eスポーツ市場は、国内外で急成長を遂げており、世界的な注目を集めています。動画配信・大会・スポンサーシップなど多様なビジネスモデルが生まれ、上場企業も参入を加速中。
これから投資を始める初心者にとっても、大きなチャンスが眠るテーマです。本記事では、eスポーツ業界の最新動向と将来性、注目の関連銘柄を詳しく紹介します。
■eスポーツは世界的に急成長する市場

近年のゲーム業界では、「自分でプレイして楽しむ」だけでなく、「他人のプレイを観戦する」という新たな文化が世界中に広がっています。この潮流は、従来のスポーツにおける観戦文化と同じように発展しており、プロゲーマー同士の真剣勝負を見守るeスポーツが、ひとつの“観るエンターテインメント”として確立されつつあります。
TwitchやYouTubeといった配信プラットフォームの普及が追い風となり、競技としてのゲーム=eスポーツが国際的に注目される存在へと成長しました。実際、アメリカ・中国・韓国などでは数万人規模の観客を動員するeスポーツ大会も珍しくなく、選手にはスポンサー契約や賞金、プロチーム所属など、従来のスポーツに匹敵する待遇も用意されています。
今後もこの流れは続くとされており、2025年以降も世界的に右肩上がりの成長が予測される分野として、eスポーツ市場は一層の拡大が見込まれています。
世界のeスポーツ市場は年々拡大中
eスポーツとは、プロ選手たちが対戦型のビデオゲームで競い合う「デジタルスポーツ」のことです。2024年時点では、世界全体の市場規模がすでに約20億ドル(約3,000億円)を超えており、2028年には30億ドル(約4,500億円)に達するという予測もあります。
参入企業の増加・スポンサー獲得が追い風に
eスポーツは、ゲーム会社だけでなく、通信会社・広告代理店・イベント会社など、幅広い業界の企業が参入している注目分野です。特に、大手企業がチームや大会のスポンサーになることで、選手の活動が支えられ、業界全体の信頼性と安定性が高まっています。
世界的な大会では、スポンサーからの出資により総額数億円規模の賞金プールが用意されるケースもあり、これが選手のプロ化を促進し、長期的なキャリア形成にもつながっています。
こうした背景から、eスポーツは一時的なブームではなく、本格的な成長産業として多くの投資家に注目されているのです。
eスポーツは今後の成長が見込める投資対象

先述の通りeスポーツは一時的なブームではなく、中長期的な成長が見込まれる新たなエンターテインメント産業として、国内外の投資家から注目を集めています。競技人口の拡大、視聴者数の増加、広告収入やスポンサー契約の伸びといった複数の要因が重なり、業界全体として大きなポテンシャルを秘めていることが特徴です。
特に日本では、ゲーム大国という土壌を活かし、大手企業や自治体も巻き込んだeスポーツイベントが増加傾向にあります。最近では教育・地方創生・高齢者支援といった文脈でも取り上げられることが増え、社会的な認知度も上昇しています。
Z世代の生活に深く根付いた「新しいスポーツ文化」
今の10代~20代を中心としたZ世代では、テレビよりもスマホや動画配信サービスで過ごす時間が圧倒的に長くなっています。そうした中で、ゲームやeスポーツ観戦は日常の一部になりつつあり、まるで「サッカーや野球のように見るもの」として定着し始めています。
プロリーグの活性化や国際的な競技化が進行中
日本国内でも「VALORANT Challengers Japan」などの公式プロリーグが立ち上がり、安定した競技環境が整備されています。また、2023年のアジア競技大会では、eスポーツが正式なメダル種目として採用されたことから、世界中でその競技価値が急上昇。
eスポーツ関連銘柄はイベント次第で急騰する

eスポーツに関連する企業は、大会開催や提携発表などを材料に短期間で急騰するケースが多く、テーマ株としての側面も強く持っています。
急騰材料は「大会・提携・新サービス発表」が主軸
eスポーツ関連株が大きく値上がりするタイミングには共通点があります。それは、注目度の高い大会の開催発表や、業界大手との資本業務提携、新しいeスポーツ関連サービスの開始といったニュースが出た直後です。
とくに株式市場では、テーマ性と話題性が重なるタイミングに資金が集中しやすいため、大きな値動きにつながりやすくなります。
過去2倍急騰のブロードメディア(4347)

クラウドゲーム「Gクラスタ」を展開しており、eスポーツの配信インフラとしても期待が寄せられました。
2023年にはNTTドコモ系の企業と連携を発表したことが材料視され、株価が約2倍まで急騰しました。
eスポーツ支援で注目されたサイバーエージェント(4751)

グループ会社CyberZがeスポーツ黎明期から「DetonatioN Gaming」や「SCARZ」など国内有力チームへの支援を行い、動画配信や広告領域とも連動した立ち回りで注目されてきました。
特に2019年~2021年にかけては、ゲーム事業やAbemaTV、メタバースなど複合的な材料とeスポーツ文脈が絡み合い、株価は約2.5倍(約2,000円 →5,000円台)まで上昇しました。現在は大会主催などからは距離を置いていますが、業界全体の活性化と連動して再評価される場面もあります。
プロチーム運営で存在感を示すアカツキ(3932)

eスポーツ実業団「Team UNITE」の創設や、Apex Legends部門を持つプロチーム「PULVEREX」の運営など、アカツキはIPビジネスを土台にした新領域開拓を進めています。
特に2016年の上場後から2017年にかけて、『八月のシンデレラナイン』などのIP強化と合わせて、株価は一時5倍超(公開価格1,930円 → 約10,000円越え)を記録。その後は波があるものの、eスポーツへの本格参入が報じられた2022年前後にも再び注目が集まりました。
eスポーツ関連銘柄への投資は“誤解”や“過信”に注意

将来性の高さで注目されるeスポーツ関連株ですが、表面的なイメージだけで投資判断を下すのは危険です。実際には「eスポーツ」と銘打たれていても、事業のごく一部でしか関与していないケースや、収益源としてはほとんど貢献していない銘柄も多く存在します。
「ゲーム関連=eスポーツ関連」とは限らない
eスポーツと聞くと、ゲーム企業全般が関わっているように見えるかもしれませんが、すべてのゲーム会社がeスポーツ事業に力を入れているわけではありません。
たとえば人気ゲームの開発会社でも、大会運営や選手支援を行っていなければeスポーツ関連とは言えない場合もあります。投資対象の企業がどこまでeスポーツに関与しているか、事業内容を丁寧に確認することが重要です。
テーマ性だけで飛びつかず、業績と財務もチェック
eスポーツというキーワードだけで株価が注目されることもありますが、実際に業績や財務が安定していなければ、長期での株価上昇は難しいです。
IR資料や決算説明書を見ると、どれくらいeスポーツ領域に投資しているのか、実際の売上や利益にどれほど影響しているのかが分かります。「将来性があるから買う」ではなく、「現実的な収益に結びついているか」を意識する視点が必要です。
今“買い候補”として注目すべきeスポーツ関連銘柄

実際にeスポーツ事業へ注力し、成長期待のある企業を個別解説付きで紹介します。企業ごとの特徴や成長ドライバーを把握することで、納得感のある投資判断が可能になります。
ブロードメディア(4347)

クラウドゲーム配信に強みを持つ中堅企業です。通信大手NTTグループと提携しており、低遅延のストリーミング技術を活かして、eスポーツ大会の技術基盤を提供しています。
また、教育向けクラウド教材などにも展開を広げており、学校教育の中でeスポーツが広がる流れとも親和性が高く、中長期的な成長が期待できる銘柄です。
カプコン(9697)

「ストリートファイター」シリーズで有名な世界的ゲーム会社。自社IPを活用したプロリーグを主催するなど、eスポーツの盛り上げに積極的です。
従来のパッケージ販売からダウンロード中心のビジネスモデルに移行しており、イベントで注目を集めることでゲーム販売も加速するという好循環が形成されています。
コナミグループ(9766)

家庭用ゲームからアーケードまで幅広く展開する大手ゲーム企業で、eスポーツ事業に国内で最も積極的な企業の一つです。「eBASEBALL プロリーグ」「遊戯王デュエルリンクス」「パワプロ」などの人気タイトルを活かし、公式大会の開催やプロリーグ運営に注力。自社で専用スタジオも設置しており、eスポーツを軸としたエンタメビジネスの拡大が期待されています。
その他のeスポーツ関連注目銘柄
ネクソン(3659) | 東証プライム | 人気オンラインゲーム多数。eスポーツ事業を強化中で、グローバル対応の成長力が期待される企業です。 |
サイバーエージェント(4751) | 東証プライム | CyberZが過去にプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」や「SCARZ」とスポンサー契約を結ぶなど、eスポーツ市場の支援実績を持つ。 |
ミクシィ(2121) | 東証プライム | モンストを軸にeスポーツ大会開催経験あり。再度関連IPでの展開に意欲的です。 |
Jストリーム(4308) | 東証スタンダード | 動画ライブ配信インフラを提供し、eスポーツの配信基盤として役割を担う企業です。 |
eスポーツ市場の将来展望は極めて明るい

eスポーツは「一時的な流行」ではなく、世界中で本格的に広がっている新しい産業です。今後も長期的に成長していくことが期待されています。
eスポーツは“観て楽しむ”時代へ進化している
かつては「ゲームはプレイして楽しむもの」というイメージが強かったですが、今ではプロの選手がゲームで競い合う姿を“観戦”して楽しむという文化が定着しつつあります。
YouTubeやTwitchなどの動画配信サービスでは、eスポーツの大会をリアルタイムで見ることができ、世界中のファンが熱狂しています。
特に10代・20代の若年層からの人気が高く、これから視聴者はさらに増えると予想されています。
世界のeスポーツ市場は今後さらに大きくなる
海外の調査会社「Newzoo(ニューズー)」によると、世界全体のeスポーツ市場規模は、2027年までに5,000億円を超える見込みだと発表されています。
この数字には、大会のスポンサー収入や広告だけでなく、オンライン配信、関連グッズの販売、イベントチケットなど、さまざまな収益源が含まれています。
つまり、eスポーツは単なる“ゲームの競技”ではなく、複数の産業を巻き込んだ大きなビジネスの中心になりつつあるということです。
まとめ| eスポーツは将来性のある注目テーマ株、ただし見極めも重要
eスポーツは今後の日本株投資において注目すべき成長テーマの一つです。若年層を中心とした支持層の広がり、企業のマネタイズ手段の多様化、配信技術との融合といった複数のトレンドが重なっており、息の長い投資テーマになる可能性があります。
ただし、単なるゲーム関連企業をeスポーツ銘柄と誤認しないよう、事業構造や収益の中身をしっかり確認しながら銘柄選定を進める必要があります。
テーマ性だけで判断せず、実際に成長性や収益性を伴った企業を見極める視点が重要です。テーマ株としてeスポーツ関連企業に注目しつつ、中長期での成長を見込んだ投資戦略を検討してみてください。
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執筆者情報
編集部
INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。