日本株市場には、干支に因んだアノマリーがあります。
具体的には、「子は繁栄、丑つまづき、寅千里を走る、卯跳ねる、辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑う、亥固まる」と言われています。
2026年は午年ですから、アノマリー通りであれば「午尻下がり」となります。
「尻下がり」の言葉通りのやや弱い展開になってしまうのか、気にされている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、これまでの株式市場が干支アノマリー通りに動いてきたのかを分析し、2026年の株式市場を展望したいと思います。
干支アノマリーとは?干支ごとの値動きを分析

干支アノマリ―とは、日本株市場における経験則(アノマリー)の1つです。
明治41年(1908年)の文献に「辰巳上がり」と記載されているほど古くから指摘されており、現代でも干支アノマリ―を気にする投資家は多いです。
干支ごとの日経平均の勝率・騰落率・値幅率は?
実際に、干支によって株式市場の動きに違いや傾向はあるのでしょうか?
1949年から2024年までの日経平均株価のデータを用いて、検証を行いました。
▼始値から終値までの平均騰落率と勝率(上昇した割合)、安値から高値までの平均値幅率を集計しています。


平均騰落率がマイナスの丑年と午年の相場格言は「つまづき」「尻下がり」で、いずれもネガティブな格言通りの傾向が見られています。
逆に騰落率の高い辰年と子年の相場格言は「天井」「繁栄」で、こちらもアノマリー通りの結果と言えます。
勝率で見ると、もっとも低いのは「千里を走る」の寅年です。
ただし、寅年は平均騰落率がマイナスになっておらず、極端な暴落は発生していません。
次に勝率が低いのは「尻下がり」の午年、次いで「つまづき」の丑年となっています。
勝率が高いのは「天井」の辰年、次いで「騒ぐ」の申年と酉年、「固まる」の亥年となっています。
年によって当てはまり具合にばらつきはあるものの、ある程度は格言に近い値動きの傾向が見られていると言って良さそうです。
午年相場の値動きの特徴とは?

2026年は午年ですから、格言通りであれば「午尻下がり」の相場展開になります。
そこでまず、午年の株式市場の傾向を確認しておきましょう。
▼過去の午年における日経平均株価の騰落率と値幅率は以下の通りです。

1954年、1966年は騰落率も値幅率も限定されており、静かな相場だったと考えられます。
また、1978年と2014年はまとまった上昇となっていますので、「尻下がり」の相場格言には当てはまらなかったと言って良いでしょう。
ただし、1990年の平成バブル崩壊と2002年のITバブル崩壊後の下落相場が含まれている点は注目に値します。
▼以下は、午年の各年における日経平均株価の動きを、前年末の終値を0として比較したグラフです。

年間の騰落率では+9.69%とまとまった上昇を確保した2014年を含む直近3回の午年相場では、1月の株価がまとまった下落を見せています。
その後の値動きはバラバラですが、上昇しても再度売りに押されてしまったり(2002年)、底打ちを確認して上昇に転じるまでに時間がかかったり(2014年)しています。
過去の傾向を見る限り、午年相場は一貫した強い上昇には期待しづらいと言わざるを得ません。
2026年の株式市場は「午尻下がり」になる?

ここまでの結果を踏まえて、2026年の午年相場はどのような展開になりそうかを考えてみましょう。
2026年の株式市場を取り巻くマクロ環境
国際通貨基金(IMF)が2025年10月14日に公表した世界経済見通しによれば、2026年の世界経済の成長率は3.1%と、堅調さを保つと予想されています。
トランプ米大統領が態度を軟化させ、米関税政策に関する不透明感が後退。
欧米の中央銀行は利下げを進めているため、金融政策が株価の逆風となるリスクも限定されています。
また、日本国内では、高市政権による経済対策に期待が集まるほか、日銀による利上げも景気に十分配慮して緩やかなペースで行われるとみられています。
加えて、AIへの期待感も続いていますので、2026年の株式市場を取り巻く外部環境は良好と言って良いでしょう。
PER19倍の日経平均株価は割高か
しかし、すでに株価が良好な外部環境を織り込み切っている可能性には注意が必要です。
日経平均株価のPER(株価収益率)(加重平均)は、2025年11月12日時点で19.43倍と、新型コロナウイルスの感染拡大で企業業績が急悪化した時期を除けば、2013年4月以来の水準まで上昇しています。
膨らむ期待に企業業績がついて来れなくなった場合には、株価が調整を挟みながら、業績が追いつくのを待つことになるでしょう。
また、期待を織り込んでいる分、AI関連の需要拡大が追い風となっている企業の業績の伸び率が鈍化すると嫌気した売りが膨らむ可能性も想定されます。
近年の午年相場では、1月のスタートが低調になる点を考慮すると、株式市場が2025年までの勢いを保てるかを見極めてから、買いを進めていきたいです。
2026年の株式市場の注目イベント・テーマ

2026年の投資計画を立てる上では、干支アノマリーだけではなく、イベントや有望テーマも頭に入れておきたいです。
たとえば、11月に予定されている米中間選挙などは株式市場全体に大きく影響を与える可能性が想定されます。
株式市場に影響を与えそうな2026年のイベントや、2026年に注目を集めそうなテーマは、以下の記事にまとめていますので、是非あわせてご覧ください。
[関連]2026年の経済イベントカレンダー|株式投資に使える主要スケジュールや季節性まとめ
[関連]2026年の注目投資テーマまとめ|AI・防衛・再エネなど有望テーマをプロが解説
まとめ|午年相場はインデックスより個別株!?

過去の傾向から考えれば、午年相場はハイペースな上昇には期待しづらいです。
インデックス投資では、あまり利益が出ないかもしれません。
しかし、相場全体が勢いを失う場面では、一部の好調な銘柄に資金が集まりやすい面も。
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執筆者情報
日本投資機構株式会社 投資戦略部 主任代理/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)/日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。
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