再生可能エネルギーは、脱炭素やエネルギー転換を背景に世界中で注目されています。株式市場でも人気の「テーマ株」として資金が流入し、短期的な急騰や長期的な成長期待を演出してきました。
投資初心者にとっても押さえておくべき重要分野の一つです。本記事では、再生可能エネルギーの仕組みや特徴、投資メリットとリスク、さらに過去に大きく上昇した銘柄や今注目したい銘柄まで、体系的にわかりやすく解説します。
再生可能エネルギーは化石燃料に代わる次世代エネルギー

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスといった自然由来のエネルギーを指します。
これらは繰り返し利用でき、二酸化炭素の排出量もごくわずか。
環境負荷を抑えながら安定的に利用できる点から、気候変動対策の中心的な存在とみなされています。
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脱炭素社会を実現する柱になる
世界共通の目標となっている「カーボンニュートラル」を実現するには、再生可能エネルギーの拡大が欠かせません。すでに各国政府が補助金や制度で導入を後押ししており、成長産業としての期待感は一段と高まっています。将来的なエネルギー供給の主役に位置づけられているのも納得できるでしょう。
日本でもエネルギー政策で重視されている
日本政府も2030年を目標に再生可能エネルギー比率を大幅に引き上げる方針を掲げています。電力会社や大手商社だけでなく、専門企業や新興企業まで参入し、事業領域を広げつつあります。結果として、投資家が注目できる銘柄の幅も広がり、「再エネ市場=新しい投資機会」と考えられるようになっています。
再エネ関連技術の進化が市場を押し上げる
太陽光パネルの高効率化や風力発電の洋上化など、技術革新が進むことで事業採算性も改善しています。発電コストは年々下がり、従来の火力発電に迫る水準まで来ています。技術進歩は普及を後押しし、株式市場でも「成長の裏付け」として評価されやすい要素になっています。
投資テーマとしての長期的な魅力
短期的には電力需給や制度変更の影響を受けやすいですが、世界的な流れとして再エネ需要は今後数十年スパンで拡大する方向です。ESG投資やグリーンファイナンスとも結びついており、株式市場でも安定的なテーマとして注目され続けるでしょう。
再生可能エネルギー株は政策支援と市場拡大で成長する

再生可能エネルギー関連株が注目される理由には、政府による後押しと世界的な市場拡大があります。投資家にとっても「テーマ株」として理解しやすく、比較的入りやすい分野と言えるでしょう。
政策による後押しで需要が伸びる
再エネは国の方針と一致しているため、補助金や優遇制度といったサポートを受けやすい領域です。企業にとっては安定的に投資を進められる環境となり、その結果、業績拡大に直結しやすくなります。市場では「国策=株価材料」と受け止められることが多く、株価の上昇要因となりやすいのが特徴です。
市場規模が年々拡大している
世界的に再生可能エネルギーへの投資額は増加傾向を続けています。特に太陽光や風力の導入は急ピッチで進み、今後も需要は拡大すると予測されています。設備投資の増加は関連企業に新しい収益機会をもたらし、結果的に株価上昇につながる可能性が高まります。
技術革新が株価評価を押し上げる
太陽光パネルの効率化や洋上風力の拡大、蓄電池コストの低下など、技術的な進化は事業の採算性を高めています。コスト競争力の向上は企業収益の安定につながり、株式市場でも「中長期的に伸びるテーマ」として評価が強まっています。次世代型として注目されるペロブスカイト太陽電池も、今後の市場拡大を支える重要技術と考えられています
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投資家にとって参入しやすいテーマ株
再エネ関連株は「国策」「世界的な潮流」「技術革新」といった複数の追い風があるため、投資家にとって理解しやすいテーマです。ESG投資やグリーンファンドの資金流入も後押ししており、株価が上がりやすい条件がそろいやすいのも魅力と言えるでしょう。
再生可能エネルギー株には急騰期待と急落のリスクがある

再生可能エネルギー関連株は成長期待が大きい分、株価が大きく動きやすい特徴があります。投資家にとっては魅力的な分野ですが、値動きの激しさを理解した上で参加することが大切です。
政策変更が株価を大きく揺さぶる
再エネ企業は国の補助金や優遇制度に支えられているため、制度改正や補助金縮小といったニュースが出ると一気に株価が下がることがあります。政策への依存度が高い分、発表された内容に市場が敏感に反応し、思わぬ値動きにつながる場合があります。
技術革新や競争で明暗が分かれる
再生可能エネルギー分野は技術の進歩が非常に速く、次々と新しい仕組みや製品が登場しています。新技術が普及すると、旧来のビジネスモデルを持つ企業は成長が鈍化することもあります。投資をする際には「勝ち組」となる企業を慎重に見極めることが、長期的なリターンにつながるポイントです。
再生可能エネルギー関連株の急騰事例

過去の値動きを振り返ることで、再生可能エネルギー関連株がどのような材料で動くかが見えてきます。大きな政策発表や社会的テーマが注目されるたびに、関連銘柄が大きく値上がりしたケースも少なくありません。
レノバ(9519)は再エネ政策の追い風で大幅上昇

レノバは2017年の上場後、太陽光発電やバイオマス発電の事業を一気に拡大しました。その結果、株価は数倍に跳ね上がり、政策支援と事業拡大が株価に直結する典型例となりました。投資家にとっては、国策テーマの威力を示す象徴的な事例です。
イーレックス(9517)はバイオマス発電事業で評価を高めた

木質ペレットやヤシ殻を利用したバイオマス発電を強化することで、2020年前後に株価が急上昇しました。燃料調達から発電まで一貫したビジネスモデルを構築した点が市場から高く評価され、テーマ株としての存在感を示しました。
これから狙いたい再生可能エネルギー有望株

現在も再生可能エネルギー関連株は多くの投資家に注目されています。エネルギー転換やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進を背景に、成長期待が高まりつつある分野です。長期的な視点で投資チャンスを探る上でも欠かせないテーマといえるでしょう。
ENEOSホールディングス(5020) 脱炭素シフトを加速中

国内最大級のエネルギー企業であるENEOSは、石油依存からの脱却を掲げ、洋上風力や水素事業に積極的に参入しています。従来の石油精製・販売に加えて再エネ事業を拡大しており、大手ならではの資金力と技術力が強みです。エネルギー転換の流れをリードする存在として、投資家の関心が集まりやすい状況です。
レノバ(9519) 洋上風力プロジェクトで存在感をさらに強める

再生可能エネルギー専業のレノバは、太陽光やバイオマスに加え、近年は洋上風力の国家プロジェクトにも参画しています。政府による後押しが大きく、長期的な成長シナリオが描ける点が魅力です。株価は過去に急騰経験もあり、再び成長株として市場の期待を背負う可能性があります。
東京ガス(9531) 水素と再エネの両輪で事業拡大

都市ガス事業を基盤に持つ東京ガスは、再エネ電源と水素事業に注力しています。ガス会社としての安定収益を維持しながら、脱炭素社会に向けた成長分野へ事業領域を広げている点が投資家に評価されています。堅実さと成長性を併せ持つ銘柄として、長期投資にも適しているといえるでしょう。
その他の再生可能エネルギー関連注目銘柄一覧
銘柄名 | 証券コード | 主な事業領域 | 再エネ関連の取り組み |
オリックス | 8591 | 総合金融・事業投資 | 太陽光発電所やバイオマス発電を全国展開 |
イーレックス | 9517 | 電力小売・発電 | バイオマス発電を主力とし、再エネ電源拡大 |
日本風力開発 | 2768 | 風力発電 | 国内風力発電の先駆け、洋上案件も推進 |
エフオン | 9514 | 木質バイオマス発電 | 森林資源を活用した再エネ発電を強化 |
シン・エナジー | 9220 | 電力小売・再エネ発電 | 太陽光やバイオマスを中心に電力小売も展開 |
投資家が再生可能エネルギー株を選ぶときの視点

再生可能エネルギー関連株はニュースに左右されやすいテーマ株ですが、投資で成果を出すためには一時的な話題性ではなく、企業の実力をしっかりと見極める姿勢が欠かせません。
事業の持続可能性を確認する
短期的な政策期待だけに頼るのではなく、企業が安定的に利益を上げ続けられるかをチェックすることが重要です。たとえば収益モデルが再エネの固定価格買取制度に依存しすぎていないか、燃料や発電設備の調達ルートが安定しているかを確認すると、将来のリスクを減らせます。
成長分野への取り組みを評価する
洋上風力や水素、蓄電池などは、今後も世界的に成長が期待される分野です。こうした領域に積極的に投資を行う企業は、中長期的な株価上昇につながる可能性が高いと考えられます。単に現状の売上規模を見るだけでなく、どのような新分野に取り組んでいるかを見極めることが、投資家にとって大きなヒントになります。
財務基盤と資金調達力をチェックする
再エネ事業は初期投資が大きいため、資金調達力や財務の健全性は欠かせない視点です。借入依存度が高すぎる企業は金利上昇局面で収益を圧迫されるリスクがあります。自己資本比率やキャッシュフローを確認することで、長期的に成長を続けられるかどうかを判断できます。
株主還元やガバナンスの姿勢を見る
短期の株価変動に左右されず、長期的に保有するなら経営陣の姿勢も重要です。配当方針や株主還元の安定性、さらにはガバナンス体制の強化に取り組んでいる企業は、投資家に安心感を与えます。再エネ分野は国際的な注目が高いため、透明性のある経営は株価評価にもプラスに働きます。
まとめ|再生可能エネルギー株は成長期待とリスクを見極めて取り組む
再生可能エネルギー株は、国策や世界的な脱炭素の流れに後押しされ、投資テーマとして大きな存在感を示しています。過去には大幅な株価上昇を遂げた事例もあり、現在も有望と見られる銘柄が複数存在します。
ただし、政策への依存度が高かったり競争が激化したりすることで、思わぬ値動きに直面するリスクも否定できません。
投資初心者は、「どの企業が持続的に成長できるか」という視点を持ち、成長のチャンスと潜むリスクの両方を天秤にかけながら判断する姿勢が求められます。
短期の話題性に飛びつくのではなく、中長期的な事業の持続性や経営戦略まで丁寧に確認することで、安定した投資成果につながりやすくなります。
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執筆者情報
編集部
INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。