日本株、何曜日に買えばいい?プロがデータから導くトレード戦略!

日本株、何曜日に買えばいい?プロがデータから導くトレード戦略!

株式投資で利益を出すためには、安く買って高く売るのが大原則ですよね。

そのため、「金曜日に手仕舞い売りが出たところで、買いを入れるのがいいのではないか」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか?

たしかに週末を持ち越すリスクを考えると、金曜日は売りが出やすそうです。
実際に「今日は週末だから手仕舞い売りが出ている」といった相場の解説を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、本当にこの戦略は有効なのでしょうか?
今回はその疑問を解き明かすために、過去のデータを検証してみました。

目次

日本株の過去10年のデータで見ると、実は木曜日が安い!

TOPIXの各曜日の平均騰落率はプラス?マイナス?

まず最初に検証したのは、TOPIX(東証株価指数)です。

日経平均株価ではなくTOPIXを選んだのは、東証プライム市場に上場する銘柄が広く対象となっているからです。

また、日経平均株価は、日本を代表する225銘柄のみの平均で、値がさ株の影響も受けやすいため、一部の銘柄が急騰、急落しただけでも大きく値が動いてしまいます。

そのため、個別株を幅広く売買している投資家の損益とは、TOPIXの方が連動しやすいと考えられます。

TOPIXの曜日ごとの平均騰落率(2013年7月9日~2023年7月6日)

TOPIXの過去10年分の各曜日の騰落率の平均を算出すると、月曜や火曜日といった週前半が好調だと分かります。

しかし、金曜日よりも木曜日の方がより平均騰落率が低くなっています。

金曜日が安いというイメージとは少し違う結果です。

木曜日に株が売られるのはいったい何故?

木曜日の方が相場が安くなる理由として、「金曜日は相場が安くなる」と考える人が多く、さらに先回りして利益を確定する売りが出ている可能性が考えられます。

また、相場の先行きに悲観的で空売りを入れている人は、市場が思ったより強ければ、週末にいったん買い戻す判断を下しやすいです。
買い方の手仕舞い売りよりも売り方の買い戻しの方が多く出れば、相場は上昇するというわけです。

続いて曜日ごとに、TOPIXが前日比で上昇する確率も調べてみました。
わずかでも前日比でプラスになっていれば上昇としています。

TOPIXの曜日ごとの上昇確率(2013年7月9日~2023年7月6日)

こちらでも、木曜日がもっとも上昇する確率が低くなっています。
また、注目すべきは、金曜日の上昇確率が、火曜日に次いで高いことです。

金曜日の平均騰落率が週前半に比べて低いことを考慮すると、金曜日は株が少し買い戻されながら、指数が小幅高でもみ合うような日が多いと考えられます。

見逃せない「週末持ち越しで、株価急落」のリスク

週末持ち越しは怖い!?急落リスクを考慮しよう。

ここまでの結果から、上昇確率、平均騰落率の両方がもっとも低い木曜日に買いを入れるのが良さそうです。
また、売り時は上昇確率、平均騰落率が高い火曜日が適していると考えらえます。

しかし、株では上がるか下がるかだけではなく、どのくらい上がるか下がるかを考える必要があります。
時間をかけてコツコツ積み上げた利益が、1度の暴落で無くなってしまうというのは、よくある話です。

そこで、今度は月曜日から金曜日の各曜日について、2%以上の値幅を伴って上昇、下落した確率を見ていきます。

2%というのは、日経平均株価が3万2,000円だとすると、640円に当たります。
1日で640円以上日経平均株価が上げ下げすれば、大きく動いたと感じる人が多いと思います。

TOPIXの曜日ごとの2%以上の下落確率(2013年7月9日~2023年7月6日)

結果を見ると、2%以上下落した確率はやはり月曜日がもっとも高くなっています。
よく耳にする「週末持ち越しによるリスク」というのは、たしかに存在するようです。

TOPIXの曜日ごとの2%以上の上昇確率(2013年7月9日~2023年7月6日)

一方で、2%以上上昇した確率は月曜日よりも火曜日、水曜日の方が高くなっています。
週末持ち越しが怖い場合、月曜日から買いに入っても遅くはないと考えられます。

週末を持ち越さずに取引するなら、新興市場が狙い目!

では、月曜日から買いに入るなら、どんな銘柄が良いでしょうか?

傾向を探るため、検証を行った旧東証マザーズ指数について、平均騰落率や上昇確率を調べてみました。

東証マザーズ指数は、新興市場に上場する銘柄を対象として算出されており、個人投資家による売買の比率が高い中小型株の値動きと連動する傾向があります。

旧マザーズ指数の曜日ごとの平均騰落率(2013年7月9日~2023年7月6日)

旧マザーズ指数の曜日ごとの上昇確率(2013年7月9日~2023年7月6日)

TOPIXもマザーズ指数も週前半が強く、週後半は弱いという傾向は同じでした。

しかし、TOPIXのもっとも平均騰落率や上昇確率が高い曜日が火曜日であるのに対し、マザーズ指数は水曜日がもっとも好調というデータが出ています。
また、マザーズ指数は月曜日の騰落率が0.00%と低いことから、TOPIXに遅れて動いているとの見方もできます。

これは、週明けの相場が好調なスタートとなった場合に、まずは東証プライム市場に上場している時価総額の大きい銘柄(大型株)に資金が向くからだと考えられます。
新興市場に上場している銘柄や時価総額が小さい銘柄は、大型株が買われた後に遅れて資金が向くケースが多いのです。

週末持ち越しを避けるのであれば、月曜日に新興市場の銘柄を買い付けて、水曜日に利益確定を狙うのが良いと考えらえます。

曜日データをもとに、考えられる有効なトレード戦略

ここまでをまとめますと、

①日本株は木曜日に安くなりやすい
②週末持ち越しは一定のリスクを伴う
③TOPIXは火曜日、マザーズ指数は水曜日がもっとも好調

という結果が出ました。

これに加えて、TOPIXやその採用銘柄よりも、東証マザーズ指数や新興市場の銘柄、中小型株の方が値動きが大きくなりやすいという傾向を利用して、戦略を考えてみました。

①木曜日に安くなりやすいタイミングを狙う

株式市場では、木曜日に相場が軟調になりやすいという傾向が見られした。これは週末の持ち越しリスクを警戒した投資家が、少し早めにポジションを落とすことが影響していると考えられます。

この傾向を活かし、まずは木曜日に比較的値動きが安定している東証プライム市場の銘柄を買うことからスタートします。リスクを抑えながら仕込むには、こうした大型株・安定株がおすすめです。

②月曜日に一度売却し、次に新興株を買う

週が明けた月曜日、相場全体の動きを確認したうえで、最初に買っていたプライム銘柄を売却します。

ここで得た資金を活用して、次は値動きが大きくなりやすい新興市場(グロース市場など)の中小型株に注目します。相場に勢いが出れば、大きな利益が狙えるフェーズです。

③ 新興株は「水曜日売り」がひとつの目安

新興市場は水曜日に高値をつけやすいというデータがあり、ここで利確を目指すのが有効です。実際に短期資金が入りやすく、株価が上昇することが多いため、「水曜日の売却」は戦略的な出口となります。

④木曜日にまた仕込む。①~③を繰り返すだけ

再び木曜日が来たら、また東証プライム銘柄を仕込むところからスタート。この流れを1週間単位で繰り返すことで、曜日ごとの傾向を活かした循環売買が完成します。

まとめ|曜日ごとの戦略を活かして、実践的なトレードに生かそう!

これらの戦略は過去10年間のデータに基づいた戦略ですので、特に普段から細かい売買をされている方は、参考にしていただければと思います。

勿論、このまま実践するとかなり短い期間での売買になりますので、上手く上昇に乗れた銘柄はさらに1週間、2週間と上値を追っても良いでしょう。

こうした曜日ごとの傾向をうまく活かせば、無駄な損失を減らし、より有利なタイミングで売買を行うことができるようになります。

とはいえ、「今どの銘柄を狙うべきか?」という判断は難しいもの。
そんな時は、プロの視点を参考にするのも有効な手段です。

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執筆者情報

nari

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 投資戦略部 主任代理/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)/日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)

国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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