個人向け国債は、日本政府が発行する債券です。元本が守られ、日々の値動きにやきもきせず持てるので、「投資は少し怖いけれど、預金だけでは物足りない」という人の受け皿になってきました。
2026年に入ってからは金利が上がり、定期預金の代わりに検討する人が増えています。種類は3つ。半年ごとに利率が変わる「変動10年」と、買ったときの金利が満期まで続く「固定5年」「固定3年」です。
最新の金利から、それぞれの向き・不向き、今後の見通し、キャンペーンの使い方まで、順に見ていきます。
【2026年7月最新】個人向け国債の金利は?今月の募集条件

2026年7月募集分の金利(年率・税引前)は、変動10年が1.80%、固定5年が1.95%、固定3年が1.56%に決まりました。固定5年は2%に迫る水準です。2024年前半まで0.5%を下回っていたことを思えば、ずいぶん様変わりしました。
利子には20.315%の税金がかかります。差し引いた後の実質的な利率は、変動10年が約1.434%、固定5年が約1.554%、固定3年が約1.243%です。
募集期間は7月6日から31日まで。発行は翌月の中旬(原則15日前後)で、7月募集分は8月17日に発行されます。
個人向け国債とは?3つの種類と仕組み

個人向け国債とは、日本に住む個人だけが買える、財務省が発行する債券です。買うということは、国にお金を貸すということ。満期が来れば貸したお金は全額戻り、半年ごとに利子を受け取れます。
発行元が国なので、安全性はかなり高い部類です。銀行預金のような預金保険(ペイオフ)の対象ではありませんが、元本と利子の支払いは国が保証しています。
種類は3つ。満期10年で半年ごとに金利が見直される「変動10年」、5年間金利が変わらない「固定5年」、3年間変わらない「固定3年」です。
金利上昇の波に乗れる「変動10年」
変動10年の特徴は、半年ごとに適用金利が見直されることです。基準は10年物国債の利回りで、市場金利が上がれば受け取る利子も増えていきます。これから金利が上がると読むなら、その動きをそのまま取り込めます。
逆に金利が下がっても、年0.05%の最低金利が保証されているので、利子がゼロになることはありません。物価が上がって金利も上がる、そんな局面で強さを発揮する設計です。
満期まで金利が動かない「固定5年」
固定5年は、買ったときの利率が5年間ずっと続きます。この先の金利が読みにくくても、購入した時点で満期までの受取総額が確定する。ここが安心材料です。
市場金利が下がっても影響を受けません。5年後に使うお金、たとえば教育費や住宅の頭金を、腰を据えて準備したいときに向いています。
短めに堅く運用する「固定3年」
固定3年は、3種類のなかで満期が最も短いタイプです。金利は3年間固定。長くお金を縛られたくない人や、近いうちに使う予定のあるお金を少しでも増やしたい人の選択肢になります。
運用期間が短いぶん、金利変動にさらされる時間も限られます。まず国債を試してみたい人にも扱いやすいタイプです。
個人向け国債の金利は今後どうなる?見通しの2つのポイント

いまの金利は過去数年で見れば高い水準ですが、この先も続くかどうか。判断の材料は主に2つです。日銀の金融政策と、これまでの金利推移が描くトレンド。順に見ます。
日銀の金融政策
個人向け国債の金利は、日本の長期金利に連動します。その長期金利を動かしているのが日銀です。政策金利が引き上げられれば、市場全体の金利が上がり、国債の利回りも押し上げられます。
日銀は長く続けた金融緩和を見直し、マイナス金利を解除しました。追加の利上げ観測もあり、それが現実になれば、とくに変動タイプの金利はさらに上がる余地があります。
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過去の推移から読むトレンド
少し前まで、個人向け国債の金利は0.05%の最低保証すれすれで這っていました。それが直近1〜2年で一変し、右肩上がりに転じています。日銀の政策転換と、物価上昇への期待が市場金利を押し上げた結果です。
長い低金利の時代が終わり、「金利のある世界」に戻りつつある。いまはその転換点にあたります。
変動10年・固定5年・固定3年、どれを選ぶ?タイプ別の考え方

どれが合うかは、金利の先行きをどう読むか、そのお金をいつ何に使うかで変わります。軸を絞って整理します。
金利が上がると読むなら「変動10年」
これから金利が上がると見るなら、半年ごとに利率が見直される変動10年が、その動きを拾ってくれます。満期は10年と長めですが、1年経てば中途換金もできます。物価上昇から資産の価値を守りたい、長い目で構える人と相性のいいタイプです。
受取額を先に確定させたいなら「固定3年・5年」
使う時期と金額が決まっているお金なら、固定3年・固定5年が扱いやすいです。選んだ期間は市場金利が動いても利率が変わらないので、受取額が最初から読めます。3年後の進学費用、5年後の車の買い替え。ゴールが見えている資金の置き場所として機能します。
【シミュレーション】100万円を1年運用したら
100万円を2026年7月募集分の金利で1年運用すると、税引後の手取り利子はこうなります。
- 変動10年(1.80%):約14,343円
- 固定5年(1.95%):約15,539円
- 固定3年(1.56%):約12,431円
これは初年度のイメージです。変動10年は半年後に金利が見直されるため、2年目以降は増減します。
金利だけじゃない、個人向け国債の3つの強み

選ばれる理由は金利だけではありません。これから始める人にとって効いてくる強みが3つあります。安全性、少額から買えること、そして換金のしやすさです。
元本割れの心配がなく安全性が高い
最大の強みは安全性です。発行元が国なので信用度は高く、満期まで持てば元本は満額戻ってきます。半年ごとの利子も、国が支払いを保証します。
金融機関が破綻しても、国の債務なので資産は守られます。値動きで元本が削られる株式や投資信託とは、そもそもの性格が違います。
1万円から始められる
1万円単位で買えるのも見逃せません。まとまった資金がなくても、余ったお金の範囲で始められます。株や不動産のように大きな初期費用がいらないので、最初の一歩としてはハードルが低いほうです。
少額で仕組みを体感してから、慣れたら額を増やす。そんな進め方ができます。
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1年経てば中途換金できる
急な出費が出ても、購入から1年経てば額面金額で換金できます。満期を待たずに現金化できる。この流動性の高さも強みです。
中途換金の際は、直前2回分の各利子(税引前)×0.79685が差し引かれます。ただしこの金額は、受け取った利子の範囲に収まります。つまり元本そのものが目減りすることはなく、額面どおりに戻ってくる。定期預金の中途解約とは、ここが決定的に違います。
買う前に知っておきたい注意点

安全性の高い商品ですが、弱点もあります。リターンの上限、換金のルール、インフレ。この3つは押さえておきたいところです。
大きく増やす商品ではない
金利は定期預金より有利でも、株式や投資信託のように資産を一気に増やすタイプではありません。ローリスク・ローリターンが持ち味です。短期間で大きく増やしたい人には、物足りなく映るはずです。
資産全体のなかで、安定を担う土台として組み込む。そういう使い方と相性のいい商品です。
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最初の1年は換金できない
換金のしやすさは強みですが、「発行から1年間は換金できない」という縛りがあります。大規模な自然災害など特別な事情を除けば、この間は資金を動かせません。買うお金は、少なくとも1年は使う予定のない余裕資金にとどめておくのが前提です。
生活費や、近く使うと分かっているお金を回すのは避けたいところです。
インフレが金利を上回ると価値が目減りする
物価が上がると、お金の価値は下がります。インフレ率が国債の金利を超えると、利子を受け取っても物価の上昇に追いつかず、実質的な価値は減ってしまいます。金利1%でも物価が2%上がれば、買えるモノは目減りする計算です。
とくに固定タイプは、途中でインフレが加速しても金利が動きません。この点は頭に入れておきたいリスクです。
[関連]インフレ率とは?計算方法や推移、株式市場に与える影響をわかりやすく解説
【2026年最新】個人向け国債のキャンペーンを比較

個人向け国債は、どこで買っても金利や商品は同じです。ただ、取り扱う証券会社や銀行によっては、購入額に応じた現金プレゼントなどのキャンペーンを実施していることがあります。うまく使えば、利子に上乗せで受け取れます。
内容は時期によって変わります。楽天証券のように現金ではなくポイントで還元するケースもあるため、総額で見比べるのが賢い使い方です。
現金キャッシュバックの傾向
キャンペーンは大手証券で活発な傾向があります。過去には、購入額に応じて数千円から数万円の現金がもらえる企画が、複数の証券会社で実施されてきました。
一方で、期間限定で実施し、いまは終了しているケースもあります。実施の有無や条件は毎月のように変わるので、購入前にその時点の公式情報を確認してください。
利用時に確認したいこと
キャンペーンを使うなら、いくつか確認しておきたい点があります。まず、事前エントリーが必要な場合があること。購入前に手続きを済ませておくと、取りこぼしを防げます。
最低購入額の条件がついていることもあります。過去の購入履歴によっては対象外になるケースもあるので、適用条件は公式サイトで細かく読んでおくと安心です。
個人向け国債についてよくある質問

まとめ
金利が戻ってきたいま、個人向け国債は安全資産のなかで存在感を増しています。変動10年は金利上昇の波を拾いやすく、固定5年・固定3年は受取額を確定させて計画的に備えられる。1万円から始められ、満期まで持てば元本は満額戻ってきます。
一方で、大きく増やす商品ではないこと、最初の1年は換金できないこと、インフレには弱い面があることも忘れずに。それぞれの特徴とキャンペーンを見比べて、資金の目的に合うタイプを選んでみてください。

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日本投資機構株式会社
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