ペロブスカイト太陽電池関連銘柄の本命一覧|積水化学など注目株を解説【2026年】

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

ペロブスカイト太陽電池関連銘柄の本命一覧|積水化学など注目株を解説【2026年】

薄くて軽く、曲げられる次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」が、いま国策級のテーマに浮上し、株式市場の注目を集めています。高市早苗首相が所信表明で「原子力やペロブスカイト太陽電池をはじめとする国産エネルギーは重要」と明言し、政府は2040年に国内20GWの導入目標を掲げて量産・普及を後押ししています。

主原料のヨウ素は日本が世界2位の産出国であり、中国が約8割を握るシリコン型と違って「国産でまかなえる太陽電池」になり得る点も、経済安全保障の観点から評価されています。

本稿では、ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄をタイプ別に一覧で整理したうえで、量産で先行する本命株の動向と、投資の注意点を解説します。

目次

ペロブスカイト太陽電池が国策テーマになった理由

ペロブスカイト太陽電池が国策テーマになった理由

ペロブスカイト太陽電池が単なる技術トピックにとどまらず、株式市場の資金を集めるのは、国が本腰を入れて普及を進める「国策」だからです。政策と資源の両面から背景を確認します。

政府は2040年に20GW導入目標|高市政権も普及を後押し

経済産業省は2024年11月に「次世代型太陽電池戦略」をまとめ、2030年までにGW級の生産体制を構築し、2040年に国内20GWの導入を目指すロードマップを示しました。この方針は第7次エネルギー基本計画にも盛り込まれています。

政権も強く後押ししています。高市首相は2025年10月の所信表明でペロブスカイト太陽電池を国産エネルギーの柱に挙げ、11月の総合経済対策(約21.3兆円規模)でもGX推進の柱に位置づけました。

東京都は2040年に約2GWの導入目標を掲げ、設置費用の全額補助制度を開始する予定です。経済産業省は2026年度から、化石燃料の使用が多い約1万2000事業者に太陽光パネルの導入目標策定を義務付ける見通しで、需要面の下支えも進みます。

主原料ヨウ素は日本が世界2位|資源自給の強み

ペロブスカイト太陽電池が経済安全保障の面で重視されるのは、主原料のヨウ素を日本が国内でまかなえるからです。日本のヨウ素産出量はチリに次ぐ世界2位で、世界シェアの約3割を占めます。

中国が世界シェアの約8割を握るシリコン型と違い、「国産でエネルギーをつくる」という理想に近い技術です。ヨウ素関連銘柄という切り口の投資テーマも生まれています。

ペロブスカイト太陽電池関連銘柄の一覧|本命・注目株を整理

ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄は、大きく「セルを量産するメーカー」と「素材・部材で支える企業」に分かれます。どの立ち位置で関わるかで銘柄の性格が変わるため、まずは主要銘柄を一覧で確認しましょう。

分類銘柄名コード注目ポイント
量産メーカー積水化学工業4204フィルム型で世界最先端。2026年3月に「SOLAFIL」商用化、国が最大1,572億円を補助
量産メーカーカネカ4118タンデム型・建材一体型を開発。2028年度の製品販売を計画
量産メーカーパナソニックHD6752ガラス一体型ペロブスカイトで高い技術力。窓一体型を想定
素材・部材東レ3402封止材・バリアフィルムで耐久性向上に寄与。京大と共同研究
素材・部材出光興産5019東大とタンデムセルで変換効率28%を実証
素材・部材AGC5201建材一体型のガラス型を開発・実証(パナソニックと連携)
素材・部材UBE4208樹脂・添加剤でセル耐久性向上に寄与
素材・部材三井化学4183高機能フィルム・接着剤で関与。NEDO実証に参加
原料伊勢化学工業4107主原料ヨウ素の世界大手。ペロブスカイト材料で稀産金属と提携

ここからは、一覧のなかでも量産で先行する本命株の動向を詳しく見ていきます。

関連銘柄のなかでも、実際にセルを量産して事業化を進める企業は本命格です。テーマの進捗が業績に直結するため、各社の量産計画を押さえておきましょう。

積水化学工業(4204)|SOLAFIL商用化・国が1,572億円を補助

フィルム型ペロブスカイト太陽電池で世界最先端を走る、テーマの絶対本命です。合わせガラス用中間膜で培った封止・塗工技術を武器に、耐久性と量産技術の壁を崩してきました。2026年3月にはブランド名「SOLAFIL」で商用販売を開始し、まずは企業・自治体向けに供給を始めています。

量産計画も具体的です。2025年1月に新会社「積水ソーラーフィルム」(積水化学86%・日本政策投資銀行14%出資)を設立し、シャープ旧堺工場を活用して2027年4月に年産100MWの第1ラインを稼働、2030年度には年産1GW級へ拡張する計画です。

総投資額3,145億円のうち、最大1,572.5億円を経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業の補助金でまかないます。2030年度にペロブスカイト事業で売上1,500〜2,000億円を目指します。2026年2月には新社長が「ペロブスカイト電池に社運をかける」と表明し、株価は上場来高値を更新しました。

2026年1月9日から7月16日までの日足チャート TradingViewより引用

カネカ(4118)|タンデム型で2028年度の製品販売へ

化成品・機能性樹脂の大手で、シリコンとペロブスカイトを積層した「タンデム型」の開発を進めています。タンデム型は発電効率を高めやすい一方、寿命の短さが課題ですが、世界市場の主戦場になるとの予測も根強い方式です。

カネカは2028年度の製品販売を計画しており、フィルム型で先行する積水化学とは異なる土俵で存在感を狙います。

2026年1月9日から7月16日までの日足チャート TradingViewより引用

パナソニックホールディングス(6752)|ガラス一体型に強み

総合家電の大手で、ガラス一体型ペロブスカイト太陽電池で高い技術力を持ちます。窓に組み込む「発電する窓」を想定し、AGCなどと建材一体型のガラス型を共同で開発・実証しています。

本業が多角化しているためペロブスカイト単体の業績インパクトは限定的ですが、建材一体型が普及する場面での中核候補です。

2026年1月9日から7月16日までの日足チャート TradingViewより引用

素材・部材で支えるペロブスカイト太陽電池関連銘柄

ペロブスカイト太陽電池の弱点である耐久性を克服するには、封止材やバリアフィルムなどの素材が欠かせません。セルを作らなくても、供給網の中核を担って恩恵を受ける企業があります。

東レ(3402)|封止材・バリアフィルムで耐久性を支える

炭素繊維や高分子フィルムに強みを持ち、京都大学との共同研究で世界最高クラスの変換効率を達成しています。

ペロブスカイトの弱点である湿気・酸素への耐性を高める封止材やバリアフィルムの開発に注力しており、商用化が進むほどサプライチェーンの中核を担う可能性があります。

2026年1月9日から7月16日までの日足チャート TradingViewより引用

出光興産(5019)|タンデムセルで変換効率28%を実証

石油元売り大手ですが、有機薄膜や次世代エネルギーの研究を手がけ、東京大学と共同でペロブスカイト・シリコンのタンデムセルで変換効率28%を実証しました。

石油化学だけでなく再エネ分野でも存在感を高めており、実証や国プロへの参画が多く、報道が出ればテーマ株で物色されやすい銘柄です。

2026年1月9日から7月16日までの日足チャート TradingViewより引用

このほか、素材・部材や建材一体型で関与する各社も押さえておきたいところです。

銘柄名コード関連性
AGC5201建材一体型のガラス型を開発・実証。パナソニックと連携
UBE4208樹脂・添加剤でセルの耐久性向上に寄与。封止材など素材供給に期待
三井化学4183高機能フィルムや接着剤で関与。NEDO実証にも参加実績あり
アイカ工業4206建材用樹脂・フィルムメーカー。建材一体型セルへの素材提供の可能性
ヒラノテクシード6245塗工機が主力。ペロブスカイト型太陽電池の塗工機を手がける

ペロブスカイト太陽電池の技術と将来性

投資判断の前提に、ペロブスカイト太陽電池がなぜ次世代の本命とされるのか、その技術的な強みと課題を整理しておきます。

シリコン型より軽く・曲がり・低照度でも発電できる

ペロブスカイトは非常に薄い膜で太陽電池を構成できるため、シリコン型の約10分の1という軽さを実現できます。柔らかいフィルム状にできるので、屋根の強度や設置スペースの制約から太陽光を置けなかった壁・窓・曲面にも設置できます。

曇りや室内光でも発電効率が落ちにくい点も強みです。変換効率はシリコン単独セルの25%前後に対し、タンデム型では30%超の実験結果も報告されています。

課題は耐久性とコスト|克服の鍵は封止技術

実用化の壁は、屋外で長く使える耐久性の確保です。ペロブスカイトは水分・酸素・紫外線・高温で劣化が進みやすく、研究室では高効率でも屋外で性能が落ちる例が報告されてきました。

ここで効くのが、特殊なフィルムや樹脂で密封する「封止技術」です。積水化学や東レが素材の知見でこの壁を崩しつつあります。発電コストは2030年に14円/kWh、2040年に10〜14円/kWh以下という政府目標が示されており、量産によるコスト低減が普及のもう一つの鍵です。

見落としがちなペロブスカイト太陽電池関連銘柄のリスク

大きな期待が集まるテーマだからこそ、前提が崩れたときの反動も大きくなります。投資前に押さえておきたいリスクは次の3点です。

中国勢の量産が先行し「タンデム型」が主戦場になる可能性

中国大手GCL傘下の企業が2026年7月をめどにタンデム型の量産販売を日本でも開始する予定で、量産化では中国勢が先行しています。

世界市場の主戦場が、日本勢が得意とするフィルム型ではなくタンデム型になるとの予測も根強く、その場合は競争環境が一変します。かつて日本がシリコン太陽電池で世界首位から転落した歴史もあり、「日本が本当に勝ち切れるか」は最大の論点です。

政策依存度が高く、テーマ株特有の急騰・急落に注意

現状の普及は補助金と公共施設への率先導入が中心で、政策の後押しに大きく依存しています。材料発表や実証のニュースで短期的に急騰しやすい半面、研究の遅れや政策の変化で急落する場面も少なくありません。

積水化学のように設備投資が先行する企業は、2027〜2028年にキャッシュフローが圧迫される場面もあり、目標未達なら減損リスクも残ります。

一般家庭への普及は2030年代後半以降の見通し

2026年に始まった事業化は、公共施設や企業向けの小規模導入が中心です。一般家庭が購入できる製品の本格普及は2030年代後半から2040年にかけてと見られており、テーマが実際の需要に育つまでには時間がかかります。

短期の値動きに振り回されず、量産と受注の進捗を追う長期の目線が向いています。

まとめ|ペロブスカイト太陽電池関連銘柄は量産の進捗で選ぶ

ペロブスカイト太陽電池は、2040年20GW導入という政府目標と高市政権の後押しを追い風に、国産エネルギーの切り札と目される国策テーマです。主原料ヨウ素を日本が自給できる資源優位も、この物語を支えています。

銘柄選びの軸は、量産と事業化の進捗です。商用販売を始めた積水化学を本命に、タンデム型のカネカ、ガラス一体型のパナソニックHD、耐久性を支える東レ・出光などが続きます。

中国勢の量産先行や政策依存というリスクを踏まえ、決算ごとに量産計画と受注実績を確認しながら、長期の視点で向き合いたいテーマです。太陽光発電テーマ全体の関連銘柄は、以下の記事で整理しています。

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nari

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INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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