防衛関連銘柄で急騰を掴む!投資家が注目する有望企業を解説

防衛関連銘柄で急騰を掴む!投資家が注目する有望企業を解説

防衛関連銘柄への注目が急上昇中と高い関心が寄せられています。

ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢、台湾海峡の緊張など、世界中で地政学リスクが高まり、国レベルの優先課題となっているのが安全保障です。

我が国でも防衛費が過去最大規模で増額され、防衛産業が政策支援の対象となった事で、今後は投資対象として目が離せなくなるでしょう。

今回は、初心者でもわかるように防衛関連銘柄の現状・注目企業・投資のタイミングについて丁寧に解説していきます。

目次

防衛関連銘柄に今、資金が集まっている理由

地政学リスクの高まりと日本の政策転換が追い風となり、今、防衛関連銘柄が中長期の成長期待を集めています。

地政学リスクの高まりで国家的命題となるが「安全保障」

ロシア・中国・中東などの不安定要因が背景にあり、防衛需要が拡大しています。

世界中で軍事衝突や緊張が続き、各国が軍備増強へと舵を切っている中、日本も例外ではなく、GDP比2%を目指す防衛費の大幅増額を決定しました。

2025年度の日本の防衛費は過去最大の8.7兆円となる見込み

政府は、2027年度までに防衛費をGDP比2%(約10兆円)とする方針を掲げており、2025年度はその中間点に位置します。

また、前年比で約9.4%の増加となり、11年連続で過去最高を更新している事から、装備更新・国産ミサイル開発・自衛隊の増強などが進行中。これにより防衛装備品を手がける企業の受注拡大が予想されます。

5年間で約43兆円──「国家安全保障戦略」で明示

岸田政権が2022年に打ち出した新戦略により、日本の防衛費は今後5年で43兆円規模に拡大。三菱重工、IHI、住友重機など大手企業が主要受注先となる見通しです。

国の成長戦略に組み込まれた防衛産業

防衛費拡大は関連企業の業績押し上げに直結。かつて敬遠されがちだった軍需投資が、現在は注目の成長分野として位置づけられています。

防衛関連銘柄は「政策テーマ株」の代表格

国の予算と密接に連動するため、需給が政策主導で読みやすいのが特徴です。

国家を顧客とする構造が高利益・高安定をもたらす

防衛産業は価格競争が起きにくく、顧客がほぼ国に限定される特殊な市場。長期契約と高利益率に支えられ、収益基盤が非常に安定しています。

防衛装備庁の調達制度が事業の予見性を高める

企業は防衛装備庁の長期的な調達計画に沿って入札に参加。スペック・価格ともに安定的な契約が見込めるため、売上見通しを立てやすく、投資家にとっては読みやすい業績トレンドを形成しています。

防衛関連銘柄こそ短期急騰の大本命

有事や緊張の高まりと連動し、短期的に急騰しやすいセクターとして注目されています。

2017年に激化した北朝鮮のミサイル実験

2017年には、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射実験が世界的に大きな懸念材料となりました。特に日本列島上空を通過するミサイルが発射されたことで、米朝間の緊張が一気に高まり、地政学リスクが顕在化。これにより、防衛関連銘柄に対する市場の注目度が一気に高まり、株価が急騰する場面も見られました。

2019年の米中貿易摩擦と北朝鮮による短距離ミサイル発射の再開

2019年、アメリカでトランプ政権が本格的に動き出し、中国との間で激しい貿易摩擦が巻き起こりました。米中両国による関税の応酬は、世界経済や金融市場に大きな不透明感をもたらす結果となります。

さらに同年、北朝鮮が短距離ミサイルの発射を再開し、地政学リスクも再び意識されるようになりました。こうした背景から、防衛関連銘柄や一部の安全資産には短期的な資金流入が見られます。

一方で、米中摩擦による世界経済の減速懸念が強まり、市場全体はリスク回避の流れに傾き、株価は不安定な動きを見せる局面が続きました。

2020年の中東情勢の悪化による地政学リスクの浮上

2020年初頭、アメリカによるイランへの空爆を発端に、両国間で報復攻撃が応酬される緊迫した状況が続きました。この一連の動きにより、中東情勢は一気に不安定化し、世界的に地政学リスクが高まる結果となります。

その影響で、市場にはリスク回避のムードが広がり、主要株価指数は軒並み急落。一方、安全資産とされるゴールドや原油価格、そして防衛関連銘柄には買いが集中し、いずれも大きく値を上げる展開となりました。

2022年のロシア・ウクライナ戦争の勃発

2022年、ロシアが「特別軍事作戦」の名のもとにウクライナ東部への全面侵攻を開始。首都キーウ(キエフ)を含む複数の都市に対する攻撃が続き、国際社会に大きな衝撃を与えました。

近年の世界では国家間の全面戦争は想定されていなかったため、この出来事は市場にとってネガティブサプライズとなり、株式市場は全面安の展開に。特に開戦直後はリスク回避姿勢が強まり、各国の株価指数が急落しました。

一方で、防衛関連銘柄や資源株には投資資金が集まり、有事の世界を見越した資金の動きが明確に表れた格好です。

2024年のイスラエルを巡る中東情勢の有事リスク

2024年には、イスラエル軍によるガザ地区への大規模侵攻や、イスラエルとイラン間の緊張の高まりなどを背景に、中東情勢が一気に不安定化しました。こうした地政学的リスクの拡大を受けて、「日本も決して無関係ではいられない」という意識が市場でも強まり、安全保障への注目度が急上昇

その結果として、防衛関連銘柄や軍需産業関連株に対する物色が活発化し、関連銘柄の株価が上昇する場面が相次ぎました。

短期急騰した筆頭株の例

ここまでの流れからも分かる通り、防衛関連銘柄が物色される局面は1〜2年に一度は必ず訪れています。また、いずれの有事においても防衛関連株は短期的に買われやすく、投資家にとっては見逃せないテーマとなっているのが現状です。

そして、有事のたびに高確率で急騰を見せる定番銘柄があることをご存じでしょうか?その筆頭こそが、今回ご紹介する

石川製作所〈6208〉です。

2015年9月~2019年5月までの月足チャート Tradingviewより引用

同社は、繊維機械や段ボール製函印刷機などを手がける産業機械メーカーですが、実は防衛機器の分野でも高い技術力を持つ企業として知られています。主力製品には機雷や地雷、航空機用電子機器などが含まれており、地政学リスクが高まる場面では、同社の株が真っ先に物色される傾向があります。

たとえば、2017年に北朝鮮のミサイル問題が深刻化した際には、石川製作所の株価が500円台から一気に3,500円台へと急騰。およそ6倍超という異例の上昇を記録しました。

このように、有事リスクを先読みして石川製作所の株を仕込むという戦略は、一定の成果を見込める可能性を秘めています。ただし、値動きの振れ幅が大きく、タイミングを誤れば損失リスクも高いため、初心者にとっては扱いが難しい一面もあるのが実情です。

そこで次の章では、より安定感があり、投資初心者でも比較的取り組みやすい防衛関連銘柄をご紹介していきます。

初心者でも注目しやすい国内防衛関連銘柄をピックアップ

三菱重工業〈7011〉

2022年1月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

三菱重工業は、防衛装備の開発・製造において日本を代表する企業です。海上自衛隊向けの潜水艦や護衛艦、陸上自衛隊向けのミサイルシステムや戦車関連技術、航空自衛隊向けのミサイルや航空機整備など、防衛関連の幅が非常に広いのが特徴です。

政府の防衛費増額方針(GDP比2%)により、受注増が見込まれており、業績への寄与が期待されています。民間航空機やエネルギー事業も展開しているため、リスク分散された安定性も安心材料となるでしょう。

IHI〈7013〉

2022年1月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

IHIは、航空エンジン、防衛装備、宇宙機器など幅広い分野で事業を展開している重工メーカーです。特に防衛分野では、航空自衛隊向けの戦闘機エンジンやミサイル部品などを製造しており、日本の安全保障を技術面で支える存在です。

さらに、宇宙や原子力、エネルギーといった国家戦略に関わる領域にも強く、中長期の国家予算と連動した安定性が魅力です。防衛費の拡大が追い風になる銘柄として、初心者にも注目されています。

細谷火工〈4274〉

2022年1月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

細谷火工は、防衛用途の信号用火工品(煙幕弾・照明弾など)や、ロケット用点火装置などを手がけている、ニッチながらも重要な技術を持つ企業です。民間向け花火の製造でも知られていますが、売上の大部分は防衛省向けです。

防衛色が非常に強いため、純粋な防衛関連銘柄としての値動きがわかりやすく、初心者にもテーマ投資として入りやすい銘柄です。規模は小さいものの、地政学的リスクが高まる局面で注目されやすい特性があります。

その他の防衛関連注目銘柄

銘柄名 市場企業概要
【7012】川崎重工業東証プライム三菱重工、IHIと並ぶ「三大重工」のひとつで、防衛関連では航空自衛隊向けの輸送機・ヘリコプター、潜水艦、ミサイル発射装置などを製造。防衛分野に強い製造技術力を持つ企業です。
【5214】日本電気硝子東証プライム主に液晶・有機EL用ガラスで知られる企業ですが、防衛用途としては航空機や軍用装備向けの耐衝撃・高性能ガラスを供給しています。強みはF-35などの戦闘機のコクピットにも使用される高機能素材の製造技術です。
【5121】藤倉コンポジット東証プライム防衛関連では、艦艇の防振装置や航空機の燃料タンクなどに使われる特殊ゴム部材を供給しています。長年の信頼と技術力から、防衛省との取引が安定しており、ニッチだが高い専門性を持っています。
【7721】東京計器東証プライム自衛隊向けの慣性航法装置、魚雷管制装置、航空機用計測機器などを製造しています。精密機器メーカーとしての実績が長く、防衛装備の近代化ニーズに応える製品群を持っています。
【6203】豊和工業東証スタンダード豊和工業は、自衛隊向けの機関銃や銃器、火砲の部品などを手がけており、日本では数少ない小火器メーカーです。工作機械や住宅機器も扱いますが、防衛部門の存在感が強く、防衛テーマ株として注目されることが多いです。

防衛関連銘柄は中長期で安定成長が見込める

国家契約に基づく長期受注と、インフレ耐性の高い価格構造が安定性を支えています。

2029年頃までの受注残で業績の見通しが明確

三菱重工・IHIなどの主力企業は、すでに2029年ごろまでの大型契約を多数抱えています。国家主導の装備更新計画に基づき、業績の先行きが読みやすい構造となっており、成長と安定の両面で期待が高まっています。

価格改定余地によりインフレ耐性も高い

防衛関連契約は、資材高騰や人件費上昇に対しても価格交渉が可能。政府調達という性質上、一定の利益率が維持されやすく、景気変動やインフレに強いビジネスモデルとなっています。

海外防衛株の動向とも連動しやすい

ロッキード・マーティンやレイセオンなど米防衛大手の決算や新規受注が報じられると、日本株も連動して物色される傾向があります。グローバルな需給テーマとして注目されやすい点も見逃せません。

ETF・投信経由での資金流入も追い風

iSharesやSPDRなど、「国防・航空宇宙」分野に特化したETFが近年好調。 一部の日本企業も構成銘柄に含まれており、海外マネーの循環ルートとしても注目が集まっています。

防衛関連銘柄には一方でリスクもある

短期思考や政治的ブレによる影響もあるため、冷静な視点が必要です。

政策の方向性は政局で揺れる可能性も

中長期では防衛費拡大が国策として進んでいますが、予算は毎年の国会承認が必要なため、政権交代や財政制約による方針転換がリスク要因となります。突発的な政治イベントによって市場が動揺する場面も想定されます。

ニュースによる短期過熱に注意

国際情勢やメディア報道を受けて、一部銘柄が急騰→急落するケースも少なくありません。材料出尽くしや利確売りのタイミングで反落する恐れがあり、中長期の成長性に軸足を置く投資スタンスが重要です。

防衛関連銘柄への投資は分散とテーマ活用がカギ

分散と長期視点が防衛関連銘柄では効果的です。

ETF・投資信託の活用で業界全体へ投資

初心者にとっては、防衛・航空宇宙テーマのETFや、関連銘柄を複数含む投資信託を利用することで、特定企業の値動きリスクを抑えつつ、中長期の成長テーマに乗る戦略が有効です。

「防衛×インフラ」など複合テーマで分散投資を行います。

防衛関連銘柄は通信・重工・電子機器など他の産業とも重なっているため、テーマを組み合わせることでバランス良くポートフォリオを構築可能です。

まとめ

防衛関連銘柄は、地政学リスクの時代において資産防衛と成長投資の両方を叶える可能性を持つテーマです。

特に日本国内では政策的後押しが明確で、関連企業の業績も堅調。初心者にとっても理解しやすく、長期視点で投資しやすい分野といえるでしょう。

短期の相場変動に左右されすぎず、基本に忠実な選定を心がけることで、堅実なリターンが期待できます。

執筆者情報

nari

INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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