2026年1月、第216回通常国会での予算審議がいよいよ本格化します。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」は、単なるバラマキではなく、日本の産業競争力を再構築するための戦略的な投資へと舵を切りました。
特に注目すべきは、政府が指定した「重点17分野」への予算配分です。これまでの定番だった防衛や半導体にとどまらず、「造船」「量子コンピュータ」「合成生物学」といった分野がメインテーマへと昇格しつつあります。本記事では、予算案の数字から読み解く国策銘柄の選別術を詳しく紐解いていきましょう。
2026年度予算案は「国策銘柄」の宝庫となる

新年度予算案の公表は、政府がどの産業を「勝ち筋」と見ているかを公に宣言するイベントに他なりません。高市政権の積極財政は、国家の安全保障と経済成長を同一線上で捉える「経済安全保障」の深化が軸となっています。
「責任ある積極財政」が呼び水となり民間資金を動かす
高市政権は、政府支出を単なるコストではなく、民間投資を誘発する「呼び水」として定義しています。2026年度の予算規模が拡大することで、これまで投資を躊躇していた国内企業が、政府の強力なバックアップを背景に大規模な設備投資を開始するからです。
この連鎖が、関連銘柄の業績を長期的に押し上げる強力なファンダメンタルズを形成します。
予算の「継続性」が銘柄の期待値を底上げする
2026年度予算案の特徴は、単年度で終わらない長期的な投資スキームの構築にあります。重点17分野に対して数年単位の基金設置や税制優遇がセットで提示されるため、投資家は「来期以降の収益の透明性」を高く評価できるようになるでしょう。
これは、株価のPER(株価収益率)の評価が切り上がる、いわゆるリレーティングの根拠となります。
「造船」がメインテーマへ昇格する理由

これまで「伝統的な枯れた産業」と見なされがちだった造船業が、高市政権下では経済安全保障の最前線として脚光を浴びています。国防力の強化と、海洋国家としての物流インフラ維持がセットで予算化されるためです。
シーレーン防衛とセットで語られる国内造船の再定義
日本の海上物流を支える商船の建造能力を維持することは、安全保障上の至上命令となっています。2026年度予算では、有事の際の徴用も視野に入れた「多機能型商船」の建造支援や、自衛隊の艦艇ドックの拡充に巨額の資金が投じられる見通しです。
これにより、受注残高が数年先まで埋まる「スーパーサイクル」が本格化します。
環境対応船への補助金が中堅造船所の再編を促す
脱炭素化の流れを受け、アンモニア燃料船や水素燃料船の開発・建造に対する公的支援が強化されます。2026年は、これらの次世代船の実装に向けた大規模実証試験の予算が執行される年となります。
高い技術力を持ちながら資本力に欠ける中堅造船所が、政府系金融機関の支援や大手によるM&Aを通じて、一気に収益性を改善させるステージに入ります。
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「量子コンピュータ」が研究から実業へ移る節目

量子技術は、これまで「夢の技術」として語られてきましたが、2026年度予算ではいよいよ「産業実装」に主眼が置かれます。暗号通信の防衛や、新薬開発の高速化という具体的な国家ニーズが予算の裏付けとなるからです。
国家主導の「量子サプライチェーン」の構築が加速
政府は特定の海外メーカーに依存しない、純国産の量子コンピュータ・コンポーネントの整備を急いでいます。2026年度予算では、量子ビットの制御装置や超電導冷凍機など、周辺デバイスを製造する国内企業への直接支援が拡大します。
これは、装置の完成を待たずして、部品メーカーの売上が先行して立つ構造を意味しています。
金融・材料分野での「社会実装」への予算重点化
量子技術を実ビジネスに活用するソフトウェア開発への補助が、2026年から一気に拡充されます。特に、大規模なシミュレーションを必要とするメガバンクや化学メーカーが、政府の助成を受けて量子アルゴリズムの実装を開始する動きが目立ちます。
ハードウェア銘柄だけでなく、このインフラを使いこなす「サービス提供型」の銘柄にも投資の妙味が広がります。
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「合成生物学」が次世代の半導体となる日

バイオ技術とデジタルを融合させた「合成生物学」は、高市政権が掲げる経済安保の第3の柱です。石油由来の製品をバイオ素材に置き換える「バイオものづくり」は、資源輸入への依存を減らす究極の国策として予算が集中します。
バイオファウンドリの全国展開に向けた巨額投資
微生物を使って有用物質を生産する「バイオファウンドリ」の拠点を全国に整備する予算が2026年度に具体化します。これは、かつての「半導体工場誘致」に匹敵するインパクトを地域経済に与えるものです。
プラント建設を担うエンジニアリング企業から、特殊な培養技術を持つバイオベンチャーまで、幅広い裾野に国費が注入されます。
素材革命がもたらす「脱石油」銘柄の台頭
2026年、政府はバイオ由来プラスチックや高機能繊維を優先的に調達する方針を明確にします。公共事業や公的機関での利用が義務化されることで、開発コストに苦しんでいた関連企業が、一気に「安定した販路」を手にするシナリオが描かれています。
補助金依存を脱し、自律的な収益サイクルに入る銘柄を厳選する好機となるでしょう。
「宇宙・サイバー」が防衛予算の主戦場へ

2026年度の防衛関連予算は、従来の「正面装備」から、宇宙やサイバー空間といった「新領域」への投資へとシフトが鮮明になります。高市政権が掲げるセキュリティ・クリアランス(適格性確認)制度の運用開始に伴い、高度なセキュリティ技術を持つ国内企業の独壇場となるからです。
宇宙空間の監視と衛星ネットワークの国策化
政府は2026年度、自衛隊の通信環境を強化するため、多数の小型衛星を連携させる「衛星コンステレーション」の構築に巨額の予算を割り当てます。
これは大手重工メーカーだけでなく、衛星用の特殊センサーや通信アンテナを供給する中小・ベンチャー企業にまで商機を広げるものです。宇宙産業は単なる夢ではなく、防衛予算という確実な裏付けを持つ実需産業へと変貌しました。

サイバー防衛の「能動的」転換がソフトウエア需要を喚起
サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の法整備とともに、2026年は防衛網の抜本的な刷新予算が執行されます。政府機関や重要インフラを支える国内のセキュリティソフト開発企業にとって、国策による「強制的なリプレース需要」が発生する好機です。
海外製品の排除が進む中、国産の暗号技術や脆弱性診断ツールを持つ銘柄の希少性が一段と高まるでしょう。

地方創生を支える「インフラ強靭化」の再始動

「責任ある積極財政」の恩恵は、先端技術だけにとどまりません。2026年度予算案では、老朽化したトンネルや橋梁の補修、そして災害に強い国土を作るための「国土強靭化」への配分が、前年比で大幅に増額される見通しです。
AIを活用した「スマートメンテナンス」が公共事業を変える
2026年は、建設現場での深刻な人手不足を背景に、ドローンやAIを用いたインフラ点検技術に対する導入補助金が拡充されます。
これまでの単純な土木工事だけでなく、デジタル技術を融合させた「インフラDX」を推進できる企業に予算が集中します。ITと土木の両輪を回せる建設コンサルタントや、維持管理ソフトを提供する企業が、国策の直接的な恩恵を受ける存在となります。

地方都市の「防災拠点化」が建設需要を支える
高市政権は、災害時の物資補給拠点となる地方港湾や空港の整備を重点化しています。
2026年度予算では、これらの拠点整備に向けた大規模な土木予算が計上されるため、地方のゼネコンや資材メーカーにとっても長期的な受注獲得のチャンスが広がります。積極財政の恩恵が地方経済へ波及する流れを捉えることで、内需関連銘柄の底堅さを再認識することになるでしょう。
投資判断を研ぎ澄ます「予算の流動性」への対応

国策銘柄へ投資する上で意識すべきは、予算が「決まった後」の執行率とスピード感です。2026年度は、計画だけで終わらせない「出口戦略」を持つプロジェクトが選別されるため、企業側の受注・契約ニュースの精査が重要になります。
「予算の成立」から「契約の締結」までのタイムラグを読む
1月に予算案が提示され、3月に成立した後、実際の企業への発注は秋口にかけてピークを迎えます。2026年は、予算がついた段階での「期待買い」と、受注が確定した段階での「実績買い」の2段階の波が予想されます。
ニュースリリースから受注金額や納期を読み解く力を持つ投資家こそが、国策の波を最大限に利益へ変えることができるのです。
補助金の「返還規定」や「成果指標」が銘柄の質を分ける
2026年度からの産業支援策は、成果が出ない場合の補助金返還を求めるなど、よりシビアな条件が付される傾向にあります。これは、実力のない「ゾンビ企業」が淘汰され、本物の技術を持つ企業に資金が集中することを意味しています。
国策銘柄という言葉に甘んじることなく、個別の企業の技術力や経営計画の妥当性を厳しくチェックする姿勢が求められます。
まとめ
2026年度予算案は、高市政権の「積極財政」が実体経済へと流れ込む極めて重要なマイルストーンとなります。単なるトレンドとしての「国策」ではなく、予算という数字に裏打ちされた「造船」「量子」「バイオ」などの分野は、今後数年にわたる長期テーマへと成長する可能性を秘めています。
短期的な株価の浮き沈みに惑わされることなく、国策がどの産業に、どのようなスピードで投下されるのか。その構造的な変化を把握し、再現性のある判断基準を持つことが中級投資家としての矜持です。2026年、政治の意志が経済を動かすダイナミズムを、自身のポートフォリオの成長へとつなげていきましょう。
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編集部
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