材料1つで大きく上昇し、テンバガー(株価10倍)を達成する銘柄も続出しているバイオ株。
しかし、「高値掴みによって含み損が膨らみ、塩漬けになってしまった…。」という方が多いセクターでもあります。
そこで本記事では、大化け株するバイオ株の共通点や投資の際の注意点をお伝えし、今注目のテンバガー候補銘柄も紹介します。
テンバガーになる銘柄には条件がある!
過去にテンバガーを達成した銘柄には、「売上高や利益の高い成長」「時価総額の小さな小型株」「成長を後押しする社会的なテーマを有する」等の共通点があります。
大化け銘柄を探す上では、こうしたポイントを押さえる必要があるでしょう。
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バイオ株は短期で急騰しやすく、テンバガー続出

バイオ株は、新薬開発などで将来的に大きな利益を生む可能性があり、材料次第では大幅な株価上昇が見込めます。
特に画期的な技術や有望なパイプラインを持つ企業は、治験成功などを材料に、一気に投資マネーが流入しやすいです。
また、研究開発に資金が必要で業績が不安定な分、時価総額が小さく、値動きが激しくなる傾向もあります。
期待によって株価が大きく跳ね上がり、テンバガーを達成するケースも少なくありません。
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過去にテンバガーを達成したバイオ株は?
では、実際にどのようなバイオ株が、過去にテンバガーを達成したのでしょうか?
ここからは代表的な例をご紹介します。
ネクセラファーマ(4565)ファイザーとの共同研究に期待

※チャート画像はTradingViewより引用
ネクセラファーマは、GPCR(Gタンパク質共役受容体)という、病気の原因となる重要なタンパク質の構造を解析する世界トップクラスの技術「StaR®技術」を核とする企業です。
2024年に「そーせいグループ」から「ネクセラファーマ」に商号を変更しました。
株価は、2012年頃から2016年にかけて急騰し、わずか数年で10倍超の上昇を達成。
iPS細胞ブームと、大型提携・買収による成長戦略が評価され、株価上昇が加速しました。
米ファイザーとの提携で短期急騰
株価が大きく上昇した時期のそーせいグループは、ノバルティスが販売するCOPD治療薬からのロイヤリティ収益が土台となり、バイオベンチャーとしては業績が安定していました。
さらに、子会社のヘプタレスがファイザーと共同研究契約を締結し、これが将来の収益期待をさらに高める要因となりました。
この種の提携は、将来のマイルストン・ロイヤルティの計上期待を通じて株価に影響を与えやすいです。
2015年10月30日に1,080円だった株価は2016年5月9日には高値6,500円まで上昇。
時価総額は6,000億円超に達しました。
材料出尽くし感による急落
しかし、2016年5月13日の決算発表を節目に、材料出尽くし感が強まり、売りが殺到。
ロイヤルティの上積みと提携・パイプラインへの期待を織り込んで大幅に上昇した分、市場は期待を上回る具体的な進捗を求めました。
これが不足したため、株価は割高感を修正する動きとなりました。
ペプチドリーム (4587)安定的な黒字維持で上昇加速

※チャート画像はTradingViewより引用
ペプチドリームは、東京大学発の創薬ベンチャーとして誕生し、現在は特殊ペプチドを用いた新薬開発において世界をリードするバイオテクノロジー企業です。
2014年頃に1株640円台だった株価は、2021年2月に過去最高値の6,540円まで上昇し、テンバガーを達成しています。
独自の創薬プラットフォームと安定した収益モデルが評価され、長期にわたり右肩上がりの株価上昇を実現しました。
創薬プラットフォームによる安定的な黒字維持による上昇
ペプチドリームは、独自の特殊環状ペプチド創薬基盤「PDPS」を武器に世界的製薬企業との提携を次々と獲得。
アストラゼネカやメルクなどメガファーマとの共同研究契約を締結し、その都度契約一時金や開発マイルストーン収入を得るビジネスモデルを確立しました。
上場した2013年以降、営業利益ベースでほぼ一貫して黒字を維持するという安定性も際立ち、将来の大型ロイヤルティ収入への期待から機関投資家にも注目されました。
さらにJPX日経400に採用されたことで、企業規模と信頼性が向上し、株価は長期上昇トレンドを描きました。
コロナ特需の剥落による下落
しかし、2021年以降、株価はピーク比で75%もの下落を見せています。
これは業績悪化というより、過熱した期待の剥落によるものです。
2020年にはコロナウイルス治療薬の創薬に取り組むとの報道で急騰しましたが、その特需的な期待が剥げ落ちたことが下落の主因だと考えられます。
サンバイオ(4592)脳梗塞などを改善する治療薬に期待

※チャート画像はTradingViewより引用
サンバイオは、再生細胞薬の研究開発から製造販売までを手掛ける再生医療ベンチャーです。
新薬への期待感から個人投資家の熱狂を集め、2017年から2019年初めにかけて株価が10倍以上に急騰しました。
2017年頃に1,000円未満だった株価は、2019年1月には一時12,000円を超える過去最高値(12,730円)をつけています。
新薬の業績飛躍が期待された上昇
サンバイオは脳梗塞などを改善する治療薬を開発しており、市場では新薬承認による業績飛躍がほぼ確実視されていました。
特に2018年末~2019年初にかけては、「条件付き早期承認制度を活用し世界初の脳再生薬が近く上市する」との思惑が広がり、株価はわずか3ヶ月で約4倍に急騰。
個人投資家の期待が株価を押し上げ、ピーク時の時価総額は6,000億円を超えるほどでした。
臨床試験での評価項目未達成による失望売りによる下落
しかし、2019年1月29日に、主力開発品SB623の臨床試験で評価項目を達成できなかったと発表されると、失望売りが殺到。
株価はわずか5営業日で5分の1まで暴落し、その後も低迷が続きました。
期待の新薬候補の頓挫で成長シナリオが崩れ、投資マネーは急速に撤退していきました。
テンバガーを達成したバイオ株の共通点

過去にテンバガー(株価10倍)を達成したバイオ株には、以下の4つのような
共通点①|独自技術の拡張性とプラットフォームの確立
まず1つ目は、独自技術の拡張性とプラットフォームの確立です。
テンバガーを達成するバイオ企業の多くは、単一の新薬候補だけでなく、複数の薬を生み出す能力を持つ創薬プラットフォーム技術を保有しています。
独自のライブラリーから標的タンパク質に結合する物質を高速で選別する技術や、これまで困難だった細胞内へのアプローチを可能にする技術などがこれに該当します。
このプラットフォーム性が重要視される理由は、1つの治験が失敗しても会社全体の価値がゼロにならないというリスク分散と、複数の疾患に対して同時にパイプラインを展開できる収益の拡張性を投資家に想起させるためです。
共通点②|大手製薬企業との提携
バイオベンチャーにとって、世界のメガファーマ(大手製薬会社)との共同研究やライセンス契約は、単なる資金調達以上の意味を持ちます。
高度に専門的なバイオ技術の価値を一般の投資家が判断するのは困難ですが、大手製薬企業が数億円から数百億円の契約一時金を支払って提携を決めたという事実は、その技術に対する強力なお墨付きとして機能します。
これにより、技術への信頼性が市場で一気に高まり、機関投資家の資金も流入しやすくなります。
また、開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収益や、製品化後のロイヤリティ収益が見える化されることで、バイオ株特有の財務的不安が解消され、株価のプレミアムが正当化されやすくなります。
共通点③|低時価総額と浮動株の少なさが生む価格弾力性
上昇初期における時価総額の小ささは、テンバガー達成のための物理的な絶対条件といえます。
時価総額が数十億円から百数十億円程度の段階では、少額の買い注文でも株価が大きく動くため、材料が出た際の上昇率が極めて高くなります。
ここに、特定の創業者や提携先が株の大半を保有し、市場に流通する浮動株が少ないという需給バランスが加わると、買いが買いを呼ぶ形での暴騰が起こりやすくなります。
多くのテンバガー銘柄は、投資家がその存在を広く認識する前の、流動性が低く注目度が低い段階から静かに上昇を開始しています。
共通点④|期待の連鎖と承認プロセスに伴う心理的増幅
バイオ株の株価形成において、最も強力な原動力となるのが治験の進捗に伴う期待感です。
フェーズ1からフェーズ2、そして最終段階のフェーズ3へと試験が進むにつれ、成功確率は上昇し、それに比例して市場の期待値は指数関数的に膨れ上がります。
特に、既存の治療法がない難病を対象としている場合、承認が得られれば市場を独占できるというシナリオが投資家の間で共有され、株価は業績という現実を置き去りにして跳ね上がります。
この期待先行型の相場では、ポジティブなニュースが出るたびに「次のステップも成功するはずだ」という心理的な連鎖が起こり、承認期待がピークに達する瞬間に株価も歴史的な高値を記録することになります。
テンバガーを狙ったバイオ株投資のコツ

テンバガーを狙うバイオ株投資において、成功の確度を高めるための実践的な判断基準を、技術、提携、リスク管理、情報の4つの観点から詳述します。
プラットフォーム技術の有無とパイプラインの広がり
投資対象を選別する際、単一の疾患を対象とした新薬候補だけでなく、複数のパイプラインを継続的に生み出す土台となる基盤技術(プラットフォーム技術)の有無を確認することが重要です。
特定のタンパク質を標的とする独自の探索技術や、有効成分を患部へ効率的に届けるデリバリー技術などは、一つの疾患で治験が失敗しても、技術そのものの価値が失われないという耐性を持ちます。
さらに、対象とする市場の規模が数千億円を超えるなど、実用化された際の収益インパクトが時価総額に対して十分に大きいかを見極める必要があります。
大手企業との提携の質と資金的裏付け
世界のメガファーマとの提携実績は、専門的な評価が困難なバイオ技術に対する客観的な裏付けとなります。
ここで注視すべきは提携の有無だけでなく、契約一時金の規模や、開発の進捗に応じて支払われるマイルストーンの条件です。
大手企業が多額の資金を投じることは、徹底したデューデリジェンスを経た結果であり、技術の信頼性を担保します。
また、バイオベンチャーにとって資金繰りは死活問題であるため、次のマイルストーン達成まで追加の増資なしで活動を継続できるだけの現預金(キャッシュ・ランウェイ)を保有しているかも、株価の急落を避けるための必須の確認項目です。
バイオ株特有のバイナリーリスクと需給の把握
バイオ株は治験の成否によって企業価値が決定的に左右されるバイナリーリスクを内包しています。
治験の成功が確実視され、期待がピークに達した段階で投資を行うと、好材料の発表と同時に「事実売り」による高値掴みを招く危険があります。
そのため、治験のフェーズ(段階)に応じた成功確率と、現在の株価に織り込まれている期待値の乖離を冷静に判断しなければなりません。
特に、需給面では信用買い残の状況を確認し、将来の売り圧力となっていないかを注視することが不可欠です。
情報開示の透明性と出口戦略の徹底
過去のIR活動を分析し、経営陣の言動と実績の整合性を確認することも重要です。
開発スケジュールの遅延が発生した際の開示姿勢や、データの出し方に一貫性がある企業は、投資家の信頼を得やすく、株価の底堅さに繋がります。
投資実行に際しては、短期的な材料による急騰を追うだけでなく、治験データ発表や承認申請といった重要イベントを節目とした明確な利確・損切りのルールを設定しておくべきです。
中長期の成長シナリオを維持しつつも、期待が過熱した局面では部分的に利益を確定させるなど、資金効率を意識した管理が求められます。
【テンバガー期待】注目のバイオ株

ここからは最新の研究開発状況を確認した上で、将来的にテンバガー(株価10倍)を達成する可能性があるバイオ株を紹介します。
オンコリスバイオファーマ(4588)腫瘍溶解ウイルスによるがん治療
オンコリスバイオファーマは、テロメラーゼ活性を標的とした腫瘍溶解ウイルス療法を主軸に据える創薬ベンチャーです。
主力パイプラインであるテロメライシン(OBP-301)は、食道がんなどの固形がんを対象とした放射線併用療法であり、標準的な治療が困難な症例への新たな選択肢として期待されています。
食道がんの治療薬市場は、2024年の約4,488億円から2032年には約9,114億円まで拡大する見通しであり、市場環境は追い風となっています。
開発の進捗については、2025年12月18日に国内での製造販売承認申請を先駆け審査指定制度のもとで行いました。
今後は規制当局であるPMDAによる照会対応を経て、承認の可否とその時期が焦点となります。
承認が得られた後は、薬価収載から販売開始、そして初年度の売上立ち上がりへと進む計画です。
ハートシード(219A)iPS細胞技術を用いた心不全向け再生医療
ハートシードは、iPS細胞技術を応用して重症心不全向けの再生医療を開発する企業です。
開発中のiPS由来心筋球を用いた心筋補填治療は、心機能を根本から回復させる可能性を秘めています。
重症心不全の治療市場は2023年時点で約1.18兆円という極めて大きな規模を誇ります。
主力開発品のHS-001は、開胸手術によって心筋内へ直接投与する手法をとっており、第I/II相試験であるLAPiS試験では全10例の投与が完了しました。
現在は安全性と心機能改善に関する追跡結果の公表が待たれる段階です。
並行して、カテーテルでの投与を可能にする次世代型のHS-005についても、2025年11月にPMDAの治験届30日調査を完了しました。
今後は虚血性心疾患や拡張型心筋症を対象としたEMERALD試験の開始と、症例登録の進捗が注目されます。
GNIグループ(2160)日中を跨ぐ創薬と堅実な収益基盤
GNIグループは、日本と中国を中心に医薬品の開発から販売までを一貫して手がける創薬企業グループです。
既に特発性肺線維症(IPF)治療薬のアイスーリュイを展開しており、2024年時点で約5,637億円規模とされるIPF治療市場において確固たる収益基盤を築いています。
次なる成長の柱として期待される肝線維症治療薬のF351(ヒドロニドン)は、中国での第3相試験において主要評価項目を達成しました。
今後は中国での承認申請や審査の進展に加え、米国市場への展開も本格化します。
2025年第3四半期には米国での新薬臨床試験開始届(IND)の提出を予定しており、同年後半にはMASH線維症を対象とした第2相試験の開始が見込まれています。
ラクオリア創薬(4579)導出モデルによるグローバルな収益化
ラクオリアは、疼痛や炎症領域を対象とした低分子創薬を行うベンチャー企業です。
自社で創製した化合物を製薬会社へ導出し、マイルストーンやロイヤルティを受け取るビジネスモデルを採用しています。
胃食道逆流症(GERD)の治療市場は約7,827億円の規模があり、同社の技術が介在する余地は多分にあります。
主力パイプラインのtegoprazanは、既に世界21カ国で販売承認を取得しており、2026年1月9日には米国提携先のセベラ社がFDAへ新薬承認申請を提出しました。
既存の治療薬であるPPIに対して優越性を証明できる可能性があり、米国での承認は2027年1月頃と予測されています。
今後は審査の節目ごとに発生するマイルストーン収入や、将来的なロイヤルティ収益の確度が投資判断の重要な指標となります。
キャンバス(4575)難治性がんに挑む独自の細胞制御技術
キャンバスは、抗がん剤開発に特化したバイオ企業であり、細胞周期制御に着目した独自の低分子化合物を開発しています。
特に治療難易度が高いとされる膵臓がんを対象としたパイプラインを有しており、同市場は2024年時点で約4,473億円の規模に達しています。
開発中の免疫着火剤CBP501は、膵臓がんの3次治療を対象とした第2相試験で主要評価項目を達成し、欧州でのオーファンドラッグ指定も取得しました。
米国でも試験開始の承認を得ていますが、現在は欧州での第3相試験の開始申請と当局への対応を最優先する戦略をとっています。
欧州で得られたデータを活用し、米国での追加試験なしでの承認を目指す方針であり、試験の開始可否と症例登録のペースが次なる重要な局面となります。
まとめ|高い技術を有する企業の大手製薬会社との関係に注目!

バイオ株がテンバガーを達成するためには、いくつかの明確な条件が存在します。
最大のポイントは、画期的な新薬や治療法といった将来の業績を大きく変える可能性を持つ技術やパイプラインを有していることです。
加えて、大手製薬会社との共同研究やライセンス契約などを通じて、資金調達力や信用力を高めている企業は、期待が株価に反映されやすい傾向があります。
また、上昇初期に時価総額が小さく、値動きが軽いこともテンバガー達成には重要な要素です。
治験成功や承認期待といった明確な材料が出た際、投資マネーが一気に流入しやすく、短期間で株価が数倍に跳ね上がるケースが多く見られます。
一方で、期待先行になりやすい分、治験結果次第では急落するリスクも高く、テンバガー条件と同時にリスク管理の重要性も意識しておく必要があります。
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執筆者情報
日本投資機構株式会社 アナリスト
大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト。

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