AIロボット関連銘柄まとめ!次のAIテーマとしてプロが注目する理由も解説

AIロボット関連銘柄まとめ! 次のAIテーマとして プロが注目する理由も解説

ChatGPTをはじめとする生成AIが世界を席巻してから数年が経ちますが、この影響は株式市場にも現れており、空前のAI関連株ブームが続いています。
その一方で、過熱感も意識されており、次に来るテーマを探している方も多いのではないでしょうか?

そこで注目されるのが、AIを実装した産業機械・ロボットです。
具体的にどういった点に注目しているのか、またどのような銘柄が関連銘柄に挙げられるのかを本記事では解説していきます。

目次

AIロボットとは?従来ロボットとの違いと市場拡大の背景

AIロボットとは、あらかじめプログラムされた動作を繰り返すだけでなく、画像や音声、各種センサーを通じて状況を自ら認識し、必要に応じて判断しながら動作を変えられるロボットを指します。
ディープラーニングによって経験を蓄積し、環境に適応しながら精度を高めていく点が最大の特徴です。

これにより、従来は熟練した作業員でなければ対応できなかった複雑で非定型な作業にもロボットが参入し、人間との協働が増える未来が現実味を帯びています。
特に日本では、産業用ロボットの分野で世界的に高いシェアを持っているため、AIロボットの実装面での優位性と将来性に期待が集まっています

AIロボット・産業機械関連銘柄が注目される理由

AIロボットや産業機械関連銘柄がいま強く注目されているのは、「構造的な人手不足」「AI技術の飛躍」「自動化需要の爆発的増加」「国策の後押し」という複数の追い風が同時に重なっているためです。

国内だけでなく世界的に労働人口が減少し、製造・物流・外食・介護など、多くの現場で人が確保できない状況が深刻化しています。
これまでは人手の補助だったロボットが、人の代替を担う主力として導入せざるを得ない段階に来ています。

また、ChatGPTに代表される生成AIの進化により、ロボットの認識・判断能力が飛躍的に向上しました。
従来は苦手だった非定型作業・複雑な状況判断・自律行動 が可能になり、ロボット活用の領域が一気に拡大しています。

国策・規制・ムーンショット計画による追い風

AIロボット関連市場を語るうえで、日本の政策による追い風は欠かせません。
内閣府が掲げるムーンショット目標3では、2050年までに人とAIロボットが共生する社会を実現するという壮大なビジョンを示しています。

また、2024年にはトヨタやKDDI、産総研などが参加するAIロボット協会(AIRoA)が設立され、ロボットデータの共有基盤づくりや研究開発の連携が進んでいます。
政府が「労働力不足を補うロボット導入」を明確な政策方針として掲げていることは、この領域への長期投資が正当化される理由として大きな意味を持ちます。

AIは現場の競争力を左右する存在に

投資の流れを見てみると、AI関連の資金循環には明確な順序があります。
AIモデルの大型化が進むと、まず半導体製造装置への投資が増え、次にAIの応用として工場自動化が進み、最後にその知能がロボットへと実装されると考えられます。

装置・オートメーション・ロボットの三領域は、技術と資金が循環する一連のエコシステムを形成しているのです。
もちろん、装置への設備投資の景気循環性や、オートメーション導入のROI、ロボット価格競争といった課題もあります。

しかし長期的には、「AIが現実世界の生産性を変える」という流れは変わりません。
AIはもはやアルゴリズムの話ではなく、現場の競争力を左右する存在となりつつあります。

AIロボット・産業機械関連の有望企業

AIが「考え・分析」から「動かす」存在へと進化する今、AIと製造業の融合が新たな産業革命を生み出しています。
その点、日本はこの分野で世界トップレベルの技術基盤を持つ国

装置、材料、制御技術といった地味ながら国際的に見ても根幹を握る分野で、再び日本企業がメインステージに戻ってくる可能性があります。
代表的なサブセクターに分けて解説していきます。

莫大な計算能力の源泉|半導体製造装置

AIの高度化には莫大な計算能力が必要であり、その源泉が半導体製造装置です。

AIチップの需要増大により、露光、洗浄、検査など各工程での投資が加速。さらに設計や開発にもAIが導入され、装置そのものがAIで進化する段階に入りました。
AIが装置を生み、装置がAIを育てるという循環が起きています。

この分野では、日本企業の存在感が圧倒的です。
東京エレクトロンやSCREENホールディングス、アドバンテストなどは、世界市場で高いシェアを誇ります。

さらにフォトレジストやウエハといった素材でも、信越化学工業や東京応化工業が世界をリード。
AIが拡大するほど、日本企業の装置・材料が欠かせない構造が明確になっています。

人口減少で急速に普及|産業オートメーション

次に注目されるのが産業オートメーションです。
AIとIoTを融合し、機械学習による予知保全、ライン制御、エネルギー最適化が進展しています。

これまで勘と経験に依存していた生産現場が、リアルタイムに学習し自律的に稼働する「スマートファクトリー」へと進化しています。

日本では労働人口の減少が続き、AIによる自動化はもはやコスト削減ではなく企業存続の必須条件。
特に製造・物流分野で、AIによる設備管理や品質検査が急速に普及しています。

この分野をけん引するのがキーエンス、オムロン、三菱電機などです。
AIを活用した産業制御技術でグローバル競争をリードしており、「AI×現場」の日本モデルが再評価されるのではないでしょうか?

AIとの融合で新たな局面へ|ロボティクス

日本が長年世界をリードしてきた産業用ロボット分野では、AIとの融合が新たな局面を迎えています
かつては決められた動作を繰り返すだけだったロボットが、AIによって「見る・判断する・学ぶ」存在に変化しました。

画像認識、経路最適化、協働安全などが進化し、工場だけでなく物流・医療・飲食など多様な現場へと活躍の場が広がっています。

ファナック、安川電機などの日本企業は、メカトロニクス技術・制御精度・信頼性の面で世界的に評価が高く、AI時代の動くインフラとしての地位を築きつつあります。

その他のAIロボット・産業機械関連銘柄

コード銘柄名企業概要
6146ディスコ半導体ウェハを切断・研磨する「ダイシング装置」で世界トップシェアを持つ精密加工メーカー。
6920レーザーテックEUV向けマスク欠陥検査装置を独占的に供給し、次世代半導体製造の要となる検査装置メーカー。
6501日立製作所IT・デジタルから社会インフラまで幅広く手がける日本最大級の総合電機で、制御・産業ロボット分野にも強い。
6983ダイフク倉庫や工場の自動化を支えるマテリアルハンドリング(搬送システム)の世界大手で、物流自動化の中心企業。
7012川崎重工業産業用ロボットから航空宇宙・船舶まで幅広い事業を持ち、人型ロボットの実用化にも取り組む重工メーカー。
6273SMC工場自動化に欠かせない空圧機器で世界トップを走るFA(ファクトリーオートメーション)の主役企業。

AIロボット関連銘柄の選び方

AIロボット関連株を選ぶ際にまず意識したいのは、企業がどのレイヤーに強みを持っているかという点です。
ロボット本体を製造するメーカーなのか、センサーや駆動系といった重要パーツを供給する企業なのか、あるいはAIやプラットフォーム側の企業なのかによって、事業モデルも伸び方も異なります。

また、営業利益率、研究開発費、海外売上比率、設備投資の状況、FA需要や半導体設備投資などのマクロ動向も重要で、これらを総合的に見ることで、より精度の高い投資判断をすることができます。

まとめ|AIの未来は現場にある

AIの次なる進化は、パソコンのスクリーン上ではなく、現場で活かされなければなりません。
データセンターを支える半導体装置、工場を自律化するAI制御、そして知的に動くロボットが連鎖し、「産業化されたAI」という新たな経済構造を形づくっています。

この潮流の中心に、日本がいるのです。
AIを活かす技術、AIを動かす機械、AIを支える装置のすべてを自国で完結できる国は、世界でも数えるほどしかありません。

次の成長ストーリーは、AIが人間の知能を超える瞬間ではなく、AIが社会の隅々に溶け込み、現場を動かす瞬間にあります。
日本のものづくりが、再び世界の中心で光を放つ
その序章が、今まさに始まっているのではないでしょうか?

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執筆者情報

nari

かえるさん

元外資系証券株式本部長マネジングディレクター

日系証券個人営業から証券人生をスタート。その後ロンドンと東京を拠点に20年以上に渡って外資系証券会社の主にトレーディングデスク及び各マネジメント職を歴任。2019年退職。得意分野はフローの裏側分析及び市場構造分析。現在はXやnoteなどで個人投資家向け株式投資の知識提供中心に悠々自適生活を送る。趣味は食とクルマ。

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