任天堂Switch2関連株の本命は?サプライヤー株からゲーム株まで投資戦略を紹介

任天堂Switch2関連株の本命は?サプライヤー株からゲーム株まで投資戦略を紹介

2025年6月に発売された「Nintendo Switch 2」は、歴代任天堂ハードの中でも群を抜く普及スピードで市場を席巻しています。
発売初週で世界350万台を突破し、任天堂本体の収益はもちろん、サプライヤーや周辺機器メーカー、ソフト株まで幅広い企業群に波及効果をもたらしています。

この記事では、Switch 2関連株の本命候補や注目企業、投資戦略を整理し、初心者にも理解しやすく解説します。

目次

任天堂Switch 2関連株が市場の注目を集める

任天堂は、2025年に約8年ぶりとなる新しいゲーム機「Switch 2」を発売。
世界中で大人気だった初代Switchの後継機であるSwitch2の発売は、ゲーム業界全体に大きな変化を起こす「一大イベント」として注目を集めました

Switch 2が売れれば、任天堂はもちろん、部品を作っているサプライヤー、ゲームソフトを作っている会社、そして販売店まで、多くの企業の業績拡大に寄与します。

発売サイクルが生む“イベント需要”

任天堂Switch 2のような大型ゲーム機の発売は、約5~7年に一度という長期の製品サイクルの転換点であり、株式市場にも大きなインパクトを与えます。
そのため投資家は、新たなゲーム機の発売前から、関連銘柄を先回りして物色する傾向があるのです。

関連銘柄への買いは、新製品の部品調達、製造委託、流通、ソフト開発といったサプライチェーン全体で発生する実需に基づいており、数年間にわたっての経済効果の持続が期待されます。
特に、高性能化したSwitch 2は、初代Switchユーザー(約1.5億人)の大規模な買い替え需要を喚起しています。

自社ソフト拡充とハード普及の相乗効果

Switch 2関連株のテーマ性を強固にしているのは、ハードの高性能化だけでなく、任天堂が展開する強力な自社IP(知的財産)戦略です。
任天堂は、ハード発売初期から『マリオ』や『ゼルダ』といったキラータイトルの戦略的な投入を進めており、自社ソフトがSwitch 2の販売を強力に牽引する「火付け役」となる期待ができます。

ハードの販売が増えれば、連動して部品メーカーの収益が伸び、さらにハードが普及することで、今度はソフトメーカーの市場が拡大するというポジティブな相乗効果が生まれます。
ソフトとハードが相互に高め合うビジネスモデルこそが、任天堂関連株を単なる一時的なテーマに留まらせない要因です。


任天堂Switchの好調な販売で物色の裾野が広がる関連株

Switch 2が発売初週で世界350万台を突破したという販売実績は、市場の期待を裏切らない実需の裏付けと言えます。
好調なスタートは、任天堂が設定した年間出荷目標達成への確度を高めるだけでなく、サプライチェーン全体の強気な生産計画の維持につながります。

量産移行で部品需要が一斉拡大する構造

ゲーム機がヒットすると、その影響は特定の企業に留まらず、サプライチェーン全体に波及し、物色の裾野が一気に広がる特徴があります。

Switch 2が発売され、本格的な量産体制に移行すると、本体を構成するカスタムIC、メモリ、コネクタ、ディスプレイ、バッテリー、コントローラー部品など、多様な部品に対する需要が一斉に拡大します。
この段階で、部品を供給する複数のメーカーの業績予想が上方修正される可能性が高まるため、投資家は「任天堂関連」という広範な括りで銘柄を物色します。

特に、Switch 2は初代機から大幅に高性能化しているため、使用される部品の単価(ASP)が上昇している場合があります。
一部の企業は、単なる数量増だけでなく、売上単価の上昇という二重の恩恵を受けているとみられます。

予約・販売データが株価モメンタムを加速させやすい

Switch 2関連株の株価は、実際の予約数や販売データ、そして市場調査機関のレポートといった具体的な数値によって、勢いが加速しやすい傾向があります。

例えば、「発売初週の世界販売台数が350万台を突破」といった報道は、関連企業の業績期待を一気に高め、株価を急騰させるトリガーとなります。

従来のテーマ株が思惑や期待によって動くのに対し、Switch 2関連株は、こうしたデータが定期的に市場に供給されるため、投資家は期待を具体的な数字で確認しやすいです。
データに基づいた上昇は、短期トレーダーだけでなく、中長期の成長性を評価する投資家層も引き寄せる強力な要因となっています。


初代Switch期にも本体・サプライヤー・ソフト株に物色

今から8年ほど前に初代Switchが発売された時も、今のSwitch 2と同じような株価の動きが見られました。
過去の経験は、今回のSwitch 2相場で「どの会社の株が、いつ上がりやすいか」を予測するのに非常に役立ちます。

特に、初代Switchの販売時には、発売直後の部品メーカーの株が先に上がり、その後、本体が普及してからソフトメーカーの株が大きく上がるという「時間差」があった点に注目したいです。

任天堂本体は「自社ソフトの当たり」で上振れしやすい

初代Switchの相場を振り返ると、任天堂(7974)の株価が大きく飛躍したのは、ハード発売直後だけでなく、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『あつまれ どうぶつの森』といった自社ソフトが大ヒットしたタイミングでした。

キラータイトルはハードの販売を再加速させ、結果として、高収益のデジタル販売(ダウンロード販売やDLC)の比率を高め、利益率の改善に貢献するのです。

つまり、任天堂の株価は、ハードの出荷計画達成に加えて、「自社ソフトがどの程度ヒットするか」に左右されます。
自社ソフトのヒットは市場予想を上回る業績上振れにつながりやすく、これが株価を押し上げる最大のサプライズ要素となるのです。

部品株は「採用確度×数量レバー」でサイクル上昇が起きやすい

初代Switch相場においては、ミネベアミツミ(6479)やホシデン(6804)などの部品株が、新ハードへの「採用確度」の高さと、販売台数という「数量レバー」の大きさが組み合わさる形で急騰しました。

一度、部品メーカーが任天堂の主要サプライヤーとして認定され、その部品が新型機に採用されることが確実になると、ハードの販売台数が増加するたびに、彼らの部品の受注量が自動的に増える構造となります。
この構造は、景気循環株に見られるような、業績と株価が連動して上昇する「サイクル相場」を生み出します。

テーマ人気ゆえのボラティリティと情報精度の見極めが必須

任天堂Switch 2のような人気テーマ株は、市場の熱狂的な注目を集める分、株価のボラティリティが高くなりやすいです。

特に、ネット上には無数の「思惑情報」が飛び交い、それらに基づく株価の一時的な急騰・急落が頻繁に発生します。
冷静な投資判断を下すためには、こうしたノイズと真実を区別する「情報精度の見極め」が不可欠です。
一時的な熱狂に流されずに、冷静に投資タイミングとポジションをコントロールすることを意識しましょう。

“採用思惑”と“採用確定”を区別する

任天堂Switch 2関連株は、人気ゆえに情報のノイズも多く、投資家は情報の精度を厳しく見極める必要があります。

特に株価を大きく動かしやすいのが、特定の企業がSwitch 2に「部品を供給しているのではないか」という「採用への思惑」です
しかし、思惑だけで急騰した銘柄が、後に正式な情報で採用されていないことが判明すると、一気に急落するというリスクがあります。

本当に重要で投資に値するのは、すでに「採用が確定」しているか、実績から採用が極めて確実な主要サプライヤーです。
投資家は、企業IRや信頼できる専門メディアの分析に基づき、思惑と確定を厳密に区別する姿勢が不可欠です。

需給ピーク(発売直前~直後)の過熱と反動安に警戒

Switch 2関連株は、発売日が近づくにつれて、市場の期待が最高潮に達し、株価も需給的なピークを迎える傾向があります。
多くの投資家が「買うなら今しかない」と集中するため、株価は実態以上の水準まで過熱しがちです。

しかし、「材料出尽くし」という言葉に象徴されるように、実際に発売されると、一旦利益を確定しようとする売り圧力が強まり、株価が急反落する「反動安」を引き起こすリスクがあります。
短期的な過熱相場に巻き込まれないためには、発売直前の時期を短期的な利食いのタイミングと見なしましょう。

その後は年末商戦や四半期決算といった中期的な業績貢献の時期を見据えて、冷静にポジションを調整する戦略が重要になります。

【任天堂Switch2関連注目銘柄】サプライヤーからソフトメーカーまでご紹介

Switch 2関連株に投資する際は、部品メーカー、ソフトメーカーなど、いくつかの種類の株にバランス良く分けて投資するのがおすすめです。

高感度で業績連動性が高い部品メーカー、ハード普及後に飛躍するソフトハウス、そして流通面で恩恵を受ける小売業という異なる収益ドライバーを持つ銘柄を組み合わせるのです。
分散により、テーマ全体の上昇トレンドを逃すことなく、かつリスクを分散しながらリターンを追求できます。

【本命】任天堂(7974)—収益ドライバーは自社ソフトと出荷計画

2017年7月~2025年10月までの月足チャート Tradingviewより引用

任天堂(7974)は、Switch 2というハードの成功を通じて、その収益力を最大限に高める主役企業です。

株価を動かす最大のドライバーは、新ハードの年間出荷計画と、それに伴う自社ソフトのラインナップと販売動向です。
Switch 2の発売により、ハード販売による一時的な収益だけでなく、デジタルダウンロードやサブスクリプションサービス「Nintendo Switch Online」といった高収益のデジタルコンテンツの売上増加が期待されます。

投資家は、四半期ごとの決算発表で開示されるハードの販売進捗と、特にデジタル売上比率の向上、そして今後のソフト投入予定に注目し、同社の構造的な収益力の変化を評価する必要があります。

【部品】ホシデン(6804)—任天堂依存度は55.5%

2016年11月~2025年10月までの月足チャート Tradingviewより引用

ホシデン(6804)は、コネクタやスイッチ、通信部品といった、ゲーム機の基幹部品を長年にわたって任天堂に供給してきた実績を持つ主要サプライヤーです。

初代Switchの成功期にも株価が大きく上昇した経緯があり、Switch 2でも主要な部品採用が期待されています。

同社の株価は、任天堂のハード生産台数に極めて連動しやすいという特性を持っており、Switch 2の販売が好調に推移すれば、部品の受注増加による売上と利益の成長加速が見込まれます。

特に、Switch 2の量産体制が本格化するタイミングや、任天堂による部品発注のニュースは、同社の株価モメンタムを左右する重要な情報となります。

【小売・ソフト】カプコン(9697)—新作ソフトへの期待広がる

2017年2月~2025年10月までの月足チャート Tradingviewより引用

カプコン(9697)は、『モンスターハンター』や『バイオハザード』など、世界中で大人気のアクションゲームを作っているソフト会社です。

Switch 2が高性能になったことで、カプコンは今まで以上にクオリティの高い新作を出せるようになります。

ソフトメーカーの株価が本格的に上がるのは、本体発売から少し遅れて、新作ソフトが大ヒットした時です。
カプコンはすでに強力な人気ゲームを持っているので、今後Switch 2向けの新作が発表・発売されるタイミングに注目が集まります。

その他の任天堂Switch関連株


銘柄名市場企業概要
【6753】シャープ東証プライムLCD供給を公式発表、確度の高い関連銘柄
【6770】アルプスアルパイン東証プライムJoy-Con部品供給、短期急騰の常連
【6479】ミネベアミツミ東証プライムApple取引もあり安定性、Switch採用実績多数
【6750】エレコム東証プライムSwitch 2アクセサリ展開、発売初期特需を享受
【9684】スクウェア・エニックスHD東証プライムFF・DQブランド復権、Switch 2対応期待

任天堂Switch 2関連銘柄は今後好調にも期待

Switch 2関連株の熱狂は、発売後もすぐに冷めるわけではありません。
むしろ、「発売後の展開」こそが重要になってきます。

今後も、次々と発表される新しいソフトや、本体の機能を拡張する周辺機器の発売によって、テーマは長く続くことが期待されます。

さらに、オンラインサービスやダウンロードコンテンツ(DLC)の収入が増えることで、任天堂やソフトメーカーの安定した利益が増え続けるという、長期的な成長も見込まれます。

投資家は、この大きな流れを捉えるために、目先の株価の動きだけでなく、長期的な「ゲームの進化」にも目を向ける必要があります。

発売後のソフトラインアップ増強と周辺機器拡張で裾野が広がる

Switch 2相場のテーマは、発売直後に終わるわけではありません。
発売後も、サードパーティを含むソフトラインアップの継続的な増強は、ハードの販売を継続的に下支えします。

さらに、新しい機能や性能に対応した周辺機器(コントローラー、ドック、アクセサリなど)の拡張が市場に投入され、再び関連メーカーに新たな収益機会が生まれます
周辺機器を製造・販売する企業や、ソフト開発が加速することで恩恵を受ける開発支援ツールやミドルウェア提供企業など、物色の裾野は時間をかけてさらに広がり、テーマの寿命を長期化させることが期待されます。

二次波(周辺機器・DLC・オンライン課金)でARPU底上げ

ハードの初期販売による「一次波」が落ち着いた後、次に市場の注目を集めるのが、「二次波」と呼ばれる継続的な収益源の拡大です。
これには、新作ソフト発売後のDLC(ダウンロードコンテンツ)販売、オンラインマルチプレイを可能にするサブスクリプション(オンライン課金)の会員数増加、そして周辺機器の買い増しが含まれます。
これらは、ユーザー一人当たりの平均売上(ARPU)を底上げし、任天堂およびソフトハウスの利益率を安定的に高めます。

二次波の拡大は、ハードの販売サイクルに左右されにくい安定成長のテーマとなり、長期投資家にとって魅力的な要素となるのです。

為替・関税・供給制約などマクロ要因のプラス/マイナス両面

任天堂Switch 2関連株の動向を分析する上で、マクロ経済の要因は避けて通れません。
部品メーカーの多くが享受している円安は、業績を押し上げる大きなプラス要因ですが、急激な円高への反転は業績予想を大きく下方修正させるリスクとなります。

また、Switch 2の生産が滞りなく進むかどうかは、半導体や電子部品の供給制約に大きく左右され、これが株価の不安定要因となり得ます。
さらに、グローバルな貿易環境の変化、特に米国の関税動向は、製造コストに影響を及ぼします。

投資家は、これらのマクロ要因をプラス面とマイナス面の両方から冷静に評価し、テーマの短期的な加熱に流されないよう注意が必要です。


まとめ

任天堂Switch 2関連株は、約8年ぶりの大型ハード刷新という稀有なイベント性と、初代機の成功が裏付ける実需を伴う業績成長が融合した注目テーマです。

株価上昇は、任天堂本体の戦略、部品メーカーの採用確度、ソフトハウスのキラーIP投入という三位一体の要因に支えられています。
短期的な需給の過熱や「思惑」によるボラティリティに注意を払い、「採用確定」情報や販売実績といった具体的なデータに基づいて、中長期的な視点から冷静に優良銘柄を選別することが、利益獲得の鍵となります。

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執筆者情報

nari

江口 裕臣

日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)

著名な元機関投資家や経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーより培った知識と経験を基に、数多くの市場動向の予測や個別銘柄の動向をピンポイントで分析。銘柄の推奨実績において社内の月間最高勝率記録を持つテクニカルアナリスト。

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