黒屋ホールディングスは、中国上海に子会社を設立し、中国中古ブランド市場での事業展開に本腰を入れる方針を2021年3月に発表。
同年6月には、2026年3月期を対象期間とする「5カ年事業計画」を発表し、年平均で27%の売上高成長率を目標に掲げました
この事業計画では、オンラインオークションやバッグ・時計などのシェアリング、中国現地及び越境ECを成長ドライバーとして挙げています。

2021年3月から6月にかけては、世界的な半導体不足や金利上昇を背景として日経平均株価の上昇が一服していました。
大型株の失速で、投資家の資金が材料性のある低位株に集まりやすかったことも、大黒屋ホールディングスの上昇に拍車をかけたと考えられます。

成果が数字として見えず、株価は失速

期待買いを集め、大きく株価を伸ばした大黒屋ホールディングスですが、実際の業績が追いつかずに、株価は失速しています。

コロナ禍で落ち込んだ前年同期からの急回復が明らかになった2021年4-6月期決算発表後には買いが先行したものの、株価は高値を抜けずに失速。
さらに2021年11月には、在庫回転を優先したため利益率が下がり、年間の利益見通しを下方修正してしまいます。

その後も計画通りの収益拡大は叶わずに、2025年4月には株価が18円まで下落しています。
同年6月にかけては再度急騰する場面も見られましたが、売上高の伸び悩みと赤字が続いているため、買いは定着していません。

フルッタフルッタ(2586)/エス・サイエンス(5721)

他にも2024年には、アサイーブームの再来を受けて業績が急改善したフルッタフルッタが、25円から325円まで13倍の株価上昇を達成
2025年にはニッケル老舗のエス・サイエンスが、ビットコインの取得を発表して話題となり、19円から422円まで22倍超の上昇を見せています。

2024年から2025年にかけて活況となったこれらの銘柄の詳しい上昇要因は、以下の記事にまとめています。

テンバガーになるボロ株(超低位株)の共通点とは?

過去に大化けしたボロ株の事例を分析すると、単に株価が安いだけではない、いくつかの共通点が見えてきます。

重要なのは、本業の低迷を吹き飛ばすような「新しい成長シナリオ」を会社が示していることです。
ダントーホールディングスが米企業を子会社化したような、既存事業の延長ではない大胆な方向転換は市場の注目を集めます。

また、赤字縮小あるいは営業利益やキャッシュフローの黒字転換など、業績に底打ちの傾向が見られる企業にも注目したいです。
最悪期からの脱却が数字で見えてきたタイミングで、会社側から新たな成長ストーリーが示されると、買いが集まりやすくなります。

10倍になるボロ株(超低位株)を探す方法

ボロ株が大きく株価を伸ばす際には、必ず何らかの大きな変化があります。

そのため、企業の開示情報や投資家向け説明会での経営陣の発言などを日々チェックすることが、地道ながら可能性の高いテンバガーを掴む方法になると思います。

特に以下のような開示があった場合、企業が何らかの変化を見せ、株価が上昇に向かう余地があります。

・営業利益または経常利益の黒字転換、あるいは赤字幅の大幅な縮小見通し
・本業とは異なる成長テーマへの新規参入
・将来性の低い現行事業の撤退や売却
・経営トップの交代などの体制変更
・中期経営計画を見直すとの方針発表
・自社株買い、経営陣による自社株の新規購入/買い増し

ただし、なかには毎年黒字化見通しを発表するのに、結局期中に下方修正を行い、赤字が続いている銘柄なども存在します
そのため、「過去にも同じような開示を出して、実現せずに終わっていないか」は、あわせてチェックしましょう。

ボロ株(超低位株)への投資は危険?注意点を解説

ボロ株(超低位株)は、上場廃止や増資による株式価値希薄化のリスクが比較的高いです。
こうしたリスクを抑えるには、上場廃止の恐れがある「監理銘柄」に指定されていないか、現金が減少傾向にあり、そろそろ増資を行う可能性がないかをチェックするのが良いでしょう。

逆に、ボロ株(超低位株)であっても、足元の業績が改善傾向にあるタイミングや、新株予約権の権利行使が完了した(資金を調達できた)ばかりのタイミングでの投資は、比較的リスクが低いと言えます。

また、何らかの成長シナリオが浮上して株価が大きく上昇したとしても、そのシナリオが実現せずに、元の株価水準に戻ってしまいやすいのがボロ株の特徴です。
高値で取り残されないように、しっかりとロスカットルールは決めた上で売買を行う必要があります。

【テンバガー期待】注目のボロ株(超低位株)

2025年にかけて新たな事業分野への参入を発表した銘柄を中心に、注目のボロ株(超低位株)を紹介します。

コード銘柄名事業内容
6574コンヴァノ関東・東海・関西にネイルサロンを展開。暗号資産の購入やステーブルコインの企画・開発事業への参入を発表。
2330フォーサイドクレーンゲーム機の景品卸を手掛ける。2024年2月にAI領域での新たな事業を開始するための子会社を設立。
2321ソフトフロントホールディングス通信ソフト開発会社。2025年8月にAIデータセンター事業及びクリーンエネルギー事業を開始すると発表。
2693YKT中堅の電子機器商社。子会社で量子コンピューターの関連機器を扱う。
6613QDレーザ半導体レーザー技術活用デバイスの開発・販売。2025年7月には中小企業庁が推進するプロジェクトに参画し、成長ビジョンを策定。
8518日本アジア投資日本と中国で投資事業を展開するベンチャーキャピタル。2026年1月にデータセンター施設の開発を手掛けるKICホールディングスを子会社化予定。

まとめ|リスクを理解してテンバガーを狙え!

大きく上昇するボロ株の多くは、本業の不振を吹き飛ばすような新しい成長シナリオが示された瞬間に、一気に投資家の注目を集めます。

重要なのは、企業が開示する情報のなかから、黒字転換の兆しや成長分野への新規参入といった変化のサインをいち早く見抜くことです。
初動段階で投資できるかどうかが、大きなリターンを得るための分かれ目となります。

とはいえ、大きなチャンスを掴むためには、銘柄選びの専門的な知見が不可欠です。
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執筆者情報

nari

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 投資戦略部 主任代理/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)/日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)

国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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