注目の成長テーマ「ドローン」関連銘柄|拡大する市場と有望銘柄をわかりやすく解説!

注目の成長テーマ「ドローン」関連銘柄|拡大する市場と有望銘柄をわかりやすく解説!

急成長を遂げる「ドローン」市場は、今や新たな産業革命の核として注目されています。

物流、農業、建設、防災、エンタメといった幅広い分野で実用化が進み、政府の支援や規制緩和の追い風もあって、関連企業への投資妙味が高まっています。

本記事では、ドローン関連銘柄に注目する個人投資家や初心者の方々に向けて、「なぜドローンが注目されるのか」「どの企業がチャンスか」「投資時の注意点」まで、わかりやすく解説します。

目次

■「ドローン物流」本格運用開始で株式投資でも注目の成長テーマ!

ドローン(無人航空機)とは、人が乗らずに遠隔操作や自動で飛行できる小型の飛行機のことで、テレビの空撮映像や災害現場の調査、農薬の散布、さらにはAmazonが実験する「空からの荷物配送」など、様々な分野で活用が広がっています。

●ドローンが担う「新しい物流インフラ」

2024年から、一部の地方都市でドローンによる医薬品の配送が実用化され始めています。これにより、山間部や離島などの交通が不便な地域でも、必要な薬や医療物資をすばやく届けられるようになりました。

人手不足や高齢化が進む中、ドローンは空の配送ルートという新たなインフラとして期待されています。

●農業・建設現場でも活躍する自動化ツールに

物流だけでなく、農業や建設分野でもドローンの活用が加速しています。たとえば、農業ではドローンを使って農薬を自動で散布したり、作物の生育状況を上空から可視化することで、作業の効率化が進んでいます。

●「レベル4飛行」解禁で商用化が進展

2022年に日本の法律が改正され、「レベル4飛行」というドローンの新しい運用ルールがスタートしました。

これは人が住んでいる地域の上空を、遠隔操作だけでドローンが飛べるようになったという大きな変化です(それまでは人がついていないと飛ばせませんでした)。

このルール変更によって、ドローンを使った医薬品の配送や災害時の物資運搬などが、より実用的なビジネスとして動き出しています。

●ドローン活用による労働力不足の解消

特に農業や建設現場では深刻な人手不足が問題化しており、ドローンを使った効率化が進め今の日本では、農業や建設の現場で人手不足が深刻な問題になっています。そこで注目されているのが、ドローンによる作業の自動化です。

人が行っていた作業を、ドローンが代わりに担うことで、作業の効率がアップし、人手不足を補えるとして、今後さらに利用が広がると考えられています。

■株価が急騰した代表的ドローン銘柄

2022年以降は、「レベル4飛行」の解禁や国の実証事業への参画といった材料が特に注目され、関連銘柄が短期間で急騰するケースも相次ぎました。

ここでは、過去に大きな値上がりを記録した代表的なドローン関連銘柄を紹介します。今後の相場動向やテーマ株投資のヒントとしても参考になるでしょう。

●【3914】JIG-SAW

2019年7月~2022年7月までの月足チャート Tradingviewより引用

2020年末から2021年初頭にかけて5G関連や自動制御技術への期待感から買いが集まり、わずか数カ月で株価が約3倍に急騰した実績があります。ドローン単体のみならず、インフラや通信と組み合わせた高度な制御領域での成長余地が意識されています。

●【2303】ドーン

2019年7月~2021年9月までの月足チャート Tradingviewより引用

クラウド型の地理情報システム(GIS)に強みを持つ企業で、防災・セキュリティ分野において、ドローン映像や位置情報のリアルタイム配信を行うプラットフォーム「Live119」を展開。自治体や消防などの公共機関向けに導入が進んでおり、ドローン×防災のインフラ銘柄として知られています。

2020年にはこうした事業分野への注目が集まり、株価は大きく上昇。特に「空飛ぶクルマ」関連の展示会出展や、自治体との防災実証などが材料視され、一時的に高値をつける場面もありました。

■ドローン関連銘柄へ投資する際には収益への影響をしっかり見極めよう

ドローン関連株は将来性の高さから注目されやすい一方で、実際の業績や収益への影響が小さい企業も少なくありません。

株価が“期待先行”で動きやすいテーマ株だからこそ、どの程度ドローン事業が企業の本業に貢献しているかを見極める視点が欠かせません。ここでは、投資判断の際に気をつけたい2つの重要ポイントを解説します。

●「将来性だけで判断するのは危険」ドローン関連株は“思惑買い”に注意

ドローンは未来のインフラともいえる技術ですが、株式市場では「将来有望」という期待だけで株価が先に上がることがあります。これを「思惑買い」と呼びます。

しかし、その後に「思ったほど業績につながっていない」と判断されれば、株価が急落するリスクもあるのが特徴です。

ドローン関連株は、将来的な成長ストーリーに魅力がある反面、短期的な値動きが大きくなりやすいテーマ株でもあります。投資する際は、思惑だけに飛びつかず、冷静に企業の内容を見極めることが大切です。

●「本業ではないドローン参入企業」にも注意!

ドローン関連のニュースで取り上げられている企業の中には、ドローンを本業としていない会社も多く含まれています。

たとえば、建設会社が「ドローンを使って工事現場を撮影しています」と発表した場合でも、その会社の売上全体から見ればごく一部の取り組みにすぎない場合があります。

投資を考える際は、「この会社にとって、ドローンはどれくらい重要な事業なのか?」「売上や利益への影響はどのくらいあるのか?」といった点を、企業のIR情報や決算資料を通じて確認しておくことが重要です。

■【注目ドローン関連企業】これから成長が見込まれる銘柄を厳選紹介

ここでは、今後の社会課題や技術進展を背景に成長が期待される企業を中心に、注目すべき銘柄をいくつか紹介します。

●【6232】自律制御システム研究所(ACSL)

2022年12月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

国産ドローンの開発・製造を行っており、物流・点検・防災など幅広い分野に機体を供給しています。2024年にはNTTドコモとレベル4飛行の共同実証も成功させ、官公庁案件でも採用実績あり。自社開発の画像認識技術や制御ソフトも強み。

●【218A】Liberaware

2024年7月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

鉄道やトンネル、消防シーンなど狭小空間でのドローン活用に特化。行政との協働実践により、安全・災害対応で社会実装実績あり。

●【278A】Terra Drone

2024年11月~2025年8月までの月足チャート Tradingviewより引用

東京証券取引所グロース市場へ2024年11月に上場した業界を代表する企業。UTMシステムやインフラ点検、農業用途のソリューションを提供。アラムコとの実証・商用案件で中期大規模収益を見込む。

●その他のドローン関連注目銘柄一覧

銘柄名市場企業概要
【6778】アルチザネットワークス東証スタンダード5G通信対応機器メーカー。ドローン通信網の整備に向けて実証実験へ参加。
【2303】ドーン東証スタンダード災害対策向けのドローン運用プラットフォームを提供。消防・自治体への納入実績あり。
【4394】エクスモーション東証グロースドローン制御系ソフトの開発支援を行うエンジニアリング企業。開発実績豊富。
【9416】ビジョン東証プライムドローンによる観光映像配信に注力。訪日観光復活でプロモ需要拡大。
【6619】ダブル・スコープ東証プライムドローン搭載バッテリーに使用されるセパレーター(電池素材)を製造。

■ドローンは“空のインフラ”へと進化中|国の後押しで導入が本格化

今や空撮やホビー用途だけのものではなく「社会インフラ」としての役割が期待される重要な技術に進化しています。ドローンは単なるガジェットではなく、国策としての成長テーマとして投資家からも強く注目されている分野なのです。

●国の成長戦略として「空の産業革命」が始まっている

国土交通省や経済産業省は、ドローンを活用した「空の産業革命」に向けて法整備や予算支援を進めており、2025年以降には各自治体や民間企業での導入が一気に広がると見られ、地域課題を解決する分野といった公共性の高い領域から、導入が加速しています。

今後の予算投下や規制緩和も見据えれば、ドローンを活用した事業モデルを持つ企業には、大きなビジネスチャンスが訪れると期待されています。

●日本製ドローンが海外市場でも選ばれ始めている

ドローン分野における日本企業の強みは、精密技術や安全性の高さです。GPSが届かない屋内やトンネル内でも正確に飛行できる制御技術、強風に耐える軽量ボディ、外部からのハッキングを防ぐセキュリティ対策などは、日本の製造技術ならではの優位性です。

これらの技術は、通信環境が不安定な発展途上国や、災害対策が急務な国々で非常に高く評価されており、東南アジア・欧州を中心に導入が拡大しています。

今後は、海外市場でのライセンス提供や機体の輸出といった形で、日本のドローン関連企業が収益を伸ばしていく可能性も十分にあります。

■まとめ|“未来”ではなく“今”注目すべき成長分野!

ドローンという技術は、もはや実験段階ではありません。社会課題を解決する実用的なツールとして、いま現場で活躍し始めています。物流の隙間を埋め、農業の省力化を助け、インフラの点検や災害対応にも対応できる――まさに、これからの社会に不可欠な存在です。

投資家にとって重要なのは、こうした「構造的に広がっていく成長テーマ」を見逃さないこと。そして、その中で“本当に価値ある企業”を見極める目を持つことです。

●“テーマ株”として話題性は十分! でも選ぶ際は冷静に

ドローンは将来性の高いテーマであり、話題になりやすいため、短期的に株価が大きく動くこともあります。しかし、そのぶん“期待だけが先行して、業績が伴っていない企業”も混ざっているのが実情です。

だからこそ、「ドローン事業がどれくらい本業に貢献しているか?」「売上や利益に影響しているか?」という点をしっかりと見極めて投資することが大切です。

●実用化+実績+将来性の3点でチェック!

投資の際は、ただ「ドローンに関わっているから」という理由だけで飛びつくのではなく、

・すでに社会で使われている実績があるか?

・ドローン関連の売上・利益が会社にとって大きな柱になっているか?

・将来的にも技術的な強みが続くと考えられるか?

という3つの視点で企業を選ぶことが、長期的な成果を上げるためのカギになります。

ドローンは、もはや夢物語ではなく「今まさに広がっている現実の成長市場」です。これからの日本や世界にとって必要不可欠なインフラ技術となる可能性を秘めており、しっかりと銘柄を見極めれば、有望な投資先として期待できるテーマです。焦らず冷静に、チャンスを探していきましょう。

執筆者情報

nari

INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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