株で儲けるには、どのタイミングで買わなければいけないのか?

株式情報 投資戦略 日本株 2022.11.07

日本投資機構 編集部 日本投資機構 編集部

今回は買いの中でも「いつ、どんなタイミングで買うのが効果的か」を考察していきましょう。早速ですが、下図のどの地点で買うのが最も儲かりやすいかを考えてみます。

 

どの地点で買うのが最も儲かりやすい?

 

買い地点①は株価トレンドの概ね平均値付近で買うケースです。

買い地点②は株価が上昇トレンドを形成していることを確認して買うケースです。

買い地点③は株価が下落トレンドを形成していることを確認して買うケースです。

 

 

これらの3つの地点の、どこで株を買うのが最も効果的なのでしょうか?

 

地点①は、これから株価がどう動くかが分からないので身動きが取りづらい印象がありますし、地点②は、株価は上昇トレンド中なので買いが有利にも見えますが高値掴みは避けたい局面ですし、地点③は、株価は安値圏にありそうですが、下落トレンド中にあるため更に安値を更新してしまう恐れが考えられます。

 

あなたは、どの地点が最も儲かりやすいと思いましたか?

その答えを、投資の「想定期待リターン」を使って考えていきます。

 

 

 

株は、いつ、どんな時に買うと想定期待リターンが高まるのか?

 

株を買う時に、期待できるリターン(利益)と、失うリスク(損失)の可能性を検討することで、それぞれのタイミングで買う場合の想定期待リターンが比較できます。

 

 

各地点の想定期待リターン(上昇期待値・下落リスク)を図に表すと上図の通りです。

 

図の右側に、それぞれの買った位置から見た上昇余地(期待値)を赤色の矢印で、下落余地(リスク)を青色の矢印で表しています。

 

 

これを見ると、買い地点①のケースの想定期待リターンは、上昇余地と下落余地がほぼ同じくらいなのが分かります。

この取引では、得られる利益と失う損失の可能性がほとんど同じ=勝敗は五分五分程度だと考えられますので、「買いと売りのどちらが有利かは判断できない」と言えます。

 

 

 

 

 

買い地点②のケースは、上昇余地に対して下落余地が非常に大きいことが分かります。

 

これは、買いで得られる利益よりも、失った時の損失の方が大きいケースと考えられますので、「ここで買うのはリスクが大きい」と判断できます。

 

 

 

 

買い地点③は、下値余地に対して、上値余地が非常に大きいケースです。

 

このケースでは、買った場合に得られる利益の可能性の方が、失った場合のリスクよりも大きいと考えられます。そのため、「ここで買えば、リスクよりも期待リターンが大きい局面」だと判断できます。

 

つまり、③の地点である「下落トレンド中に株を買う」ことこそが、最も期待リターンが高まる「効果的な投資行動」だと考えられるのです。

 

一般的には、株価が下落している時や暴落中に買うのは、「落ちるナイフを掴むな」などと言われ、リスクが大きい行為だと認識されています。

 

投資家心理的にも勢いよく下がっている株に買いを入れることは不安に感じることでしょう。

 

しかし、「株価の変動と想定期待リターンの変化」という関係で投資の効果を検証すると、上記のように「株価が下がっている局面」こそ、その株で得られるであろう「想定期待リターン」が最大化することが判明するのです。

 

これは、例え優良株を買えたとしても買うタイミング(地点)によっては、リターンが大きい場合もリスクが大きい場合もあるということを意味しています。

 

そのため、株で勝ち組になるには、ただ単に優良銘柄を買うだけでは不十分で、その株をいかに割安な局面(≒下落局面)で買えるかが、勝ち負けを左右する分かれ道になると言えるでしょう。

 

 

結論:下落相場は「買い」で立ち向かうのが効果的!
暴落は、優良銘柄を割安で仕込めるチャンス!

 

※株価が一定の値幅、もしくは右肩上がりの環境においての考察になりますので、それ以外のケースでは例外が発生する可能性がございます。

株式情報 投資戦略 日本株 2022.11.07

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INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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