キオクシアは買うべきか?上昇した理由と今後の株価見通しをアナリストが徹底解剖

キオクシアは買うべきか?上昇した理由と今後の株価見通しをアナリストが徹底解剖

NAND型フラッシュメモリ市場のリーダーであるキオクシアホールディングスの株価が、歴史的な上昇を見せています。
2024年12月18日の新規上場時における公開価格1,455円から、2026年2月13日の高値2万4,420円まで株価は1年2か月で約15.8倍になりました。
短期間で多くの投資家が憧れるテンバガーを達成しています。

生成AIの普及に伴ってデータセンター向け需要が右肩上がりで増え続けており、これが株価を押し上げています。
しかし、高値圏での不安定な値動きも見られており、上昇がまだ続くのか気にされている方も多いのではないでしょうか

そこで今回は、最新の決算データと市場予測に基づき、キオクシアの今後の展望を詳細に解説します。

目次

キオクシアの直近の業績と上昇要因

キオクシアが2月12日に発表した26年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結決算では、売上収益が前年同期比1.8%減の1兆3,347億7,600万円となりました。
当期純利益も同41.8%減の1,467億5,600万円にとどまり、一見すると精彩を欠く内容です。

しかし、市場は結果を前向きに受け止め、発表後の株価は高値を更新する動きを見せました。

26年3月期第3四半期(10-12月)に業績は急拡大

株価上昇の理由は、26年3月期第3四半期単体(10-12月)の急速な業績拡大にあります。
この時期の売上収益は5,436億3,100万円に達し、前年同期比で20.8%もの大幅な伸びを記録しました。

さらにキオクシアは、26年3月期通期の当期純利益が4,537億5,600万円から5,137億5,600万円の範囲になる見通しと発表しました。
前年度の実績である2,723億1,500万円と比較すると、最大で88.7%増を見込んでいます。
第4四半期単体(1-3月)では、昨年が202億6,700万円だった当期純利益が最大で約17倍の3,670億円に伸びる見通しです。

上期が大幅な減益になったのにも関わらず、下期にはとんでもない増益率を達成する見通しなのです。
このように、四半期ごとに見違えるほど収益が伸びるのは、極めて稀な例だと思います。

キオクシアの業績が劇的に伸びている理由

キオクシアは24年3月期に市況悪化の影響を受け、2,437億2,800万円の大幅な純損失を計上しました。
しかし、徹底した在庫調整と生産調整が実を結び、25年3月期には黒字に浮上。

26年3月期には、販売単価の上昇と出荷量の拡大が同時に進み、収益が急回復に向かいました。
谷が深かった分、回復と成長も急激なものになっています。

共同投資がもたらすライバル社とのコスト差

キオクシアは、米ウエスタンデジタルとの共同投資体制を構築しています。
岩手県や三重県の工場における設備投資や研究開発費を折半しているのです。
そのため、単独で巨額投資を行う韓国のサムスン電子やSKハイニックスと比較して、1ビットあたりの製造コストを低く抑えられます

ライバル社がシェア拡大のために過剰な設備投資を行う局面でも、キオクシアは投資効率を優先して固定費を抑制してきました。
こうしたコストへの強い意識が、今の好況下で利益を最大化させる原動力になっています。

北上工場の高付加価値戦略と製品別利益率

キオクシアの成長を支える中核拠点が岩手県の北上工場です。

北上工場では、独自のCBA(CMOS directly Bonded to Array)技術が採用されています。
一般的にメモリは同一の基板上で回路とメモリ部分を同時に形成しますが、CBAはこれらを別々の専用基板で製造し、後から精密に貼り合わせる技術です。
この手法によって、データを保存するスペースを最大限に広げつつ、読み書きのスピードも極限まで高められます

2025年から稼働を開始した第2製造棟(Fab2)では、この技術を駆使して218層の第8世代製品を量産しています。
さらに2026年内には332層に達する第10世代製品の量産も予定されており、1枚の基板から得られる記憶容量は旧来の製品より59%も向上する見通しです。

AIデータセンター向けに必要となる大容量のメモリを生産する企業として、キオクシアは欠かせない存在になっているのです。

キオクシアには世界の投資家の資金が流入!

【285A】キオクシアホールディングス 週足チャート 2024年12月16日~2026年2月20日
※チャートはTradingViewより引用

株価を語る上では、業績だけではなく需給も重要になります。
現在のキオクシアは上場来高値圏に位置しており、上値が軽いのは勿論のこと、海外の機関投資家からの資金も流入していると考えられます。

グローバルな資金がキオクシアを選ぶ理由

海外投資家は、日本市場において生成AIの恩恵を直接受ける銘柄を厳選しています。
キオクシアは世界シェアで上位に位置し、米国のテック企業とも深い取引関係があるため、米国の半導体株と同様の成長株として評価されています。

2026年2月第2週の投資部門別売買動向では、海外勢が日本市場全体で1兆2,323億円を買い越しました。
そのなかでもAI関連の大型銘柄として、キオクシアには世界中の機関投資家から巨額の資金が流入していると考えられます。

日本の頂点に立つ巨大企業として評価

現在のアナリスト予測をまとめたコンセンサスでは、キオクシアの27年3月期の税引前利益は2兆1,700億円に達する見通しです。
なかには3兆3,000億円という極めて強気な予想も存在します。

日本屈指の優良企業であるトヨタ自動車の26年3月期の純利益予想は、直近の上方修正を受けて3兆5,700億円とされています。
自動車業界のトップであるトヨタの利益規模に迫るところまで、キオクシアの収益が急拡大する可能性があるのです。

もちろん、時価総額や事業規模には依然として大きな差があります。
しかし、単年度の利益創出能力において日本を代表する稼ぎ頭と肩を並べる可能性が意識され、多くの投資家にとっての見逃せない存在になっていると考えられます。

キオクシアへの投資で警戒すべきリスク

キオクシアは高い期待を集めていますが、その一方で、メモリ産業特有のリスクには十分な警戒が必要です。
半導体メモリはシリコンサイクルと呼ばれる激しい景気変動の影響を受けやすく、需給バランスが少しでも崩れると価格が急落する特性を持っています。

キオクシアの株価下落につながり得る3つのリスク

今後注意すべきリスクは、主に3つあります。

まずは、供給過剰に陥るリスクです。
各メーカーが市況の良さに乗じて一斉に増産へ踏み切った場合、いずれは供給過剰に陥るリスクがあります。
競合メーカーが技術力を上げ、供給量を増やしてくる可能性も無視できません。

2つ目のリスクは、27年3月期についてアナリストによる強気予想が相次ぎ、株価が期待を織り込み始めていることです。
2兆円や3兆円といった数字が独り歩きしている現状では、わずかでも予測を下回る兆候が見えた際、失望売りが殺到する懸念があります。

さらに、為替相場の変動もリスクとして挙げられます。
キオクシアは輸出比率が高いため、想定以上の円高が進行すれば円建ての利益が目減りします。
2026年のマクロ経済環境において、金利動向に伴う為替の振れ幅が業績の不透明感を高める場面も想定されます。

まとめ|上昇余地はまだあるが、リスク管理も重要に

キオクシアはNAND価格の回復とAI需要を追い風に、力強い成長局面へ入りました。北上工場での増産が本格化する2026年は、収益性が飛躍的に向上する大きな転換点となるでしょう。

株価の上昇余地は依然として大きいものの、メモリ特有の急激な市況変化には警戒が必要です。
最新のスポット価格や高付加価値製品への移行状況を見極めつつ、時間分散を取り入れるなどリスク管理を徹底するスタンスが、投資の成功を左右する鍵となります。

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執筆者情報

nari

金融ライター K.Y

金融ライター

2016年大手証券会社に入社、2018年に最大手オンライン証券会社に入社し、機関投資家部門(ホールセール)を立ち上げ、翌年2019年には同社シンガポール拠点設立。2022年より日系証券会社の運用部にてポートフォリオマネジャーの経験を得て以降、一貫して運用業務に従事。

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