ティアフォー(593A)のIPO結果|公開価格・初値・上場時の募集条件

遠藤 悠市

日本投資機構株式会社 アナリスト

ティアフォー(593A)のIPO結果|公開価格・初値・上場時の募集条件

ティアフォー(593A)は2026年7月22日に東証グロース市場へ上場しました。公開価格は1,085円、初値は1,009円で、公開価格を7.0%下回る公募割れとなりました。

この記事ではIPOの日程、募集条件、上場初日の結果、資金使途をまとめます。情報確認日は2026年9月7日です。上場後の株価推移や最新決算、量産化の進捗は「ティアフォーの株価と将来性を徹底分析」の記事で詳しく扱います。

目次

ティアフォーのIPOは公募割れ、初日の終値は1,015円

ティアフォーのIPOは公募割れ、初日の終値は1,015円

上場初日に市場で付いた初値は、公開価格より76円低い水準でした。公開価格と初値、引けまで売買された後の終値はそれぞれ別の価格です。上場直後の途中経過ではなく、2026年7月22日の確定値を残します。

公開価格・初値・初日終値を比較する

項目確定値
上場日・市場2026年7月22日・東証グロース
証券コード・売買単位593A・100株
公開価格1,085円
初値1,009円
公開価格に対する初値騰落率−7.0%
初日高値・安値1,081円・896円
初日終値1,015円
出所:会社IPO開示、TradingViewの日足(2026年7月22日)。

公開価格で100株取得した場合の代金は10万8,500円です。初値で売却した場合との差額は、税金・手数料を含めず7,600円の損失となります。初値が公開価格を下回った結果と、その後の投資価値は分けて判断します。

ブックビルディングと購入申込は2026年7月に終了

手続き日程
仮条件1,015〜1,085円
需要申告期間2026年7月6〜10日
公開価格決定2026年7月13日
購入申込期間2026年7月14〜17日
払込期日2026年7月21日
出所:会社「募集株式の払込金額及びブックビルディングの仮条件決定のお知らせ」ほか。

上記は上場時の記録です。現在はIPOの抽選や公募価格での購入申込を受け付ける期間ではありません。上場後の購入は市場での取引になります。IPOへの参加手順は、次の記事にまとめています。

公募は1,744万9,600株、公開規模と会社の調達額は異なる

今回のIPOには、新株を発行する公募と、既存株主が株式を売る売出しがありました。市場が購入する金額のすべてが会社へ入るわけではありません。公開株数、発行済株式数、資金の受取先を分けて整理します。

募集条件と主幹事を確認する

項目上場時の条件
公募17,449,600株
うち国内・海外6,365,900株・11,083,700株
売出し(OAを除く)3,968,400株
OA売出し上限3,212,700株
公開株数合計(OA上限込み)24,630,700株
公募後の発行済株式63,524,090株
出所:会社の上場時開示。

公開株数合計に1,085円を掛けた規模は最大約267.24億円です。公開価格での時価総額は約689.24億円となります。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、SMBC日興証券です。

主要株主のロックアップは原則180日

上場時の主要株主には、SOMPOホールディングス、加藤真平氏、ヤマハ発動機、いすゞ自動車、KDDIなどが含まれます。7月6日の会社開示では、これらの株主などが上場日を含む180日間、原則として売却等を制限する予定と説明されています。

ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前同意や解除権限があるため、例外のない売却禁止ではありません。売出しや貸株には除外規定もあります。上場前の保有比率は公募による希薄化前の数字であり、現在の株主構成とは区別が必要です。

IPO資金は研究開発と量産準備へ、OA関連の追加増資は全株失権

IPO資金は研究開発と量産準備へ、OA関連の追加増資は全株失権

会社は上場資金を使い、技術開発と供給体制の整備を進める計画を示しました。一方、8月にはOA関連の第三者割当増資が実施されないと確定しています。上場時の使途予定額と、確定した資金調達を分けて読む必要があります。

7月22日の資金使途計画は合計204.47億円

使途予定額
研究開発87.71億円
量産・事業拡張82.72億円
組織拡張34.04億円
合計204.47億円
出所:2026年7月22日「事業計画及び成長可能性に関する事項」39頁。使用予定は26〜28年9月期。

AI・自動運転用半導体の設計開発、調達体制の強化、海外販売、人材採用などへ充てる計画です。これは上場時点の予定であり、204.47億円の入金完了を示す表ではありません。払込額との違いは、次のOA関連増資の結果と合わせて確認します。

OAに伴う第三者割当321万2,700株は発行されなかった

2026年8月6日、SMBC日興証券を割当先とする第三者割当増資321万2,700株は、全株の申込みがなく失権すると発表されました。この追加増資による新株発行と資金流入はありません。OA売出し自体がなかった、という意味ではない点に注意してください。

会社の8月決算説明資料では、7月の公募による資本金・資本準備金の増加は合計約174.07億円です。上場時の使途計画を、実際の現金残高と同一視しない扱いが必要です。以後の資金使用と業績は銘柄徹底分析記事で追います。

まとめ|IPO条件はこの記事、上場後の業績と株価は徹底分析記事へ

まとめ|IPO条件はこの記事、上場後の業績と株価は徹底分析記事へ

ティアフォーのIPOは、公開価格1,085円に対し初値1,009円、初日終値1,015円という結果でした。公募価格だけで上場後の割安・割高は判断できません。

上場時には研究開発・量産準備への投資計画が示されましたが、OA関連の追加増資は全株失権しています。資金使途の予定額と、実際に得た資金を区別するのが要点です。

最新決算、株価チャート、協業の進捗、黒字化の条件は、次の「ティアフォーの株価と将来性を徹底分析」をご覧ください。

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執筆者情報

nari

遠藤 悠市

日本投資機構株式会社 アナリスト

大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト。

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