株式投資で利益を出すためには、安く買って高く売るのが大原則ですよね。
そのため、「金曜日に手仕舞い売りが出たところで、買いを入れるのがいいのではないか」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか?
たしかに週末を持ち越すリスクを考えると、金曜日は売りが出やすそうです。
実際に「今日は週末だから手仕舞い売りが出ている」といった相場の解説を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本当にこの戦略は有効なのでしょうか?
以前の検証では、金曜日よりも木曜日の方が安かったという、意外な結果でした。では、その傾向は今も続いているのでしょうか。今回は期間を更新して、もう一度確かめてみました。
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金曜より安かった木曜も、期間を変えると結果が逆転

まず最初に検証したのは、TOPIX(東証株価指数)です。日本株を広く対象にした指数で、特定の銘柄だけに偏らず、相場全体の曜日ごとの動きを調べるために選びました。
「金曜日に安く買う」つもりが、木曜日の方が安かった
以前に掲載していた2013年7月9日〜2023年7月6日の集計では、金曜日よりも木曜日の方が、平均騰落率も上昇した日の割合も低くなっていました。週末の売りを待つなら金曜日、と考えると少し意外な結果ですよね。
TOPIXの平均騰落率(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
TOPIXの上昇した日の割合(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
ここで比べているのは、前の取引日の終値から何%上がったか、下がったかです。「木曜日が安かった」というのは、この平均が低かったということ。毎週木曜日にその週の最安値を付けていた、という意味ではありません。
では、なぜ金曜日ではなく木曜日だったのでしょうか。以前の記事では、週末の売りを見越して一足早く利益を確定する人がいるのではないか、と考えました。一方、空売りをしている人が週末を前に買い戻せば、金曜日の値下がりを抑えることもありそうです。
こうした売り買いの重なりは、値動きを考えるうえで一つの手掛かりになります。ただ、曜日別の数字から売買した人の理由までは分かりません。当時の説明は、データから考えた仮説として見ておきましょう。
期間を更新すると、木曜日と金曜日の並びが入れ替わった
そこで、集計期間を2016年9月〜2026年8月の10年間に移してみました。すると木曜日の平均騰落率はプラス0.039%、金曜日はプラス0.003%。今度は金曜日の方が低く、以前と同じ並びにはなりませんでした。
さらに2023年9月〜2026年8月の直近3年間では、木曜日はプラス0.179%です。「木曜日に安く買えそう」と覚えていた方にとっては、見直したい結果ではないでしょうか。

TOPIXの平均騰落率(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | +0.016% | -0.146% |
| 火曜 | +0.180% | +0.259% |
| 水曜 | +0.025% | +0.118% |
| 木曜 | +0.039% | +0.179% |
| 金曜 | +0.003% | +0.004% |
TOPIXの上昇した日の割合(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | 54.3%(244/449日) | 51.1%(67/131日) |
| 火曜 | 59.8%(297/497日) | 62.8%(93/148日) |
| 水曜 | 50.7%(253/499日) | 55.0%(82/149日) |
| 木曜 | 51.1%(254/497日) | 59.2%(90/152日) |
| 金曜 | 55.0%(274/498日) | 57.0%(86/151日) |
以前の結果が間違いだったと、これだけで決まるわけではありません。今回取り直せたデータのうち、以前と重なる2016年1月5日〜2023年7月6日の1,834取引日では、木曜日の平均は−0.045%で、5曜日の中でもっとも低くなっています。集計する時期が変わると、見えてくる姿も変わるわけです。
なお、2013年7月からの旧期間全体は今回再集計していません。旧期間の発見は当時掲載した図の結果、更新後の数字はJPXの日別指数からの再集計です。この二つを混ぜずに見比べています。
金曜日は上がる日の方が多くても、平均の上昇幅は小さい
「金曜は売られるから安い」と覚えていると、上がる日の多さを見落としてしまいます。TOPIXの金曜は、更新した10年で55.0%、直近3年で57.0%の日に上昇しました。それでも平均騰落率は、それぞれプラス0.003%、プラス0.004%にとどまります。
回数では上昇が多くても、一回ごとの上げ下げを合計すると、ほとんど差が残らなかったわけです。何曜日に売買するかを考えるなら、当たった回数だけでなく値幅も見たいところです。金曜日を一律に安く買える日とするより、この二つをそろえて比べた方が、値動きの特徴が分かります。
では、今のデータでもっとも上がっている曜日を見つけ直せば、買い時が分かるのでしょうか。次に、その曜日に買う場面を考えてみましょう。
更新した10年間では、TOPIXの平均騰落率が最も高かったのは火曜日

更新した10年間で、TOPIXの平均騰落率がもっとも高かったのは火曜日でした。平均はプラス0.180%。直近3年間でもプラス0.259%と、5曜日の中で首位です。これなら火曜日を狙えばよさそうに見えますが、ここで一つ、確かめておきたいことがあります。
火曜日の朝に買うと、寄り付き前の上昇分は取れない
月曜日も取引日だった場合、火曜日の騰落率は、月曜日の終値から火曜日の終値までの変化です。つまり、この数字には火曜日の朝、市場が開く前に動いた分も入っています。
たとえば、火曜日の寄り付きですでに値上がりしていたら、そこから買った人はその分の上昇を受け取れません。火曜日の引けに買えば、その日の上昇は買う前に終わっています。「上がる曜日を知る」と「その上昇を利益にする」の間には、買う時刻という違いがあるのです。
今回は終値を使った集計なので、火曜日の上昇のうち、寄り付き前と日中がそれぞれどのくらいかは分けていません。火曜の朝に買う戦略が有効かは、始値も含めて確かめる必要があります。
では、月曜日の引けに買い、火曜日の引けに売るならどうでしょうか。週末を持ち越さずに、火曜の値動きを取り込む組み合わせです。「火曜に買う」から「火曜の上昇を受け取るには月曜から持つ」へ、売買時点を変えて考えます。後半では、この区間も実際の終値で確かめます。
ちなみに、火曜日が毎年好調だったわけでもありません。10年間を9月〜翌8月で区切ると、火曜の平均が首位だったのは10回中4回。2018年9月〜2019年8月には−0.089%でした。通算の成績がよくても、買う曜日を固定すれば毎年うまくいく、とは限らないようです。
木曜の終値で買った後は、金曜以降の値動きが損益を決める
木曜日の買いにも、同じことがいえます。木曜日の終値までに下がっていても、買った後に戻らなければ利益にはなりません。知りたいのは、木曜日に買って、金曜日や週明けまで持ったらどうなったかですよね。
そこで後ほど、木曜の終値から翌月曜・翌火曜の終値までの値動きも調べてみます。その前に、週末をまたぐときに忘れたくないリスクを見ておきましょう。
週末持ち越しには、週明けに大きく値下がりするリスク

株では上がるか下がるかだけではなく、どのくらい上がるか下がるかを考える必要があります。時間をかけてコツコツ積み上げた利益が、1度の暴落で無くなってしまうというのは、よくある話です。
直近3年の月曜は、上がる日が多くても平均マイナス
直近3年間の月曜日は131日あり、そのうち67日はTOPIXが上昇しました。半分以上は上がっていたのに、平均騰落率は−0.146%です。上がる日が多いなら利益も出そうですが、どうして逆の結果になるのでしょうか。
大きく影響したのが、2024年8月5日の急落でした。この日だけでTOPIXは前取引日比−12.23%。普段の小さな上昇を、一度の大幅安が打ち消してしまったのです。

この1日を除いても月曜の平均は−0.053%ですが、除く前とは下落幅が違います。もちろん、急落する日を事前に知って避けられるわけではないため、本集計からは外していません。「勝つ回数が多い」ことと「利益が残る」ことの違いが、ここによく表れています。
怖いのは月曜日という名前より、売れない間に材料が変わること
前取引日比で2%以上下落した頻度を調べると、10年間では月曜が23日、5.1%でした。他の曜日は2.2〜3.0%です。直近3年の月曜日は8.4%と、今回の期間では月曜日の大幅安が目立ちました。
TOPIXの2%以上下落した日の割合(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
TOPIXの2%以上上昇した日の割合(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
TOPIXの2%以上下落した日の割合(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | 5.1%(23/449日) | 8.4%(11/131日) |
| 火曜 | 2.8%(14/497日) | 3.4%(5/148日) |
| 水曜 | 2.2%(11/499日) | 3.4%(5/149日) |
| 木曜 | 2.6%(13/497日) | 2.6%(4/152日) |
| 金曜 | 3.0%(15/498日) | 3.3%(5/151日) |
TOPIXの2%以上上昇した日の割合(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | 3.6%(16/449日) | 4.6%(6/131日) |
| 火曜 | 5.0%(25/497日) | 7.4%(11/148日) |
| 水曜 | 3.4%(17/499日) | 6.0%(9/149日) |
| 木曜 | 2.8%(14/497日) | 3.9%(6/152日) |
| 金曜 | 1.6%(8/498日) | 0.7%(1/151日) |
大幅に上がった日も合わせて見ると、直近3年のTOPIXで2%以上上昇した割合は、火曜日が7.4%でもっとも高く、金曜日は0.7%でした。一方、月曜日は2%以上下落した割合が8.4%。同じ「上がる日が多い曜日」でも、大きく動く方向と頻度が違います。火曜の上昇を狙いたくなる理由と、その前から持つ場合のリスクを、両方の表で確かめられます。
ただし、「月曜日だから暴落した」と考えると、肝心の背景を見落としてしまいます。国際決済銀行(BIS)の2024年8月27日付分析(BIS Bulletin No.90)では、8月初めの混乱について、弱い米経済指標への反応を、借入などで投資額を増やした株式・通貨取引の巻き戻しが増幅したと説明しています。
週末に気になる材料が出ても、日本の現物株はすぐに売れません。週明けに売ろうとしたときには、すでに価格が大きく動いていることもあります。今回の月曜の騰落率には月曜の日中の値動きも入るので、下落のすべてが週末のせいとはいえませんが、持ち越す間に状況が変わる怖さは考えておきたいところです。
新興株の水曜日は、直近3年で平均マイナスに

それなら、週末を持ち越さずに売買したい、と考える方もいらっしゃるでしょう。以前の記事では、もう一つの候補として、新興市場の銘柄を月曜日に買い、水曜日に売る方法を紹介していました。
10年平均はプラスでも、直近3年は5曜日で最も低い
以前の記事でこの方法を紹介したのは、当時掲載した旧東証マザーズ指数の集計で、水曜日の平均騰落率と上昇した日の割合がもっとも高かったためです。TOPIXでは火曜日、新興株では水曜日。少し遅れて上がるなら、週明けに買っても間に合いそうに見えました。
旧東証マザーズ指数の平均騰落率(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
旧東証マザーズ指数の上昇した日の割合(旧掲載図:2013年7月9日〜2023年7月6日)


出所:当記事に掲載していた旧集計図。対象期間:2013/7/9〜2023/7/6。
ところが、更新した10年間では水曜日の平均はプラス0.055%だったものの、直近3年間に絞ると−0.178%へ反転しました。5曜日の中でもっとも低く、騰落率を小さい順に並べた真ん中の値を示す中央値も−0.138%です。少数の極端な急落だけで平均が下がった、と片付けられる結果でもありません。

旧マザーズ・グロース250の平均騰落率(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | -0.051% | +0.027% |
| 火曜 | +0.145% | +0.191% |
| 水曜 | +0.055% | -0.178% |
| 木曜 | -0.123% | +0.038% |
| 金曜 | +0.029% | +0.056% |
旧マザーズ・グロース250の上昇した日の割合(更新集計)
| 曜日 | 10年(2016/9〜2026/8) | 直近3年(2023/9〜2026/8) |
|---|---|---|
| 月曜 | 55.0%(247/449日) | 60.3%(79/131日) |
| 火曜 | 55.7%(277/497日) | 53.4%(79/148日) |
| 水曜 | 55.5%(277/499日) | 47.0%(70/149日) |
| 木曜 | 45.5%(226/497日) | 46.1%(70/152日) |
| 金曜 | 51.2%(255/498日) | 51.7%(78/151日) |
上昇した日の割合でも、直近3年の新興株の水曜は47.0%でした。対して、同じ期間のTOPIXの水曜は55.0%。曜日が同じでも、大型株を広く含む指数と新興株の指数では結果が違います。TOPIXで見つけた傾向を、そのまま新興株の売買へ移すのは避けたいところです。
大型株から新興株への資金移動は、曜日平均だけでは分からない
以前の記事では、週明けにまず大型株が買われ、遅れて新興株へ資金が向かうのではないか、と説明していました。値動きの順番を考えるうえでは分かりやすい見方ですが、今回の指数データは、実際に資金が移ったかまでは示していません。
さらに、比較する指数の中身もずっと同じではありません。旧マザーズ指数は2023年11月6日に東証グロース市場250指数へ名称が変わり、JPXは名称と算出要領の変更を公表しています。今回は連続する指数系列を使っていますが、同じ銘柄を10年間固定して見たものではなく、グロース市場の全銘柄を表す指数でもありません。
投資家の売買だけでなく、指数を構成する企業やその比重も変わります。「大型株の次は新興株、だから水曜日に売ればよい」という筋書きを、そのまま今の注文に使うのは難しそうです。では、実際に月曜日から水曜日まで持っていた成績は、どうなっていたのでしょうか。
直近3年の平均は、月曜買い・火曜売りが4案で最も高かった

以前の記事で考えた3つの作戦に、TOPIXの月曜買い・火曜売りを加えて、買ってから売るまでの成績を比べました。直近3年の平均は追加した組み合わせがもっとも高くなりましたが、期間を短くすると違う結果も見えてきます。まず、以前の3案から順に見てみましょう。
10年間ではプラスでも、最近は同じ結果にならなかった
2016年9月〜2026年8月の10年間では、TOPIXを木曜終値で買って翌月曜終値で売る区間の平均はプラス0.015%。翌火曜まで待つとプラス0.171%でした。新興株指数の月曜終値から水曜終値までは、プラス0.207%です。
この数字だけなら、少しでも利益が積み上がりそうに見えます。しかし、直近3年間では木曜→月曜が−0.139%、新興株の月曜→水曜も−0.065%となりました。昔の傾向をそのまま繰り返しても、最近の期間では同じ結果にならなかったのです。

TOPIXの木曜→火曜は、直近3年間でもプラス0.053%でした。ただ、往復の売買費用を仮に0.10%とすると、差し引きは−0.047%になります。0.10%は実測した費用ではなく比較用の仮定ですが、小さな平均利益は費用によって消えてしまうことが分かります。実際には手数料だけでなく、狙った価格と約定価格のずれも関わってきます。
木曜→月曜では、2024年8月1日から5日の1回で−17.63%となった区間もありました。これは連続売買の最大損失ではなく、1回の保有区間の下落です。少しの利益を何度も狙うなら、このような下落を一度受けたときの影響も見過ごせません。
以前の記事では、木曜日に大型株を買い、月曜日に売って新興株へ移り、水曜日に利益を確定する流れを紹介していました。しかし今回の結果からは、曜日を決めて繰り返すだけで利益を狙える方法として、おすすめする根拠は得られませんでした。この点は、以前の提案を見直します。
月曜終値で買い、火曜終値で売ると直近3年は平均プラス0.189%
火曜日の上昇を取り込むために、月曜の終値から同じ週の火曜の終値まで持つ区間を追加で調べました。両日が取引日の週だけを使い、祝日なら見送ります。月曜が休場だった週を含む火曜の曜日平均とは、対象となる週が違います。10年では435回の平均がプラス0.159%、直近3年では125回でプラス0.189%でした。
直近3年は125回のうち76回(60.8%)が上昇し、中央値はプラス0.089%。最も下がった1回は、2026年3月2日から3日の−3.24%でした。
直近3年は、往復費用を仮に0.10%引いても平均プラス0.089%が残ります。以前の3案と比べても、今回の平均は高い結果です。ただし費用を0.20%にすると、平均は−0.011%へ変わります。月曜から火曜へ持つ組み合わせには検討する余地があっても、費用を問わず利益が残るわけではありません。
| 買う日→売る日 | 回数 | 費用前平均 | 往復0.10%を仮に控除 |
|---|---|---|---|
| TOPIX 木曜終値→翌月曜終値 | 126回 | -0.139% | -0.239% |
| TOPIX 木曜終値→翌火曜終値 | 143回 | +0.053% | -0.047% |
| 新興株 月曜終値→同週水曜終値 | 125回 | -0.065% | -0.165% |
| TOPIX 月曜終値→同週火曜終値 | 125回 | +0.189% | +0.089% |
月曜買い・火曜売りも、最後の1年は平均マイナスだった
通算ではよく見えた月曜買い・火曜売りも、2025年9月〜2026年8月の42回に絞ると、費用前の平均は−0.019%でした。直近3年でプラスが残ったからといって、毎年同じように利益が出るわけではありません。
また、直近3年には2024年8月5日から6日の9.30%の急反発が入っています。この1回を外すと平均はプラス0.116%、仮定費用0.10%後はプラス0.016%まで縮みます。急反発日を事前に選べるわけではないため本集計には含めますが、大きく戻った日が平均を押し上げていたと分かります。買う曜日だけを覚えるより、平均の中身まで見ておきたいところです。
曜日の特徴を、買う時刻と週末の備えに生かす
今回の検証から短期売買の候補を挙げるなら、TOPIXの月曜終値買い・火曜終値売りです。火曜に上がるという数字を、いつ買い、いつ売るかまで具体化できました。ただ、最後の1年はマイナスなので、毎週機械的に買う方法としてはおすすめしません。
木曜から仕込む旧案とは違い、月曜の引けからなら週末は持ち越しません。その代わり、月曜の夜から火曜までの値下がりは受けます。「週末を避ける」と「損をしない」は別です。最近の期間と費用後の数字も一緒に見ると、試す候補と、そのまま注文しない理由の両方が分かります。
すでに株を持っている方は、曜日だけで売り急ぐより、週末の発表予定と持ち越す量を確かめる使い方ができます。寄り付きが指定水準を下回ると、逆指値でも想定した価格で売れるとは限りません。新興株にはTOPIXと同じ曜日の傾向を当てはめず、対象を分けて考えましょう。
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曜日の傾向は、集計期間と売買条件で見え方が変わる
更新集計の出所は、JPX「統計月報/株価指数&株価平均(年月末・日別)」です。2026年8月分までの終値を使い、2016年9月1日〜2026年8月31日の2,440取引日と、2023年9月1日〜2026年8月31日の731取引日を弊社で集計しました。直近3年は10年の中に含まれます。
曜日別の騰落率は100×(当日終値÷前取引日終値−1)の算術平均です。休場日をゼロで埋めず、2020年10月1日の売買停止も除外しています。月曜が祝日の場合、火曜の値には通常より長い休場期間が含まれます。祝日明けを分けた効果や、日中だけの売買成績は今回検証していません。
保有区間は100×(売却日の終値÷購入日の終値−1)で計算し、両日が取引日かつ対象期間内の回だけを使いました。途中の祝日は含めています。配当・税・約定価格のずれは未反映で、費用を仮に差し引いた例以外は費用前です。旧2013〜2023年の図は、全期間の再計算が完了した資料としては扱っていません。
追加の月曜終値→火曜終値も同じ計算方法です。10年435回、直近3年125回、2025年9月〜2026年8月は42回。月曜と火曜のどちらかが休場なら見送り、翌営業日へずらしていません。火曜の曜日平均が高かった結果を見てから追加した比較であり、独立した将来期間での運用成績ではありません。始値から買う戦略も未検証です。
今回の数字は、指数の終値を使った参考値です。指数そのものは買えず、ETFや個別株では値動きも費用も違います。また、買う日か売る日が休場ならその回は見送り、別の日にずらしていません。採用した回が違うため、二つの平均を足して、同じ資金を回した成績にすることもできません。
曜日間の平均差についても検定しました。連日の値動きと変動幅のばらつきを考慮した曜日ダミー回帰(HAC標準誤差、ラグ5)の同時検定では、TOPIXのp値は10年で0.123、直近3年で0.365。新興株指数はそれぞれ0.274、0.470でした。一般的な5%基準では、今回見えた差を偶然ではないと判定できません。ただし、曜日効果が存在しない証明でもありません。集計後に一番よい曜日を選んだ結果を、そのまま将来の利益として期待しないための確認です。
まとめ|曜日ごとの特徴を、実践的なトレードに生かそう

日本株を何曜日に買うか考えるなら、上がる曜日と、買ってから売るまでの時間を分けるのが出発点です。今回はTOPIXの火曜高から、月曜終値買い・火曜終値売りまで確かめ、直近3年では往復0.10%の仮定費用を引いても平均プラスが残りました。
ただ、最後の1年はマイナスで、新興株の水曜高も続いていません。曜日だけを固定せず、対象の違いと費用、週末をまたぐかまで組み合わせて考える。検証で見えた候補と注意点を、実践的なトレードに生かしていただければと思います。
とはいえ、「今どの銘柄を狙うべきか?」という判断は難しいもの。そんな時は、プロの視点を参考にするのも有効な手段です。
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執筆者情報
日本投資機構株式会社 証券アナリスト(CMA) テクニカルアナリスト(CMTA®)
国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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