3月末権利付きの高配当銘柄|波乱相場で狙いたい注目株をアナリストがピックアップ

3月末権利付きの高配当銘柄|波乱相場で狙いたい注目株をアナリストがピックアップ

長引く米国・イスラエルとイランとの戦争を嫌気して、株式市場は波乱含みの展開となっています。

一方で、3月末は多くの日本企業が配当の権利確定日を迎える時期。
相場が下げているのであれば、権利確定日前に追加で高配当株を仕込もうと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、3月末に注目される高配当銘柄セクターと投資のポイント、そしてアナリストが注目する高配当銘柄を紹介します。

目次

3月末に高配当銘柄が注目される理由

日本企業の多くは3月決算を採用しており、期末配当の権利確定日も3月末に集中します。
特に自動車や商社、銀行など高配当で人気が高いセクターの企業の多くが3月決算を採用しているため、例年3月には配当を狙った買いが意識されやすくなるのです。

配当を受け取るには権利付き最終日(2026年は3月27日)までに株式を保有している必要があります。

高配当セクターと投資のポイント

ここからは具体的に、3月末にかけて注目されやすい高配当セクターを取り上げて、それぞれのセクターの銘柄に投資する際のポイントを解説していきます。

銀行セクターの高配当銘柄|金利上昇が追い風に

まず、代表的な高配当セクターとして、銀行株が挙げられます。

日銀は2024年3月に、マイナス金利政策を解除し、利上げを進める方向に舵を切りました。
すでに金利上昇が銀行収益の改善につながっていますが、インフレが日本経済に定着しつつあるため、さらなる収益性の改善も期待されています。

また、収益性の低さから投資対象としては不人気な地方銀行に関しても、今後再編によって収益性を改善させる余地があると指摘されています。

代表的な銘柄と足元の配当利回りを確認しておきましょう。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

配当利回り:2.76%(2026年3月19日終値時点)

国内最大の金融グループである三菱UFJフィナンシャルグループは、近年は株主還元を重視する姿勢を強めています。
具体的には、配当性向40%程度を掲げ、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針に。

配当と自社株買いを組み合わせた還元政策や、メガバンクとして優位な地位にある点が評価され、多くの投資家からの買いを集めています。

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

配当利回り:3.01%(2026年3月19日終値時点)

三井住友フィナンシャルグループは、配当性向40%を維持する方針に加えて、累進的配当(減配をせずに配当を維持もしくは増配し続けること)も方針として掲げています
方針を変えざるを得ないほど極端な外部環境の変化がない限りは、配当が維持されるとの安心感も、人気の理由となっています。

通信セクターの高配当銘柄|安定収益で低リスク

通信株は社会インフラとして安定した収益基盤を持ち、継続的な配当を実施しやすいのが特徴です。
業績の変動が小さい分、値動きも小さく、リスクを抑えながら利回りを確保したい個人投資家から高い人気を集めています。

日本電信電話(9432)

配当利回り:3.34%(2026年3月19日終値時点)

国内通信インフラの中核を担うNTTは、2023年には個人投資家が投資しやすいようにと、1株を25株に分割したことでも話題となりました。
安定したキャッシュフローを背景に、15期連続での増配を見込んでおり、配当は2003年度比で10倍以上に増加しています。

KDDI(9433)

配当利回り:3.00%(2026年3月19日終値時点)

KDDIも24期連続での増配を見込むなど、安定したキャッシュフローを積極的に株主に還元しています。

また、通信事業に加え、金融、DX、エネルギーなどの分野へ事業を拡大しています。
収益源の多様化によって、景気や社会の変化に対する耐性が高まっている点も、長期投資家からの評価ポイントです。

商社・エネルギーセクターの高配当銘柄

総合商社やエネルギー企業の多くが、資源ビジネスやインフラ事業で安定したキャッシュフローを確保し、それを株主に積極的に還元しています。

近年は地政学リスクの高まりによって、原油などの資源価格が上昇する場面が散見されます。
資源価格上昇時には、販売価格が上昇したり、在庫評価額が増加したりするとの期待から、商社株やエネルギー企業が相対的に強含みやすいです。

三菱商事(8058)

配当利回り:2.04%(2026年3月19日終値時点)

総合商社の中でも安定した利益成長を続けている三菱商事。
2025年4月3日に発表した「経営戦略2027」では、1株当たり110円を起点とする累進配当政策方針を掲げています
資源ビジネスと非資源ビジネスの両輪で収益を確保し、自社株買いも含めた株主還元にも積極的です。

足元では原油などの資源価格の上昇を背景として、堅調な株価推移を見せており、高配当株としての妙味は薄れつつあります。
しかし、原油高やインフレをヘッジする目的で買いを入れるのであれば、今後も有望な投資対象となるでしょう。

ENEOSホールディングス(5020)

配当利回り:2.49%(2026年3月19日終値時点)

ENEOSホールディングスは、日本最大級のエネルギー企業。石油精製やエネルギー供給を担っています。
第4次中期経営計画の期間中(2025-2027年度)に1株30円を起点とする累進配当を導入し、3カ年平均で在庫の影響を除いた当期利益の50%以上を配当と自社株買いで還元する方針も示しています。

資源価格に左右されやすい業績を前提にしつつも、還元方針を明確にしているため、原油価格が上昇するなかでは特に評価が高まりやすい銘柄です。

その他の注目高配当銘柄一覧

銀行、通信、商社・エネルギーセクター以外にも、高配当銘柄は多数存在します。
収益基盤が比較的安定している高配当企業をアナリストがピックアップして紹介します。

フージャースホールディングス(3284)

【3284】フージャースホールディングス 週足チャート 2024年8月5日~2026年3月19日
※TradingViewより引用

配当利回り:5.91%(2026年3月19日終値時点)

地方の中心市街地における分譲マンションやシニア向け分譲マンションに強みを持つ不動産会社。
物件の引き渡し時期に左右され四半期ごとの収益は振れやすいものの、26年3月期は3期連続増収、5期連続増益を見込むなど、安定成長を続けています。

中期経営計画では「配当性向40%以上、かつDOE4%以上」を還元方針に掲げています。
地方実需の強さと還元方針の明確さは魅力ですが、不動産株なので長期保有にあたっては、金利動向の影響などを確認する必要があります。

UTグループ(2146)

【2146】UTグループ 週足チャート 2024年5月20日~2026年3月19日
※TradingViewより引用

配当利回り:5.54%(2026年3月19日終値時点)

製造業向け人材派遣・請負の大手です。
26年3月期第3四半期累計(4-12月)の売上高は前期比8.4%減の1,253億円、営業利益は同22.8%増の80億円となり、利益率改善で増益を確保しました。

還元面では、26年3月期から配当性向100%を基準とする方針を採っており、第3四半期配当も実施済みです。
配当性向が高いため、今後業績が悪化した場合には減配リスクが高まると考えられます。

長期保有にあたっては、利益率の改善と増益基調が続くか、採用環境や主要顧客の生産動向を確認していく必要があります。

MIXI(2121)


【2121】MIXI 週足チャート 2024年2月13日~2026年3月19日
※TradingViewより引用

配当利回り:4.59%(2026年3月19日終値時点)

MIXIは「モンスターストライク」を柱にしながら、スポーツ、家族アルバム「みてね」、公営競技関連などへ事業を広げている会社です。
26年3月期第3四半期累計(4-12月)の売上高は1,164億円で前年同期比5.5%の増収だった一方、営業利益は同22.7%減の131億円に落ち込みました。
主力のデジタルエンターテインメント事業が伸び悩んでいる一方、スポーツ事業の育成など収益源の分散化を推進している途上にあります。

とはいえ、26年3月期通期のEPS(1株当たり純利益)が199.7円であるのに対して、年間配当は120円を見込んでおり、配当性向は約60%と極端に高いわけではありません。
配当を続ける余力があるうちに、収益源の分散化を進め、安定したキャッシュフローを稼ぎ続けられるかが今後の鍵を握ります。

日本M&Aセンターホールディングス(2127)

【2127】日本M&Aセンターホールディングス 週足チャート 2024年5月7日~2026年3月19日
※TradingViewより引用

配当利回り:4.58%(2026年3月19日終値時点)

中堅・中小企業向けM&A仲介の大手で、2026年3月期第3四半期累計(4-12月)の売上高は前年同期比26.5%増の377億円、経常利益は同46.8%増の157億円と大幅増収増益を達成。
成約件数は810件、1件当たりM&A売上高も45.1百万円まで伸びており、案件数と単価の両方が改善しています。

配当は2026年3月期も前期と同じ年間29円予想ですが、このうち6円は特別配当です。
つまり利回りの見た目ほど、すべてが恒常配当ではありません。

会社は中期経営目標期間中の「配当性向60%水準以上」を基本方針として継続していますが、足元の29円は特別配当込みである点には注意が必要です。
業績回復は追い風ですが、来期以降の配当水準は、業績の拡大が続くかに左右されます。

オリコ(8585)

【8585】オリコ 週足チャート 2024年2月26日~2026年3月19日
※TradingViewより引用

配当利回り:3.86%(2026年3月19日終値時点)

オリエントコーポレーションは信販・カード・保証を主力とする大手金融会社。
26年3月期第3四半期累計(4-12月)の営業収益は前年同期比1.9%増の1,859億円、経常利益は同33.6%増の113億円と増収増益でした。
決済・保証事業や銀行保証事業の伸長が業績を支えています。

年間配当は40円を予想しており、会社は安定的かつ継続的な株主還元を基本に、連結配当性向30%をめどとする方針を示しています。
足元では業績改善がみられますが、金融株らしく金利環境や貸倒関連費用の変化で利益が揺れやすい点は意識しておきたいところです。

高配当銘柄を選ぶときの注意点

高配当銘柄を選ぶ際には、配当利回りの高さだけを見て投資先を決めるのは危険です。
見た目の利回りが高くても、その配当が今後も続くとは限りませんので、中身まで確認する必要があります。

「記念配当」は来期以降の減配リスクも

高配当銘柄の中には、普通配当に加えて「記念配当」を実施している企業があります。
記念配当とは、創立周年や上場記念、特別な業績達成などを理由に、一時的に配当を上乗せするものです。

この場合、今期の配当利回りは高く見えても、それが毎年続くとは限りません。
翌期には記念配当がなくなり、年間配当額が減るケースがあります。

そのため、配当が恒常的なものか、一時的なものかをIR資料等で確認する必要があります。

高配当が継続可能か、業績もチェックする

企業は利益やキャッシュフローの範囲内で配当を支払います。
つまり、業績が安定していない企業は、今の配当水準を維持できない可能性があります

特に確認したいのが、売上高や営業利益、純利益の推移です。
数年単位で業績が伸びている企業は、配当を維持しやすい傾向があります。

一方で、利益が減っているのに高配当を続けている企業は、無理をして還元している可能性があります。
そうした企業は、いずれ減配や無配に転じるリスクがあります。

特に、利益のうちどの程度を配当に回しているかを示す配当性向が極端に高い場合、今後の業績次第では配当の維持が難しくなる場合があります。

財務体質の健全性も重要

さらに、自己資本比率や有利子負債の水準、手元資金の厚みなど財務の健全性も見逃せません。

景気が悪化したり、一時的に利益が落ちたりしても、財務に余裕がある企業は配当を維持しやすいです。
反対に、借入依存が高く、資金繰りに余裕がない企業は、業績が少し崩れただけでも株主還元を見直す可能性があります。

特に景気敏感株や市況関連株は、利益の振れ幅が大きいため、財務の強さが重要になります。
高配当かどうかだけでなく、厳しい局面でも耐えられる会社かどうかも確認したいところです。

株主還元方針を確認

企業によって、「配当性向○%を目安にする」「安定配当を基本とする」など、配当に対する考え方は異なります。

安定配当を重視する企業は、短期的な利益変動があっても急な減配を避ける傾向があります。
業績連動型の企業は、利益が増えれば増配しやすい一方、悪化時には減配も起こりやすいです。

中長期で高配当投資をするなら、会社がどのような考えで株主還元をしているかまで確認したほうが安心です。
決算説明資料や中期経営計画を見ると、経営陣の姿勢が見えてきます。

まとめ|高配当銘柄は「中身」を確認して選ぼう

高配当銘柄は、上手く選べば長期的な資産形成に役立ちます。
特に3月末は日本株市場で多くの企業が期末配当の権利確定を迎えるため、高配当銘柄が一斉に注目される時期です。

ただし、利回りの高さだけで飛びつくと、減配や株価下落で期待した成果を得られない場合も。
確認したいのは、記念配当の有無、業績の安定性、配当性向、財務体質、そして株主還元方針です。

高配当銘柄を選ぶ際には、数年後も安心して持ち続けられる企業かどうかを考えるようにしましょう。

アナリストが選定した銘柄が知りたい!

今なら急騰期待の“有力3銘柄”を
無料で配信いたします

買いと売りのタイミングから銘柄選びまで全て弊社にお任せください。
投資に精通したアナリストの手腕を惜しげもなくお伝えします。

弊社がご提供する銘柄の良さをまずはご実感ください。

▼プロが選んだ3銘柄を無料でご提案▼


銘柄情報を含む朝刊・夕刊の市況配信の他、当社で提供している商品も別途ご案内させていただきます。また、最終的な投資判断はお客様ご自身で行っていただけます様お願いいたします。

執筆者情報

nari

大畠 典仁

日本投資機構株式会社 アナリスト

準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くのお客様に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネルにも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。

記事をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次