【2025年9月の大注目IPO銘柄】オリオンビール(409A)を徹底解説!

【9月の大注目IPO銘柄】オリオンビール(409A)を徹底解説!

2025年9月25日に、オリオンビール(409A)という注目の会社が東証プライム市場に上場します。

オリオンビールといえば沖縄ビールの代名詞的存在であり、実際に飲んだことがある方も多いと思われます。知名度が高いということはIPOで重要な点であり、個人投資家の注目が集まれば、値動きも大きくなると見ています。

つまり、上場後のセカンダリー投資でも大きな利益を狙えるチャンスがあるということです。今回は、同社の「ブランド力」、「事業内容」、「配当政策・株主優待制度」を整理し、オリオンビールは利益を狙える銘柄なのか?

詳しく解説していきたいと思います。

目次

オリオンビールを取り巻く市場環境とブランド力

まず最初に、押さえておくべきポイントはビール・飲料市場の環境です。

国内ビール市場は成熟しつつも、プレミアム化・クラフト・多様化で新たな需要が出ている点が重要です。

2024年時点での日本ビール市場規模は約3〜4兆円規模と大きく、プレミアム化や付加価値商品の伸びが見られます。

沖縄ブランドとして圧倒的シェア

同社のオリオンビールは「沖縄ブランド」というポジションを有していることから、地域ブランドとしての強い成長余地を持っていると考えられます。

沖縄県内での飲用シェアが圧倒的で、観光客にとっては「沖縄で飲むべき地元ブランド」の象徴ともいえます。

観光需要の増加が売上にダイレクト寄与

ホテル・居酒屋・観光施設などでの提供比率が高く、訪日外国人にとっても「沖縄の地ビール=オリオン」の認知が浸透しており、観光体験の一部になっている点が強みです。

2025年も訪日客数は過去最高を更新する見通しであり、沖縄観光はその恩恵を受けると考えられることから、沖縄ブランドで観光需要を取り込んでいける企業であると言えるでしょう。

オリオンビールは歴史あるビールメーカー

同社は1957年創業のビールメーカーで、沖縄を中心に絶大なブランド力を持っています。

主力製品は「オリオン ザ・ドラフト」をはじめとするビール類であり、沖縄の居酒屋・ホテル・観光地では圧倒的なシェアを誇ります。

さらに近年は、アサヒビールとの提携による国内外販売網の拡大や台湾・アジア市場への輸出強化、クラフトビール・チューハイ市場への参入などにより、成長ドライバーを複数確保しています。

大型テーマパーク 「ジャングリア沖縄」 への土地賃貸、出資も実施

2025年7月に沖縄北部で開業した大型テーマパーク「ジャングリア」は開業初年度から数百万人規模の来場が見込まれており、その成功は同社に安定的な不動産収入と観光需要増による飲料販売拡大のメリットをもたらします。

つまり、同社は飲料事業にとどまらず、観光インフラ投資を通じた成長ドライバーも取り込んでいるのです。

オリオンビールの業績を確認

2026年3月期の業績は、売上高が前期比4.3%増の301億円、経常利益が同9.9%増の37.8億円と増収増益の見通しです。

収益の柱は明確に「酒類」で、観光・ホテルは売上の約2割を占めていますが、利益率は低めとなっています。現状は酒類事業の高い採算性がグループ全体の利益を支えています。

オリオンビールの配当政策・株主優待制度

同社は、安定配当を基本方針としつつ、業績に応じて柔軟に増配を検討するとしています。

上場後は、配当性向50%程度を目安に掲げており、成熟産業である酒類メーカーらしく、投資家に安定収益を還元していく姿勢です。

ビール需要は観光・インバウンドで堅調に推移するため、配当の持続性は高いと考えられます。

投資家目線では「高成長ベンチャー」ではなく、「地域ブランドを持つ中堅飲料株」として、配当+値上がり益の両取りが狙えるタイプです。

オリオンビールならではの株主優待制度

オリオンビール、発泡酒、チューハイ、ソフトドリンクなど自社製品の詰め合わせで、株数に応じて本数やセット内容が変わる優待形式を予定しています。

これは、ビール事業として同業のキリンやアサヒの株主優待に比べても地域性が際立っており差別化要因になります。

特に観光需要と連動してブランド価値が高まっている中、沖縄現地まで行かなくても、「沖縄ブランドの味」を体験できる優待制度は個人投資家の長期保有を促す仕組みとして機能しやすいでしょう。

上場後に株価上昇のチャンスはあるか?

それではここからは、実際に上場後にオリオンビールの株価が大きく上昇する可能性について、アナリスト目線で分かり易く解説していきます。

そのうえで、このIPOで注目すべきポイントは2つあります。

ポイント①抜群の知名度

沖縄ビールの代名詞的存在であり、直近では大型テーマパーク 「ジャングリア沖縄」 への土地賃貸、出資も実施していることから、知名度の高さは申し分ありません。

IPOでは、知名度の高さも重要であり、幅広い投資家から関心が寄せられるとみています。

投資家の関心が高いほど、上場直後は大きな流動性が生まれ、セカンダリー投資が有利になることもあります。

ポイント②公募価格のバリュエーションが割安

同業他社とされるのは、ビール類国内シェア首位級の酒類・飲料メーカーのアサヒや同じくビール類シェア国内首位級のキリンHDとなるでしょう。

PERで比較すると、アサヒは16倍、キリンHDは11.5倍となっているのに対し、オリオンビールのPERは10.5倍とやや割安な水準であると考えられます。

また、同社が観光需要、テーマパーク連携、沖縄ブランド力などの成長性をしっかり市場に示せれば、アサヒやキリンHDよりも高いPERを付けられる可能性があります。

(※株価指標は執筆時点)

オリオンビールの投資戦略

同社株に投資する上で重要なのは、IPOの基本情報だけでなく、大株主の動向や需給構造を見極めた上で、セカンダリー投資におけるタイミングとスタンスをどう取るかという視点です。

ここでは、IPOとしての魅力とリスク、そして実際に投資する場合の戦略について整理します。

オリオンビールの初値&基本情報

公開価格:840円
時価総額:346億円(公開価格ベース)
主幹事:野村証券

セカンダリーで狙うならここを見ろ!

大株主1位と2位はベンチャーキャピタルで、今回の上場で持ち分の87%(合計27,563,200株)を売り出します。

このため、投資ファンドのイグジット感が強くなることから、初値高騰の可能性は低いと考えられます。

また、プライム上場で食料品業となるため、上場直後はボラティリティが高まりますが、日を追うごとに出来高が減少していくと考えられます。

そのため、セカンダリーを狙うならまずは、初値がついてから3~5営業日くらいのイメージで臨むとよいでしょう。

また、初値が公開価格840円を超えるかには注目です。

初値が公開価格840円を下回るいわゆる公募割れとなってしまった場合、公募で買った投資家は即含み損となるので上値が重くなる傾向がある点には注意しておきましょう。

まとめ

同社のような観光・ブランド・地域特化の企業は、条件が良ければ成長率で大手同業他社を上回ることもできます。

さらに、同社が持つ「ブランド」「観光・インバウンド」「テーマパーク出資」などの複数のテーマは、大手にはない希少性であり、このような点が評価されればプレミアムが付く余地は十分にあるとみています。

以上のことから、同社株への期待は高く、初値次第では、非常に魅力的な存在になりそうです。

実際に寄り付き後のボラティリティは大きくなるかもしれませんが、IPO後のセカンダリー投資で大きな利益を狙えるチャンスになる可能性が高いです。

また、株主優待は沖縄企業ならではの特色を持ち、個性的であることから優待を楽しみにして購入するのもいいでしょう。

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執筆者情報

nari

遠藤 悠市

日本投資機構株式会社 投資戦略部 室長

大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト。

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