韓国証券取引所(KRX)に上場する世界最大級の半導体・電子機器メーカーであるサムスン電子(Samsung Electronics)の時価総額が、2026年5月に1兆ドル(約154兆円)を突破しました。
しかし、サムスン電子の株を日本の個人投資家が買いたいと思っても、「韓国株ってどうやって買うの?」「どの証券会社を使えばいいの?」と戸惑いがちです。
そこで、AIブームを追い風にした急成長が注目を集める今、サムスン電子の購入手順と最新の業績・見通しを合わせて解説します。
サムスン電子の株を買う方法|SBI証券で購入可能

日本の個人投資家がサムスン電子の個別株を買う場合、SBI証券がもっとも有力な選択肢です。
SBI証券は韓国株の取り扱い銘柄数が国内最多水準で、サムスン電子(銘柄コード:005930)の個別株をウォン建てで取引できます。
2026年5月18日時点でのサムスン電子株価は28万1,000ウォンで、日本円にすると約2万9,830円です。
SBI証券では1株から取引が可能で、韓国取引所(KRX)の取引時間中(9:00~15:30)はリアルタイムでの取引が可能。
時差もないため、外国株式の口座を保有していれば、気軽に取引できます。
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外国株口座がない場合は指数ETNが選択肢
外国株の口座がない場合、NEXT 韓国KOSPIダブル・ブル(2033)といったETN(Exchange Traded Note:上場投資証券)への投資を行うのも手です。
これは韓国の株価指数であるKOSPI200(韓国取引所に上場する大型・代表的な200銘柄で構成される指数)の1日あたりの値動きの2倍に連動する投資成果を目指す商品です。
韓国市場では2026年5月現在、SKハイニックスとサムスン電子のKOSPIに占めるウェートは45%に達しています。
そのため、指数に投資するだけでもこれらの銘柄への投資に近い効果が期待できます。
ただし、ETNは、発行体である金融機関が「この指数に連動する価格で償還します」と約束する債券です。
裏側に現物資産を持っているわけではなく、発行体の信用力に依存する商品である点に注意が必要です。
そのため、発行体が破綻した場合、指数が上がっていても元本や利益が守られない可能性があります。
また、2倍の運用成果を目指すといっても、「対象指数の1日あたりの騰落率の2倍」を目指す商品であって、長期間で指数の2倍になる商品ではありません。
そのため、上げ下げを繰り返す相場では不利な商品と言え、長期投資にはあまり向いていません。
ADR(米国預託証券)上場の可能性も
ADR(米国預託証券)とは、外国企業の株式を米国市場で取引できるように設計した金融商品です。
現在サムスン電子はADR上場していませんが、2026年3月25日には韓国半導体大手のSKハイニックス(000660.KS)が、年内のADR上場に向けた届出書を米証券取引委員会(SEC)に非公開提出したと発表しています。
サムスン電子もこれに続く可能性があります。
ADR上場によって米国の投資家が簡単に投資できるようになれば、株価にもポジティブなインパクトが期待されています。
ただし、ADRの場合にも為替リスクは無視できず、株価が上がってもウォン安・ドル高が進むと、ADRのドル価格は伸びにくくなります。
サムスン電子の基本情報|日本株と何が違う?

購入を検討する前に、サムスン電子の基本的な投資情報を把握しておきましょう。
銘柄コードや取引所の違い、韓国ウォンと円の為替変動が損益に直結するリスクなど、日本株とは異なる点がいくつかあります。
銘柄コード・取引所・最低購入金額
サムスン電子の主要な投資情報は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード(普通株) | 005930 |
| 銘柄コード(優先株) | 005935 |
| 上場取引所 | 韓国証券取引所(KRX) |
| 株価(2026年5月18日) | 28万1,000ウォン |
| 52週値幅 | 5万3,700〜29万9,500ウォン |
普通株と優先株の違いは議決権の有無で、優先株は議決権がない代わりに配当が優遇されています。
個人投資家の多くは普通株(005930)を購入します。
韓国ウォンと円の為替リスクを理解しておく
韓国株への投資では、株価の変動に加えてウォン/円の為替変動が損益に影響します。
ウォン高円安なら円換算の利益が増え、ウォン安円高なら株価が上がっていても円換算での損失が出る場合があります。
たとえばサムスン電子株を1ウォン=0.105円のときに購入し、株価が10%上昇したとしても、その後ウォン/円レートが0.095円まで下落すると円ベースではほぼ損益ゼロに近くなります。
韓国ウォンは日本円に比べて変動幅が大きく、特に米韓金利差や地政学リスクに敏感に反応するため、注意が必要です。
韓国株の配当の落とし穴
韓国株の配当は年2回(中間・期末)が基本ですが、配当金は韓国で15.4%の源泉徴収税が引かれ、さらに日本側でも課税される「二重課税」の仕組みになっています。
確定申告で外国税額控除を適用すれば一部取り戻せますが、手続きが必要な点を覚えておいてください。
情報の壁(韓国語・ハングル中心)
韓国株投資で最初にぶつかる壁が情報の言語バリアです。
サムスン電子の公式IR資料や決算説明資料の多くは韓国語で作成されており、英語版や日本語版の提供は限定的です。
日本語の個人投資家向けツールでは韓国株の情報取得に制限があり、ニュースもリアルタイムで追いかけにくい側面があります。
Google翻訳などを活用しながら原文に当たる習慣をつけるか、英語版のBloombergやロイターで情報収集する体制を作っておくことをおすすめします。
2026年最新業績|営業利益756%増・時価総額1兆ドル突破

サムスン電子は2026年に入り、業績が急激に拡大しています。
26年第1四半期(1-3月)の営業利益は前年同期比756%増の57.2兆ウォンに急増し、四半期単体で2025年通年の営業利益をすでに上回りました。
この業績回復を受け、2026年5月6日には株価が前日比14%以上の急騰を記録し、時価総額が韓国企業として初めて1兆ドル(約154兆円)を突破しました。
アジア企業で時価総額1兆ドルを達成したのは台湾のTSMCに次いで2社目の快挙です。
26年第1四半期|半導体部門が利益の94%を占める急回復
26年第1四半期の決算では、半導体部門(Device Solutions部門)の営業利益が53.7兆ウォンと、全社利益の94%を占めました。
前年同期比では約48倍という伸びで、メモリ半導体の価格上昇と出荷増が主因です。
一方でモバイルおよび家電部門の利益は、部品コストの上昇などにより前年同期比で40%近く縮小しました。
四半期EPS(1株あたり純利益)は7,123ウォンで、市場予想(5,906ウォン)を大きく上回っています。
設備投資は過去最高水準に積み上がっており、今後の減価償却費の増加が利益を圧迫するリスクも同時に顕在化しています。
HBM(高帯域幅メモリ)需要の爆発的拡大が牽引
今回の業績急回復の核心にあるのが、HBM(高帯域幅メモリ、High Bandwidth Memory)の需要爆発です。
HBMとは、AIサーバーや高性能GPUに搭載される特殊なメモリで、通常のDRAMより数倍〜十数倍の速度でデータを処理できます。
ChatGPTやGeminiなどの生成AIを支えるデータセンターには大量のHBMが必要で、世界中のAI投資ブームが需要を急増させています。
サムスン電子はDRAM・ファウンドリ・先端パッケージングを自社内で一貫生産できる「垂直統合」体制を持つ唯一のメーカーで、この強みが競合との差別化につながっています。
サムスン電子自身の需給予測では、メモリの供給不足は2027年まで続くとされており、高収益が続く「スーパーサイクル」への突入を市場が確信しています。
アナリストが見るサムスン電子の今後|強気予想の根拠と注意点

世界の機関投資家やアナリストは、サムスン電子をどう評価しているのでしょうか。
2026年5月時点のコンセンサス(複数のアナリストの意見の集約)は「強い買い」で、目標株価の平均は現在の株価を大きく上回っています。
ただし、強気材料ばかりでなく、注視すべきリスクも複数存在します。
投資判断をする前に、強気の根拠とリスクの両面を確認してください。
平均目標株価32万ウォン超・37人中36人が「買い」
Investing.comのデータ(2026年5月13日時点)によると、サムスン電子をカバーする37人のアナリストのうち36人が「買い」または「強い買い」と判断しており、「売り」判断は0人です。
12カ月先の平均目標株価は32万1,576ウォンとなっています。
ゴールドマン・サックスは2026年3月に目標株価を20万5,000ウォンから26万ウォンに引き上げており、SK証券は5月7日付のレポートで目標株価を50万ウォンに大幅上方修正しました。
SK証券のレポートでは、2026年の営業利益見通しを338兆ウォン、2027年は494兆ウォンと強くの予測がされており、メモリ市場の構造的な利益向上への信頼を根拠に挙げています。
メモリ供給不足は2027年まで続くとの見方
アナリストが強気な最大の根拠は、メモリの需給逼迫が中期的に続くとの見通しです。
DRAMの価格は2026年中に前年比2倍以上に上昇すると予測するアナリストもおり、価格上昇トレンドの収束は2027年後半以降と見られています。
AIの進化に伴い、GPUやサーバー1台あたりのメモリ搭載量が構造的に増え続けているためです。
次世代規格「HBM4」の本格普及も控えており、サムスン電子はHBM4の最下層チップに自社最先端の4nmプロセスを採用する計画を進めています。
DRAM価格の上昇率が前年比20%を下回るか、HBM需要の伸び率が30%未満に落ちた場合は利益ピークが近づいているサインとも言われており、この指標を定期的に確認することが重要です。
モバイル事業の減益・労使対立が下落リスク
強気材料が多い一方で、無視できないリスクも複数あります。
第1に、モバイルおよび家電部門の利益が26年第1四半期で前年同期比40%近く縮小しており、スマートフォン事業の収益回復が見通しにくい状態です。
半導体部門への集中依存は、メモリ価格が急落した場合の全社業績への打撃も大きくします。
第2に、2026年5月時点でサムスン電子と最大の労働組合との賃金交渉が決裂し、大規模ストライキのリスクが高まっています。
過去の事例では、ストライキ長期化が工場稼働率に影響し株価を大きく下押しした経緯があります。
第3に、株価が1年で4倍超に急騰したため、短期的な利益確定売りが出やすい水準にある点にも注意が必要です。
まとめ|サムスン電子の株の買い方と今後の見通し

サムスン電子の株を日本の個人投資家が買う場合、SBI証券での個別株購入がもっとも有力です。
外国株口座がない場合は、ETNへの投資も代替手段になりますが、ETN特有のリスクもあり、長期投資にはあまり向いていません。
為替リスクを考慮した上で、投資を行う必要があります。
サムスン電子は、37人中36人のアナリストが「買い」としており、平均目標株価は32万1,576ウォンです。
HBM需要の爆発と供給不足が2027年まで続くとの予測を根拠に、世界的に注目を集めている状況です。
一方でモバイル事業の減益、労使問題、急騰後の利益確定売りリスクは注視が必要。
業績、為替、メモリ市況、労使交渉の進展を確認しながら、自分のリスク許容度に合った方法で投資を検討してみてください。

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執筆者情報
金融ライター
2016年大手証券会社に入社、2018年に最大手オンライン証券会社に入社し、機関投資家部門(ホールセール)を立ち上げ、翌年2019年には同社シンガポール拠点設立。2022年より日系証券会社の運用部にてポートフォリオマネジャーの経験を得て以降、一貫して運用業務に従事。

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