ユニクロ柳井氏とソフトバンクG 孫氏の収入源の秘密

2022年の第1位は、ファーストリテイリング(ユニクロ)の会長である柳井正氏の資産額「3兆500億円」…、第2位はキーエンスの名誉会長である滝崎武光氏の「2兆7920億円」…、第3位はソフトバンクグループの会長である孫正義氏の「2兆7270億円」と、億単位ではなく「兆」単位の資産を保有しています。フォーブスが発表する、この名物ランキングは毎年驚かされるものです。

 

 では、いったいどうしたら….「3兆円」もの資産を築けるのか?実は、このランキングに登場する人物の多くに共通している点があります。それは「創業した会社を上場させている」という点です。そのことからも、創業した会社を上場させることが、莫大な資産を築く一つの手段であることに疑う余地はないと思います。

 

 彼らは創業時に発行した自身の会社の株を保有していますので、株式市場に上場することで、その株の価値が高まり、そこからさらに事業を拡大して成功させていくことで、株式の価値がぐんぐん上がっていきます。そのことからも、彼らが保有している資産の大半が自身の会社の株式であることが容易に推察できるかと思います。

 

柳井氏も孫氏も役員報酬はランク外

 

 ただ、ここで一つ不思議なことがあります。それは、例えば長者番付第3位の孫氏の場合、2022年3月期の役員報酬は「1億円」しか受取っていません。長者番付1位のユニクロ柳井氏でさえも、2021年8月期の役員報酬は「4億円」に留まっています。では、なぜ創業者として今も現役で活躍している両名とも、役員報酬の額がそれほど高くないのに、2兆、3兆円という莫大な資産を築けているのでしょうか?

 

役員報酬以外に、もう一つの収入源が…

 

 なぜなら、彼らは役員報酬以外に「もう一つの収入源」を持っているからなんです。「えっ!?彼らが副業しているの?」なんてことはもちろんありません。「どこかの会社に名前貸しをしている」なんてことも、もちろんありません。

 

 彼ら二人が持っている、もう一つの収入源とは…「配当金収入」です。両者とも役員報酬以外に、例えば2020年度の決算後に、柳井氏は「105億7700万円」、孫氏は「193億3300万円」の収入を得ています。

 

収入=「報酬+株主配当」

 

 つまり、彼らの収入は「働いて得る報酬」と「配当金収入」を合算したものなのです。だから、役員報酬だけで見ると、日本の上場企業の中では、トップ50位にも入りませんが、この配当金収入を合わせると、彼らが一気にトップに躍り出るのです。まさに、これが「配当金のパワー」と言えます。

 

配当金のパワー

 

 もちろん、ここまでの株数を保有するのは、巨額な資金が必要なので、なかなか難しいかもしれません。

 

 しかしながら配当は、少ない額の積立であっても、時間をかけて株数を増やせば増やすほど、増えていきます。例えば、配当金が入ったら、それで買い増しをする。こんなことを続けていくと、例え株価が大きく上昇しなくても、配当で利益を獲得することも狙えます。

 

 日本株の中にも、配当貴族と言われる配当金が良い銘柄もあります。そういった銘柄を狙って株の長期保有を続ければ、ここまで大きな話にならなくとも、一つの新たな収入源にはなり得るでしょう。

 

 株式を短期的に売買して利益を狙うのも一つの方法ですが、配当金を狙い長期保有するのも一つの戦略です。ぜひ、このような視点も入れて、あなたのポートフォリオに組み込んでみてはいかがでしょうか。

日本投資機構 編集部

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INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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